抹茶みるく日記

感想や日々の雑考のブログです。感想は作品の評価より、自分の思考を深め、得るものがあるかどうかを重視しています。

NARUTO・44話「試された資質…!!」

イビキ:「ここに残った78名全員に…第一の試験合格を申し渡す!」

 

全受験者は唖然。
サクラがイビキに、いきなり合格なんてどういうことか、第10問目の問題はどうなったのかと尋ねます。

 

イビキ:「そんなものは初めから無いよ …言ってみれば さっきの2択が10問目だな」

 

イビキが笑顔で答えます。先ほどまでの強面から表情が一変します。
この人、キャラ変わった。

 

今度はテマリが今までの9問はなんだったのか、まるで意味が無いじゃないかと、噛みつきます。
突っ込むのは女子のみ。オイオイ男子〜。

 

イビキは無駄ではないと答えます。
ちゃんと受験者達、1人1人の情報収集能力を試すという目的を話していると説明します。

 

イビキが解説をします。
このテストのポイントは、まず「常に三人一組で合否を判定する」というシステムにある。
それによって「仲間の足を引っ張ってしまう」というプレッシャーを与える。

 

ナルト:「なんとなく そんな気がしてたんだってばよ このテスト!」

 

お調子者だなー。サクラは「うそつけ」と内心見抜いています。
ヒナタも感づいているみたいですが、元気なナルトを見て嬉しそうです。

 

このテスト問題は下忍レベルで解けるものではない、とすると「カンニングをするしかない」という結論に達する。
つまりこの試験は、カンニングを前提としていたと言うイビキ。

 

サスケ:「フン」

 

サスケの読みの通りでした。
この「フン」は「やっぱりオレが分析した通りだ」、ですかねぇ。

 

そのためカンニングのターゲットとして、受験者の中に全ての回答を知っている中忍を2名混ぜておいた。

 

この時ナルトは初めて真相を知ります。
他の受験者が「そいつを探し当てるのが大変だった」と話しているのを耳にして、

 

ナルト:「ハハハハ…… バレバレだったてのーーーーーーーーーーー!!! ンなのに気づかない方がおかしいってばよ!!!」

 

「あいつ… 気づいてなかったな……」
サスケはナルトが気がついていなかったことを察知します。

 

ただ愚かなカンニングをした者は、当然失格になる。
なぜなら、情報とは時には命より重い価値を持つ場合があって、任務や戦場では命懸けで奪い合われるものだから。
イビキは自分の頭の、拷問で受けたむごたらしい傷跡を見せます。

 

敵や第三者に気づかれて得た情報は、「正しい情報」とは限らない。
誤った情報を握らされることは、仲間や里に壊滅的打撃を与える。
それを忘れるなと言います。

 

テマリは9問目までの背景は納得できたが、最後の問題だけは納得がいかないと言います。
この子は案外、理論派です。納得するまで引き下がりませんね。

 

イビキは最後の10問目こそが、この第一の試験の本題だったと説明します。

 

10問目のルールをおさらいすると、
1.まず10問目の問題を「受ける」か「受けない」か選択する。
2.「受けない」を選択した者は、同班の者も一緒に即失格となる。
3. 「受ける」を選択して正解できなかった場合は、永遠に受験資格を剥奪される。
何度見直しても厳しいルールです。

 

イビキは受験者達に問いかけます。
もし中忍になって、敵方の情報が一切わからない状況で、秘密文書奪取の任務が来たとき、「受ける」か「受けない」か。危険な任務は避けて通れるのか。
答えは「ノー」。

 

イビキ:「どんなに危険な賭けであっても ---おりることのできない任務もある ここ一番で仲間に勇気を示し……苦境を突破していく能力 これが中忍という部隊長に求められる資質だ!」

 

いざという時に自分の運命を賭けられない者や「来年があるさ」と不確定な未来と引き替えにチャンスを諦めていく者、そんな程度の決意しか持たない者に中忍になる資格はないと、イビキは言います。
「『受ける』を選んだ君達は、第10問の正解者であり、これから出会う困難にも立ち向かっていけるだろう」と、第一の試験を突破した受験者達に、はなむけの言葉を贈ります。

 

イビキ:「キミたちの見当を祈る!」
ナルト:「おっしゃーーーーーーーーーー!! 祈っててー!!

 

ナルトを見て「面白い奴だ」とイビキ。

 

突然、窓ガラスが割れて、何かが教室へ飛び込んできました。
横断幕に名前があります。「みたらしアンコ」。

 

アンコ:「アンタ達 よろこんでる場合じゃないわよ!! 私は 第2試験管! みたらしアンコ!! 次 行くわよ 次ィ!!! ついてらっしゃい!!!

 

いきなり場の雰囲気が変わって、反応できない受験者達。
アンコはイビキから「空気を読め」と言われてしまいます。

 

アンコは26チーム×3=78人が残ったのを見て、イビキに今年の第一の試験は甘かったと文句を言います。
次の第二の試験で半分以下にしてやると言います。

 

受験者達が教室を出た後、イビキは机の上の答案用紙を回収します。
1枚だけ白紙の答案用紙がありました。ナルトの答案です。

 

「白紙で第一の試験を通過する奴がいやがるとはな… うずまきナルトか…… 本当に面白い奴だ…」

 

第二の試験会場に移動した受験者達。
野外で行われるようです。

 

アンコ:「ここが『第二の試験』会場 第44演習場… 別名…『死の森』よ!!」

 


何とか第一の試験を通過したナルト達。
同期の6人も、リー達も通過しました。

 

ナルトは情報収集能力はありませんが、イビキが言った「ここ一番で仲間に勇気を示し、苦境を突破していく能力」があります。
それは”波の国任務”(9話33話)でも、十分に発揮されています。

 

情報収集能力を見る試験でもあったことを考えると、情報収集出来ずに答案が白紙だったナルトが合格したのは、例外中の例外でしょう。
しかし部隊長である中忍に一番大事なのは、「苦境を突破していく能力」であるならば、ナルトには十分その資質があります。

 

イビキが最後の10問目を、この第一の試験の本題としたのは重要です。
リーダーは隊の志気を高め、方向を指し示すのが大きな役目です。
情報収集力や分析力などは、スペシャリストを部下に持てばカバーできます。

 

現実に職場にいませんか? 決断できないリーダーって奴が。
私が一番困るリーダーは、決断できないリーダー。
次に困るのは、決断した結果が上手くいかなかった時に、部下に責任をなすりつけるリーダー。
組織のリーダーの選抜も中忍選抜試験のように、ガンガンふるいにかけちゃって欲しいワと思いました。
なってはいけない人がリーダーになったら、部下は不幸だし、組織もおしまいですよ。

 

サスケとサクラがナルトのウソを見抜いていることも、ポイントでした。
お互いの性格をより深くわかってきている証拠です。
岸本さんはちょっとした台詞や描写に、情報を詰め込むのが上手いなあ。

 

(44話は、コミック巻ノ5に収録されています)

 

NARUTO (巻ノ5) (ジャンプ・コミックス)

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