抹茶みるく日記

感想や日々の雑考のブログです。感想は作品の評価より、自分の思考を深め、得るものがあるかどうかを重視しています。

NARUTO・忍界大戦1

物語の大きな主題の1つが、「世界の平和(=人類が争わずに仲良く暮らす)をどうやって実現していくのか」。

その材料に、NARUTOの物語では「忍界大戦」が使われています。

これまでに3度の大戦があって、今は第四次大戦中。

 

物語の主題を支えるために、「戦争」や「殺し合い」が出てくるわけですが、どうしても、現実世界で起こっている、世界中の紛争が頭をよぎってしまうんですね。

日本だって約70年前は戦争をしてましたし。

 

なぜ人の世には争いが絶えないんでしょうかね……。

 

自国の利益のため?

価値観の相違のため?

 

最も卑近な原因は、利益を得るためでしょう。

個人レベルでは、泥棒や強盗も同じ理由です。

国レベルになれば、領土を拡張することで、地下に眠っている資源を手にすることができるし、農作物が育つ豊かな大地を手にすることができる。

 

価値観の相違でいえば、ついこの間まで、「資本主義と共産主義」の対立構造があって、アメリカとソ連の二大国による冷戦状態がありました。

結局、共産主義の手法では経済が上手くいかないことが分かり、今では中国や、旧ソ連邦の一部であったロシアも、事実上、国営を脱却して資本主義へ舵を切っています。

ややこしいのは、経済構造と政治構造は別だということです。経済は資本主義でも、政治体制は共産主義時代のまま一党支配が続いているのが、今の中国、ロシア他の国々です。

それと、資本主義と民主主義の定義の違いも押さえておかないと、よけいにわかりにくくなります。

さらにやっかいなのが、宗教がらみの対立。

現実世界でも、まだまだ紛争の種は尽きませんよ。

 

ふと思うんです。戦争に勝つって、どういうことだろう?利益を享受できる人って、戦争で生き残った人だし、戦争に勝って生き残っても身内が戦死していたら……一体誰得なの?

実際の「勝ち組」は、ほんの一握りの人達ではないでしょうか。

 

そしてもし、自分が戦場で戦う状況になったら、どんな心境になるだろう?

リアルな戦場で「仲間を守るため」といって戦う人がいるとすれば、そういう麗しい言葉で自分を鼓舞しないと、やってられないんじゃないかと思います。

末端の兵隊になればなるほど、そうじゃないのかなあと。

つまり、個人の力ではどうすることもできない流れの中にいて、死にたくないし人も殺したくないけど、身を守るためには目の前の敵を殺さなくちゃならない。それには自分に対して何か理由付けをしないと、やってられないと思うわけです。

 

実際に今、中近東や南アフリカでは、柱間とマダラの子供時代のように、10歳に満たないような子供でも、武器を持って戦っているわけです。

NARUTOの物語には、血で血を洗う場面がけっこう出てくるので、どうしても世界の紛争やもめ事とリンクしてしまうんです。

 

それと同時に、作者は一種の皮肉を込めて、戦争や争いを描写しているのもわかります。この点については、次の機会に。

 

NARUTOの物語を通して、平和について考えてくれる人が、一人でも二人でも出てきてくれたらいいなと思うんですね。