抹茶みるく日記

感想や日々の雑考のブログです。感想は作品の評価より、自分の思考を深め、得るものがあるかどうかを重視しています。

NARUTO・43話「第10問目…!!」

イビキ:「よし! これから… ”第10問目”を出題する!!」

 

ナルトの緊張が高まります。

「これに賭けるしかないってばよ!」

 

最終問題を出題する前に、ルールの追加の説明が始まりました。

 

イビキ:「これは…絶望的なルールだ」

 

担当上忍のカカシ、アスマ、紅の3人は、部屋に集まっています。
部下達がいないと暇だと言うカカシ。
すぐに忙しくなるに決まっているとアスマ。
カカシは理由を尋ねます。

 

アスマ:「今年の第一の試験官 あの森乃イビキだそうだ」
カカシ:「よりにもよって あのサディストか…」
紅:「サディスト?」

 

ショックを受けるカカシ。第一の試験も危ないかもと、心配しています。
紅は新人上忍なので、イビキのことは詳しく知らないようです。
イビキは拷問と尋問のプロだと、アスマが説明します。
木ノ葉暗部 拷問・尋問部隊隊長の、特別上忍森乃イビキ。
尋問のスキルを生かした精神的な苦しみを強いられているに違いないと、担当上忍達は気がかりです。

 

ルールは2つ。
まず1つ目は、受験者達に第10問目を「受ける」か「受けない」か選んでもらう。
「受けない」を選べば、その時点で持ち点は0、つまり失格となり、同班の2名も道連れ失格。
2つ目は、「受ける」を選び正解できなかった場合は、今後永久に中忍選抜試験の受験資格を剥奪する。

 

キバは「ここには試験を何度か受験している者もいるはすだ」と抗議します。
イビキは今年は自分がルールだと返します。自信がない者は「受けない」を選んで、来年も再来年も受験したらいい、引き返す道も与えていると言います。

 

3人の内1人でも「受けない」を選べば、3人とも失格。「受ける」を選んで正解できなければ、その人は一生下忍のまま。
サクラはこんなの普通の神経じゃ選べないと唇を噛みます。

 

イビキは「受けない」者は手を挙げろと言います。

 

ナルトは、

「いったい どんな問題なんだってばよ……? ちくしょう ……もし 間違えりゃ 一生 下忍のまま… ぜってーヤダ!! かといってこんなことで”受けない”を選んで…サスケとサクラちゃんを道連れ失格するのもヤダ!」

 

サクラは、

「私は 手を挙げない! ”受ける”を選んでも 正解する自信があるから… たとえナルトのせいで道連れ不合格になっても 私は 10問目を間違った訳じゃないから次も受験できるし…… ……でも…でも ナルト…アンタは別 私たちの存在を無視してでも ここは 大人しく引いて 次の機会を考えるべきだわ」

 

ナルトの隣の席の受験者が「受けない」を選択しました。同班の2人も道連れ失格です。
次々と「受けない」を選択する者が出てきます。
ナルトは動揺しますが、手を挙げません。
サクラはナルトが火影になる夢を語ってきたことを思い返します。

 

「…いっつも いっつも馬鹿の一つ覚えみたいに…火影 火影って… 悪いわね…ナルト… 私… アンタのその叶いそうもない夢 つぶさせたくないみたい!!」

 

おお、手を挙げないナルトに代わって、サクラは自分が手を挙げようとします。
その時ナルトの手が挙がります。

 

はっとする、サクラ、サスケ、ヒナタ。

ナルトは机を叩きます。

 

ナルト:「なめんじゃねーーーーー!!! オレは逃げねーぞ!!

 

驚く受験者達。教室に響き渡る大声でナルトは続けます。

 

ナルト:「受けてやる!! もし一生 下忍になったって… 意地でも火影になってやるから別にいいってばよ!!! 怖くなんかねーぞ!!

 

思いの丈をぶつけたナルト。
試験官に対してだけではなく、自分自身にも言っているように見えます。
ナルトを誇らしげに見つめるヒナタ。ナルトの覚悟を受け取るサスケとサクラ。

 

イビキ:「もう一度訊く… 人生を賭けた選択だ やめるのなら今だぞ」
ナルト:「まっすぐ自分の言葉は曲げねえ… オレの…忍道だ!!

 

受験者達の表情が変わります。

「フン…面白いガキだ… こいつらの不安をあっという間に蹴散らしやがった……」

イビキは監督官達とアイコンタクトを取ります。

 

イビキ:「いい”決意”だ では… ここに残った全員に… ”第一の試験”合格を申し渡す!!!

はあ!!!?


自分が当事者になったつもりで読むと、ものすごい重圧感で息が詰まりそうになりました。
受験をあきらめて来年にかけるか、それとも中忍になるか一生なれないかという、大勝負をかける選択です。
個人戦ならまだしも、連帯責任を取らされるシステムです。仲間を道連れにするという条件は、余計に選択を迷わせます。

 

その重圧を跳ね返すように、「逃げないぞ」と宣言するナルト。
”波の国任務”(第9話第33話)でもそうだったように、本人は意図しなくても、彼の言動は周囲に影響を与えていきます。

 

ナルトのことを馬鹿にしていたサクラが、火影になるというナルトの夢をつぶさないために、受験を1年先送りにしようとしました。仲間としてサクラは、精一杯の選択をしたのだと思います。

 

おそらくサクラが手を挙げても、サスケは理解したと私は思います。

サスケはナルトが第一の試験に通る可能性は低いと思っていたと思います。

どのみち不合格なら、三人で再受験するチャンスを残すことは選択肢の1つだと判断しても、不思議ではありません。


(43話は、コミック巻ノ5に収録されています)

 

NARUTO (巻ノ5) (ジャンプ・コミックス)

NARUTO (巻ノ5) (ジャンプ・コミックス)