抹茶みるく日記

感想や日々の雑考のブログです。感想は作品の評価より、自分の思考を深め、得るものがあるかどうかを重視しています。

NARUTO・48話「その目的は…!!」

サスケとサクラのピンチに間に合ったナルト。

 

サクラ:「いいわよナルト! イケてる!!

 

サクラに褒められて得意げなナルト。

 

サスケ:「ナルト! カッコつけて助けに来たつもりだろーが…… 出しゃばるな! 逃げろ!! こいつは 次元が違いすぎる!!

 

サスケの言う通り、この草忍は普通じゃありません。

 

草忍:「フフ… あの大蛇を見事倒して来たようね ナルト君」

 

47話でナルトを飲み込んだ大蛇は、コイツのしわざだったようです。
サスケはナルトが助けに来て良くなったためしがないと、次の手を考えます。
ナルトは草忍に向かって啖呵を切ります。
このままでは3人ともやられると判断したサスケは、ある方法を思いついたようです。
写輪眼を収めたサスケ。闘わないつもり?

 

サスケ:「巻物ならお前にやる…… 頼む… これを持って引いてくれ」

 

驚くナルトとサクラ。
ナルトは「巻物を敵にやってどうするんだ」と、サスケを責めます。

 

草忍:「『獲物』が『捕食者』に期待できるのは、他のエサで自分自身を見逃してもらうことだけですものね…」

 

サスケは巻物を敵に投げます。ナルトは飛び出して巻物を取り戻します。

 

サスケ:「てめェ! よけーなことするな! この状況がわかってるのか!!」

 

ナルトは思いっきりサスケを殴ります。

何をしやがると怒るサスケ。
ナルトは「お前はサスケのニセモノだろ」と言い返します。

 

サスケ:「このウスラトンカチが…… …オレは本物だ…!」
ナルト:「…ウソつけ… こんなバカで腰抜けヤローは ぜってー オレの知ってるサスケじゃねー!!

 

ナルトは巻物を渡しても、自分たちを見逃す保証はないと、サスケに言います。

 

ナルト:「ビビって 状況分かってねーのは お前のほうだってばよ!」

 

草忍はナルトの言う通りだと言います。
怒ったナルトは草忍に突進していきます。
ナルトに逃げるように叫ぶサスケ。
腰が引けているサスケに、ナルトは情けなくてたまりません。

「ちくしょう…! 見損なったぞサスケ!!」

 

草忍:「口寄せの術

 

巨大な蛇が現われて、尻尾でナルトをたたき落とします。
血を吐きながら落下するナルトを見て、サスケは恐怖で動揺します。
落下していくナルトですが……。

 

ナルト:「クソ喰らえーーーーーーーーーーーー!!!

 

ナルトは大蛇の頭を殴りつけます。
ナルトの顔を見た草忍は、ナルトの変化に気がつきます。

「…このガキ まさか…」

 

ナルト:「うォォオオ!!

 

サクラは大蛇と草忍に向かっていくナルトを、信じられない様子で見ています。
「ナルト…キレちゃってる…でも… あのナルトが…どーしてこんなに強いの…!?」

大蛇の頭上に立っている草忍は、火遁でナルトを攻撃。
「……あの眼…間違いないわ」

 

サスケもサクラと同様、ナルトの豹変に驚いています。
「あ…あれがナルト…!?」

 

草忍は次にサスケを襲います。
大蛇がサスケに向かっていきます。サスケは震えて動けません。

 

ドカ

 

ナルトが体を張って、大蛇の頭を背中で受け止めます。ナルトは鼻血を出して息が上がっています。

 

ナルト:「……よォ ケガはねーかよ… ビビリ君


次元が違いすぎる敵を前に、サスケは逃げることだけを考えています。
確かに敵の異常さを考えればその選択肢もありです。
しかし命乞いのために大事な巻物を敵に渡すことは、任務の放棄を意味します。

ナルトの眼の変化は”波の国任務”の27話で、九尾のチャクラが漏れ出した時と同じです。
あの時サスケは仮死状態でしたし、サクラはタズナの護衛で離れたところにいたので、ナルトの変化を見ていません。
2人は九尾の力を引き出したナルトを見るのは初めてなので、ナルトの豹変に驚くばかりです。
なぜか草忍が気がついているところがポイントです。この人は九尾の秘密も知っているようです。

ナルトの最後の台詞は、10話でサスケがナルトに言った言葉のオウム返しです。
生れて初めての忍者対決では、恐怖で全く動けなかったナルトでしたが、ここでは立場が逆転しています。
ナルトは経験を通して、着実に成長しています。

サスケには「復讐」という目的があるので、目的を達成するためには生き延びなければなりません。その気持ちが巻物を敵に渡す(=任務放棄)という、とんでもない手段を取らせてしまったのかもしれません。

ナルトとサスケを見ていて思うのは、成績優秀者の判断が常に正しいとは限らないことです。社会に出れば学校と違って、セオリー通りで解決できることは逆に少なくなります。
刻々と変化する状況に対応するためには、セオリーを押さえつつも、セオリーを無視した判断が必要な場合もあります。これは頭の中でシュミレーションしても身につかないことで、実戦で苦しい思いをしながら、一つ一つ体得していくしかないのです。
大人になるということは、苦しみに立ち向かいながら、困難を乗り越えていくプロセスに他なりません。

社会に出ればナルトのようなタイプの方が、往々にして大成することがあります。
頭でぐちゃぐちゃ考えていないで、まずやってみる。
やりながら修正して学んでいくことが、学校を卒業してからはとても大切です。

 

(48話は、コミック巻ノ6に収録されています)

 

NARUTO (巻ノ6) (ジャンプ・コミックス)

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