抹茶みるく日記

感想や日々の雑考のブログです。感想は作品の評価より、自分の思考を深め、得るものがあるかどうかを重視しています。

NARUTO・682話「見たことねーだろ」

前回(681話)カグヤに隙を作らせてその間に封印すると、ナルトとサスケが話していました。
その時にナルトが言った、「ああ! もうアレしかねェ…! あの術しか!」。

 

サスケは何の術か、思い当たらないようです。

 

ナルト:「サスケ…ちょっち耳貸せ」

 

カグヤと合体している黒ゼツは、
「何を企んでいるかは知らんが 母は全ての術を吸収する  お前らの行為は無意味だぞ」

 

マダラも輪廻眼を開眼してから、全ての忍術を吸収していました。
当然カグヤは、その能力を持っているのでしょう。

 

影分身のナルトに保護されている、カカシとサクラとオビト。
遠くからナルト達の様子を見ています。
サクラがカカシに、お互いににらみ合って動いていないと状況を伝えます。

 

幻術ではなく本物の熔岩の世界。
カグヤの空間に強制的に引きずり込む力は、次元が違いすぎる。
「あれはまるで神だ」とカカシは言います。
サクラは影分身のナルトに、どうやって闘うつもりか尋ねます。

 

影分身ナルト:「これで最後かもしんねーけど…やるだけやってみねーとな 今までだってそれの連続だったろ?」

 

影分身のナルトは、意識がないオビトの胸に右手を当てています。
オビトがうめき声を上げます。ナルトの回復術は成功のようです。

 

カグヤと対峙するナルトとサスケ。

 

サスケ:「…お前! 本気か!?」

 

ナルトはやってみるまで分からないと言います。

 

ナルト:「オレってば密かに 螺旋丸以上にこの術を練習してきたんだってばよ…! やってみる価値はあんだろが!」
サスケ:「……… それで奴のスキができる可能性があるなら …いいだろう オレも左目の準備をしておく」

サスケ:「いくぞ!
ナルト:「オウ!

 

まずサスケが天照で攻撃。
カグヤは術を吸収していきます。
その間にナルトがカグヤへ突進します。

 

サクラ:「動いた!

ナルト:「くらえ!!

 

ナルトの影分身達が、カグヤを取り囲みます。

 

おいろけ 逆ハーレムの術!!!

 

影分身が、全裸のイケメン集団に変化!!

 

カグヤぽかーん。
サクラ絶句。
困惑のカカシとサスケ。

 

ナルト:「おいろけ系は強い奴ほど よく効く傾向にあるんだってばよ!」

 

あほ~~~~~~~~!!! この状況で何て術してんのよォーー!! 私は別として そんな術があんな神みたいのに効くかぁーーー!!!
サクラちゃん、鼻血たらしてるってばよ。

 

ナルトがカグヤを殴り飛ばす。

 

サクラ:「効いたアアァーーー!!!

ナルト:「チャクラの祖だか何だか知らねーが 見たことねーだろこんな術!! これが忍の歴史だコノヤロー!!

サスケ:「今だ ナルト!!」
ナルト:「おう!!」

 

2人はカグヤを挟み撃ちに。

 

カカシは、さすが意外性No.1だと、驚くやら呆れるやら。

 

カカシ:「まさかナルトのこのエロ忍術が 世界を救うことになるのか!!!」

 

カカシはかつて自来也が、「世界を救う予言の子はナルトだと信じている」と言っていたことを思い出します。

しかしカグヤに触れかけた2人の手が冷たくなり、辺りの空間が変化します。
カグヤは空間へ移動。
サクラは影分身のナルトに、場所が変わったのはどちらの術の効果なのか尋ねます。
影分身ナルトが言葉に詰まっていると、カカシが熔岩の世界に行ったときと同じなので、敵の術だと答えます。


ナルトとサスケは氷に閉じ込められています。
サスケが天照と加具土命で氷を溶かして、2人は脱出します。

 

ナルト:「サンキュー サスケ!!」

 

再びカグヤと対峙する2人。

 

ナルト:「それにすまねぇ…おいろけは失敗しちまった…」
サスケ:「フン…あんな術で倒せるとはハナから思ってない  今度はオレの作戦でいく…協力しろ」

 

黒ゼツ:「母さん…こいつら やっかいだね…」

 

黒ゼツは2人を分断して倒すように、カグヤに提案します。
カグヤが腕を伸ばすと空間が割れて、サスケの後ろの空間からカグヤの手が伸びてきます。
襟首を捕まれて、空間に引きずり込まれるサスケ。
サスケが連れて行かれたのは……砂漠の世界。


「意外性No.1のドタバタ忍者」の本領発揮!。
ここで陽動においろけの術を使うとは、そんな発想はなかったわ。恐れ入りました。
しかも螺旋丸以上に練習していたとは。

 

ナルトは物事を理詰めで考えるのは苦手な子です。
悪く言えば、行き当たりばったりの成り行き任せな子。
よく言えば、既成概念に囚われない柔軟な対応ができる子。
物事には絶対の善も絶対の悪も無く、状況に応じて評価が変わります。

 

そしてナルトの真骨頂は、「諦めないド根性」。
「やれることは全部やる」という姿勢は、子供の頃から変りません。

 

おいろけの術は、基本の分身の術さえまともにできなかったナルトが、唯一完璧(?)に発動できた術です。ナルトにとっては、螺旋丸より歴史が古い。
三代目火影も、エビス先生も、イルカ先生もこの術に敗れています。

 

イタズラでしか自分を表現できなかった幼いナルトは、大人がこの術にやられるのが面白くて、一生懸命に練習していたのでしょう。
木ノ葉丸と競って研究(?)していたくらい、熱心でしたね。

 

当時のナルトは、なぜ大人がこの術にやられるのか、わかっていませんでした。
しかし大人に叱られることは無視されるよりマシだし、大人をやっつけることは自分の存在を認めさせることになっていたはずです。
この術の効果は幼い頃から実証済みなので、ナルトが螺旋丸と同じくらいに大切にしているのはわかる気がします。

 

人間は誰でもスケベなところがあって、その本質を突いたのが「おいろけの術」。
さすがにカグヤは鼻血こそ出しませんが、意表を突かれたのは間違いありません。
しかし隙を作るという目的は達しましたが、封印はできませんでした。

 

エロ忍術が強い奴ほど効くなら、マダラやオビトにも使えば良かったかもしれませんね。
2人が三代目のように鼻血を出して倒れるか分かりませんが、陽動には有効だったんじゃないでしょうか。

 

ナルトが「これが忍の歴史だ」と言ったのは、長い忍の歴史の中で、「この術を開発したのはオレだけだ」という矜恃の表れです。
チャクラの祖であるカグヤも、まさか後世の忍がこんなチャクラの使い方をするとは思っていなかったでしょう。

 

カグヤは初めて見る術に、間違いなく思考停止していました。内心呆れていたかもしれませんけど。

 

私はカカシの台詞を思い出しました。

 

カカシ:「次から次へと 新しい時代が追い抜いていくのさ」

342話(コミック巻ノ38)

 

初めてナルトが風遁・螺旋手裏剣を使って、暁の角都を倒した時に、カカシが倒れている角都に言った言葉です。
角都は初代火影と闘ったこともある歴戦の忍です。
彼はカカシやシカマル、いの、チョウジ達を、ガキ扱いしています。
年齢と経験値に圧倒的な差があるのは事実なので、仕方がありません。

 

角都は他人の生きた心臓を奪い、自分に装着することで、その忍のチャクラ性質を取り込むことができました。
また新しい心臓に取り替え続けることで、命を永らえています。
自分の心臓以外に4つの心臓を装着でき、合計5つの心臓をすべて潰さないと死にません。ある種の不死の能力と言えます。

 

カカシは角都に、絶体絶命のピンチに追い込まれます。
角都の豊富な実戦経験に基づいた、観察力、洞察力、判断力。なによりも5つのチャクラ性質を使える能力は、カカシを超えています。
あわやという時に、遅れて到着したナルトの新術、風遁・螺旋手裏剣によって、角都は全身の細胞を破壊されて力尽きます。

 

NARUTOは若い世代が、上の世代を超えて行く物語でもあります。
カグヤが復活したとはいえ、彼女も過去の人なのです。
この視点に立つと、この闘いはカグヤを倒すというより、彼女を越えるといった方が良いのかも知れません。

 

ナルト達が「大先祖」とも言えるカグヤをどう越えるのか。
私はカグヤの考え方や世界観とは違う、新しい価値観や世界観を作ることが、彼女を越えることではないかと思っています。

 

スケベといえば、678話で触れたスピンオフ・ギャグ作品『ロック・リーの青春フルパワー忍伝』をアニメ化した、『NARUTO -ナルト- SD ロック・リーの青春フルパワー忍伝』46話で、自来也がナルト、リー、木ノ葉丸を率いて女湯を覗きにいくエピソードがありました。
その時に自来也が分類したタイプがあります。

「オープンスケベ」→自来也、ナルト、リー、木ノ葉丸

「ムッツリスケベ」→カカシ、エビス、イルカ、ネジ

「ナチュラルスケベ」→サスケ、イタチ、ヤマト

「無所属」→大蛇丸、ガイ、チョウジ、サイ

ちなみに「無所属jとは、よくわからない人達のグループです。

 

NARUTO -ナルト- SD ロック・リーの青春フルパワー忍伝』は、「本編のイメージが狂うからイヤ」という方にはお勧めしませんが、気にしない方にはお勧めします。
私はDVDをレンタルして全部観ました。無茶苦茶、可笑しいです。
単なるドタバタではなく、ほろりとさせるエピソードもありますよ。風刺ネタもあって面白いです。
声優さんは本編と同じです。本編と同じ声で台詞はギャグ。
ギャグのネタに1970年代のドラマやアニメを使ったりするので、40代以上の方は特に受けると思います。

参考URL→http://www.tv-tokyo.co.jp/anime/lee2012/story/index.html

 

黒ゼツが「母さん」と、カグヤに語りかけているのも気になりました。
どこか母親に甘えているようにも聞こえます。
今までの黒ゼツとは、明らかにキャラクターが変っていますね。
こちらが本来の黒ゼツで、今までは演技をしていたのでしょうか。
そもそも、この人は何者なの?
黒ゼツに関する情報も、まだ全て明らかになっていません。

 

NARUTO 38 修業の成果…!! (ジャンプコミックス)

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