NARUTO・671話「ナルトと六道仙人…!!」
「「そうじゃねェ… そんなんで 今のサスケは倒せねェんだ… それがわかった…」
「あいつの中にも…」
(488話・コミック巻ノ52)
この台詞は、当初よくわからなかったのですが、671話を読んでようやく繋がってきました。
第四次忍界大戦開戦前に、復讐に突っ走るサスケを止め木ノ葉へ連れ戻そうとして、ナルトはサスケと闘います。その時、ナルトは何かを確信したようでした。
そして、上記のように同期メンバーに伝えて、サスケのことは自分に任せるように頼んでいます。
もちろん当時のナルトは、「アシュラ」や「インドラ」の名前は全く知らないし、カグヤから始まった因縁だって、知る由もありません。
ただ漠然と、自分とサスケの間にある何かを掴んだ。その何かが、六道仙人の話によって、ナルトの中で繋がったのだと思います。
それによってナルトは、自分の進むべき方向に、さらなる自信と確信を持ったのでしょう。
ナルトは六道仙人に対して
「イヤ! 大じいちゃんは間違ってねーよ」
と言い切っています。
これまでナルトが積み重ねてきた、体験の集大成があってこそ出てくる言葉です。
六道仙人は、自分が正しいと思うやり方ではなく、母親が取ったやり方の方が、本当は正しいではないかと迷いがあるのですが、この一言で吹っ切れていますね。
ナルト、凄いってばよ。
私にとって、ナルトの魅力は「真っ直ぐさ」。
私が大好きなもう一つの作品、「プリキュアシリーズ」の女の子達とも共通する資質です。
ナルトについては、長くなるので、いつか改めて書くつもりです。
NARUTOの物語には、成功した人物が存在しません。その点がきちんと描かれているからこそ深みがあって、この作品が好きです。
里の忍び達から「伝説の三忍」と崇められていても、自来也は、自分自身を失敗者だと思っていたし、綱手は最愛の人を亡くして、一時は自暴自棄になっていました。
柱間は友であるマダラを失った悲しみを抱えていたし、三代目は大蛇丸の暴走を止められなかったことを後悔している。カカシにいたっては言わずもがな。
事実上「神」ポジションの、カグヤや六道仙人も失敗者。
見た目の地位や名誉に関係なく、登場人物全員が、何らかの悔やみや悲しみや失敗を抱えています。
六道仙人は、自分の子供達のケンカをずっと見続けていて、何だか切ないですね。
親の身であれば辛いと思うんですよ。
自分が抱えている悔やみ、悲しみ、失敗とどう向き合うのか、NARUTOが教科書になって学ばせてもらっている感じです。
さて、今話では、サスケ側の詳細が描かれていませんが、いずれ明らかにされるでしょう。
「アシュラ」側であるナルトが「仲間を守りてェ… それだけだ」というのはわかりやすい。むしろ、サスケがどうしてそう思ったのかが知りたいですね。
あの絵を見る限り、サスケもナルトと同じ結論に至っているとしか思えないので。
「インドラ」側のサスケが、歴代の転生者とは違う道を選んだ理由、これって結構、物語のキモではないかと思うのです。
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