NARUTO・89話「ナルトのお願い…!!」
カカシとカブトの初対決。
サスケの護衛に用意した暗部達が、カブトによって皆殺しになっています。
カカシ:「お前… 確か木ノ葉の忍医の息子だったな… うだつの上がらないダメ忍者で… 名前はカブトだっけか?」
カブト:「……… ……今度から最低10人は…用意しておいた方がいいですよ」
カブトは中忍選抜試験を何度も途中で棄権しているので、木ノ葉の上忍の間では「ダメ忍者」になっているのですね。
彼が音隠れのスパイで、中忍選抜試験を受験していたのは、忍達の情報収集が目的であることを、今まで誰も気がつかなかったようです。
カカシはカブトに、サスケに近づく目的を尋ねていますが、カブトは答えません。
カカシ:「黙って質問にだけ答えろ」
カブト:「『イヤだ』と言ったら?」
カカシ:「質問してんのはこっちだ… おとなしく答えろ お前は……大蛇丸と繋がってるのか?」
カブト:「……… 今ここでボクを捕まえたら 大蛇丸との繋がりを証明できないかもよ …どんな拷問や幻術にかけられたって ボクは口を割らないしね… それにボクはケンカはあまり好きじゃないし… 泳がせとけばいずれ分かることなんだから… 今回は見逃してくれないかな…」
カカシ:「お前… わがままなガキだね どーも… …大人をあんまりなめるなよコラ」
カカシはカブトにクナイを向けます。
カカシ:「この里の掟は知ってるよな……… スパイ行為はどうなるか」
カブト:「あまり偉そうにしないで下さいよ 状況はこっちが有利なんですから………」
カカシ:「!」
カブトはベッドに寝ているサスケに、クナイを突きつけます。
カブトがサスケにクナイを振り下ろしたとたん、カカシが素早くカブトの動きをガード。クナイをはじき飛ばします。
カブトが倒れたと同時に、倒れていた暗部の忍の一人が起き上がります。
(カカシ):なるほどね!
暗部の忍がドアから外へ出ようとすると、そこにはカカシがいます。カカシの影分身です。
ドアから出られないと見た忍は、窓ガラスを破って飛び出します。
忍が面を取ると、暗部ではなくカブトでした。
(カカシ):くそ…逃がしたか
これは、死体の心臓を一時的に動かして操る、死魂(しこん)の術。
しかも、死体の顔を整形でカブトと同じ顔に変えていました。
カカシはまんまと出し抜かれたわけです。
(カカシ):死体処理班も顔負けの技だな… これほどの奴が大蛇丸の下にいるとなると… オレもこのままじゃあな…
一方、試験会場では、これからくじ引きが始まります。
本選出場者は一人1枚ずつ、箱からくじを引きます。
くじに書かれた番号を、一人ずつ読み上げます。不在のサスケは4番。
これは、本選のトーナメントを組むためのくじ引きでした。
①うずまきナルト
②日向ネジ
③我愛羅
④うちはサスケ
⑤カンクロウ
⑥油女シノ
⑦テマリ
⑧ドス・キヌタ
⑨奈良シカマル
一回戦の組み合わせは、①と②、③と④、⑤と⑥、⑦不戦勝、⑧と⑨。
(ナルト):日向ネジ いきなりあいつか 望むところだってばよ!
三代目が質問を受付けます。
シカマル:「トーナメントってことは…優勝者は一人だけって事でしょう… つーことは…中忍になれるのは たった一人だけってことっスか?」
本選の審査委員は、火影と風影、任務を依頼する諸国の大名や、忍頭達で構成されます。
出場者の能力には絶対評価がつけられて、中忍としての資質が十分にあると認められれば、一回戦で負けても中忍になることができます。
テマリ:「ということは……… ここにいる全員が中忍になれる場合もあるってことか?」
三代目:「うむ じゃが逆に…一人も中忍になれん場合もある! トーナメントで勝ち上がるということは…自分をアピールする回数が増えるということじゃ」
三代目から解散宣言が出ます。
(ナルト):二回戦は砂のマユナシかサスケかぁ… あいつゲジマユぶっとばすほど強えーしな… ………… うーむ こうなったらカカシ先生に!
一回戦はネジと、勝てば二回戦は我愛羅かサスケと対戦することになったナルトは、自分が置かれている状況の厳しさを、実感せざるを得ません。
サクラにカカシ先生の居場所を尋ねます。
サクラ:「…多分! サスケくんとこよ!」
88話で、カカシは行き先を告げずに去っていますが、やはりサクラは鋭い子です。
木ノ葉病院で、カカシ先生を探すナルト。
大声で受付の人にサスケの病室を尋ねますが、「面会謝絶」と断られます。
食い下がるナルト。
カカシが出てきました。
カカシ:「ナルト 院内では静かにしろ」
ナルト:「あ! カカシ先生!! あのさ! あのさ! お願いあんだけど!」
カカシ:「みなまで言うな… ま! そうくると思ってな… お前の修業を見てくれる人を探しておいた」
ナルト:「何で!? カカシ先生がいいってばよ!」
カカシ:「オレはちょっと用があってな お前に構ってるヒマがないの……」
ナルト:「…………… さてはサスケを教えるつもりだなぁ!!」
カカシ:「ま! そう言うな お前には オレよりしっかりした先生を見つけてきたから!」
ナルト:「誰だってばよ!?」
「私だ!!」の声に、振り向いたナルトが見たのは…、
ナルト:「あー! お前はぁーーー! むっつりスケベー!!」
エビス先生!?
サスケをナルトから引き離すため、大蛇丸からサスケを攫う(さらう)ように命を受けたカブト。倒した暗部の忍の顔を、自分と同じ顔に整形しておいて、万が一のために備えていました。
カカシと交戦する羽目になったカブトは、自分の顔をした死体を動かして、脱出に成功します。
しかし、サスケを連れ去ることには失敗します。
88話で大蛇丸は、カブトがサスケを殺すかもしれないと気にしていました。この頃のカブトと大蛇丸は、まだお互いに腹の探り合いをしている感じがします。
大蛇丸は誰に対しても、自分の本心を隠していますから、木ノ葉を襲撃する目的が今ひとつハッキリしません。
大蛇丸がサスケの体に転生すると、写輪眼を手に入れて、さらに強くなります。
もしカブトが、大蛇丸の力が増大するのを恐れていたり、木ノ葉襲撃に躊躇い(ためらい)を感じていたりすれば、サスケを大蛇丸の渡さない方がいいはずです。
その可能性もあるので、大蛇丸は「私を止めたいなら、今サスケを殺すしかないわよ…」と言ったのでしょう。
ナルトは同じ班にいながら、サスケを巡る動きに気がついていません。
本戦の組み合わせを見て、ナルトはさすがに焦ります。
頼みの綱のカカシ先生からは修業を断られて、別の先生を紹介されます。
本戦まで1ヵ月。ナルトはどこまで強くなれるでしょうか。
(89話は、コミック巻ノ10に収録されています)
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