NARUTO・63話「もう一つの顔」
多重影分身を使ったにも拘わらず、まだ戦えるナルト。
雨隠れの忍達が驚いています。
「何てガキだ……… まだ動けるとは…!」
サスケも驚いています。
「これが本当に あのナルトか………? こいつ… いつの間にこんなに伸びたんだ!?」
カブトもナルトのチャクラ量に驚いています。
試験開始から5日目で相当にバテているはず。それなのに多重影分身の直後に、三体だけを仲間に変化させる大技をやって、それでもまだ動けるとは。
「この子 チャクラの使い方さえマスターすれば…化けるぞ………」
雨隠れの忍達も、まだ諦めていません。
忍法 朧分身(おぼろぶんしん)の術!!
3人がそれぞれ分身を出しているので、相当な数です。
一瞬ナルトは影分身かと思いますが、サスケはただの分身だと見抜きます。
ナルト:「フン…… ただの分身なら本体は一人… そいつにぶつかるまで 片っ端からぶっとばしてやる」
サスケ:「バカヤロー そんな要領の悪い…」
ナルト:「………」
ナルトが飛び出します。
ナルト:「だから 出しゃばんなって言ってんだろ!」
力押しするナルトに、サクラは無茶だと言い、カブトは舌打ちします。
サスケは援護に向かおうとしますが動けません。
「…クッ… さっきから写輪眼を使うと首筋が痛む …チャクラの使いすぎか…!? ちくしょう…」
ナルトは次々敵を攻撃しますが、すべて分身。素通りするだけです。
これではナルトはチャクラを無駄に消費するだけです。
カブト:「ナルトくん よせ!」
ナルトの攻撃が全て素通りするのを見て、サクラはまだ幻術にかかっているのかと心配します。
サスケは最後のチャクラで写輪眼を使います。かなりバテバテです。
写輪眼を使った直後、サスケが苦痛の声を上げます。
サクラはサスケの首筋に、呪印が浮き出ているのを見つけます。
サクラ:「サスケ君 写輪眼を使うのはもうやめて!!」
サクラの声にナルトが振り返ったところへ、敵がクナイを持って、襲ってきました。
雨隠れの忍1:「スキを作っちゃダメでしょ!」
カブトがナルトを助けに飛び込みます。
カブトは負傷しています。
ナルト:「ちくしょう!!」
サスケ:「よせナルト! いくら殴りかかっても… その分身の中に本体はいない……」
ナルト:「じゃ 敵はどっから攻撃してくんだってばよ!? ただの分身じゃ 分身自体が攻撃することはできねーんだぞ!!」
サスケ:「それが分かれば苦労するか! これが敵の策だ!!」
さすがのナルトも影分身を出せるほど、もうチャクラが残っていません。
敵の思うつぼに嵌まっています。
疲労した様子を見極めて、敵が動きます。
敵の攻撃に備えるナルトの足下の地面から、クナイを握った手が出てきます。
サスケの目はそれを捉えますた。
「そうか!! 本体は土遁で隠れ…分身の影から攻撃を……!!」
倒れていたカブトも気配に気がつきます。
カブトは咄嗟にかわしますが、かわしきれずクナイが顔を掠めます。
再び倒れるカブト。
しかし殺気を放つ目で敵を睨みつけます。その眼力に一瞬ひるむ雨隠れの忍。
サスケはその瞬間を見逃しませんでした。
地面から出てきた敵がひるんだ隙に、ナルトが攻撃します。
元々体術が苦手だったので、幻術や分身を使った策で戦っていた敵です。
あっさりナルトに倒されます。
ナルト:「へっ! ”スキ 作っちゃダメでしょ”なんだろ!」
カブト:「フ−−−−−−−−… ありがとう……… ナルトくん 助かったよ」
敵は全員倒されました。
カブトはサスケの首筋に気がつきます。
カブト:「どうしたんだい…それは ケガか… ひどいアザだ…!」
サスケ:「……… 何でもない…」
サスケはごまかします。
ナルト:「あった!あった! ホラ ”天の書”だってばよ!!」
カブト:「良かった…」
喜ぶカブトを、サスケは疑わしい目で見ています。
「コイツ… 何か引っかかる………」
何とか期限までに巻物を揃えて、塔へたどり着いた4人。
入り口付近にカブトのチームメイトが待っていました。
ナルトはカブトに礼を言います。
カブトは君達の頑張りの御陰だといいます。
カブト:「ぼくらは こっちの扉を行くから… じゃあ お互い頑張ろう!」
ナルト:「うん!」
それぞれ扉を開けて、塔の中へ入っていきました。
カブトチームが中に入ると、誰かが待っていました。
カブトに「収穫は?」と尋ねます。
カブト:「”第二の試験”での彼の情報は 全て書き込んでおきましたよ コレ要るでしょ…」
カブトが過去の試験で収拾したデータカードと、同じカードを見せます。
渡した相手は大蛇丸。
カブトは木ノ葉に潜入していた、音隠れのスパイでした。
カブトが顔の傷に手を当てると、傷が消えています。自分で治したようです。
一方ナルトチームは、誰もいない部屋にいました。
どうすればいいか途方に暮れる3人。
壁に文字が書かれた額が飾ってあります。
読んでみますが、所々文字が抜けていて分かりません。
サクラ:「多分…巻物のことよ…… これって 天地の巻物を開けってことだと思うんだけど…」
巻物を取り出し、固唾をのむ3人。
ナルト:「それじゃ… 開くってばよ…!!」
ナルトはチャクラ量頼みの力押しの攻撃しかできませんが、サスケを驚かすほどの成長を見せています。
スタミナと根性だけではなく、影分身の使い方もひねりを加えて上手くなっています。
最初に影分身を使ったのは1話でした。イルカ先生を助けるために、多重影分身でミズキを単純に数で攻撃しました。
次は5話のサバイバル演習で、カカシの裏をかいて影分身を陽動に使っています。この時はカカシの方が上手で、変わり身の術でかわされています。
”波の国任務”の14話〜15話で、サスケと共闘したときにも影分身を陽動に使い、本体は手裏剣に化けて、カカシを水牢の術から救っています。
そして今回は3体の分身をサスケ達に変化させて、相手の裏をかいています。
単純な力押しだけではない面も見せています。
ただし今回の戦いをじっくり見ると、カブトやサスケのサポートがあったのも大きいです。
相手が実体のない幻影だと見抜いたのはサスケです。
ナルトが倒したように見えても、ナルトにはない能力を持った、仲間の力があったことも見逃せません。
サッカーの試合でも、ゴールを決めた人がヒーローとして扱われがちですが、シュートを打てたのは、それまでに仲間のパスやディフェンスがあったからです。
サッカーを知らない人は、シュートに至るまでのプロセスが見えていないので、ゴールを決めが人だけを評価してしまいます。
影の功労者の存在に気がつかないことは、現実に多いです。
結局、人間が一人でできることはたかがしれています。
様々な能力を持った人達の総合力で、ものが成し遂げられていくのです。
これが現実です。
だから人との繋がりの力が必要だし、人との協調が必要なのです。
サスケは基本的にナルトを格下だと思っていますから、ナルトの活躍が増えるのは、彼にとっては驚異なのでしょう。
しかしナルトもサスケも、お互いに持っているものと持っていないものがあります。
端から見ていると補完し合いながらやっていけばいいのですが、それにはまだ2人は幼すぎます。
ナルトが伸びてくればサスケのプライドが傷つくし、ナルトはいつまでもサスケの後塵を拝していたくはないでしょうから、競争意識が芽生えるのは当然です。
カブトが大蛇丸の部下だったことが明かされました。
ナルト達に近づいたのは、サスケの情報を入手するためと、第二の試験を突破させるための援護でしょう。
サスケを「第三の試験」まで進ませて、さらに実力をみたいためだと思います。
(63話は、コミック巻ノ7に収録されています)
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