自己成長につながる「良い質問」のしかた
前回、質問の仕方で自己成長のスピードが変わると言いました。
もう少し、具体例をお伝えしようと思います。
例えば、仕事でも習い事の場でも、こう質問する人がいます。
Aさん:「●●をやってみたのですが、上手くいきません。△△をしたら良いでしょうか?」
Aさんのような質問は、よく耳にしますし、ネットでもよく見かけませんか。
みなさんは、こう聞かれたらどう思いますか?
そして聞かれたら、どう答えますか?
ぱっと聞いただけでは気がつかないかもしれませんが、前回の記事に書いたように、実はこういう人も、「教えて君」の部類に入るんですね。
ただし、本人は微塵もそのように思っていないはずです。
「●●をやってみたじゃないか」と思っているからです。
しかし、せっかく教えを乞える師匠なり、上司なり、先輩がいるなら、こんな質問の仕方はとても勿体ないのです。
教えを乞う=質問をする前に、やるべきことが2つあります。
1.自分で考えられる試行錯誤は、すべてやってみる。
2.その上で、上手くいかなかったことについて、なぜそうなったのか、仮説を立ててみる。
これらを最低やっておかないと、「良い質問」ができないのです。
ここがわからない人が、意外と多い気がしています。
この2つを実践したというベースがあると、以下の、2つのパターンの質問ができるんですね。
A.
「●●をやってみたのですが、上手くいきません。それで、△△を試してみましたが、やはり上手くいかず、××という結果になりました。自分は、□□が原因だと思うのですが、どうしたらよいかわかりません。教えていただけないでしょうか?(あるいは、「□□が原因だと思うのですが、間違っているでしょうか?他に考えられる原因はありますか?)」
B.
「●●をやってみたのですが、上手くいきません。それで、△△を試してみましたが、やはり上手くいかず、××という結果になりました。どうしても原因がわからないので、教えていただけないでしょうか?」
Aは、仮説が立てられた場合、Bは、今の自分の知識と経験では、仮説が立てられなかった場合ですね。
もう一度、Aさんの質問を振り返ってみましょう。
Aさん:「●●をやってみたのですが、上手くいきません。△△をしたら良いでしょうか?」
気がつかれましたか?
Aさんは「△△をしたら良いでしょうか?」と言っていますから、次に試すべきことが、自分でわかっているわけです。
つまり、わかっているのに「やらない」のがAさんという人物だ、ということになるのです。
●●でダメだったので、△△ならいけるかもしれない、でもまたダメかもしれない、だからやりたくない、と思っているかもしれません。
あるいは、面倒だからやりたくない、と思っているかもしれません。
いずれにしても、試行錯誤することを放棄しているわけですから、結果として「教えて君」になっているわけです。
賢い上司や、一流レベルの先生なら、こう答えるでしょう。
「それなら、まず△△をやってみてください」
さらに言うと、△△では上手くいかないとわかっていても、同じように答える可能性は高いです。
△△は、Aさんが自分で考えた試行錯誤の一手です。
本気でこの人を育てよう、上達させようと思うなら、先に正解を与えず、本人が考えたやり方を試させようとするでしょう。
これがわかると、良い質問とは何か、逆に、なぜ「●●をやってみたのですが、上手くいきません。△△をしたら良いでしょうか?」が良くない質問なのか、腑に落ちると思います。