抹茶みるく日記

感想や日々の雑考のブログです。感想は作品の評価より、自分の思考を深め、得るものがあるかどうかを重視しています。

NARUTO・56話「与えられし力…!!」

サスケが起き上がりました。

 

サクラ:「サスケくん… その体…!?」

 

左半身が呪印模様で覆われています。

 

サスケ:「心配ない… それどころか…力がどんどんあふれてくる」

 

「今は気分がいい」と言うサスケ。
「あいつがくれた」と言います。

 

サスケ:「……オレはようやく理解した オレは復讐者… たとえ悪魔に身を委ねようとも 力を手に入れなきゃならない道にいる…」

 

サスケの考え方が変わっていますね。

ドスやようやく大蛇丸のしたことに気がつき始めます。

 

サスケ:「さぁて… お前だったよな」

 

ザクを見るサスケ。サスケの全身に殺意が漲っています。
危険を察知したシカマルは、いのにキンの中から自分の体へ戻るように言います。
心転身の術を解除するいの。

 

サスケの呪印がどんどん全身に広がっていきます。
ドスはサスケの目つきが、大蛇丸のものとそっくりなのを感じます。
サスケのチャクラがどんどん大きくなっていきます。

 

ザク:「ドス! こんな死に損ないにビビるこたぁねぇっ!!」
ドス:「よせ! ザク! 分からないのか!」

 

斬空極波(ざんくうきょくは)!!

 

ものすごい空気圧で、辺りの木々はバラバラです。
しかしサスケはサクラとナルトと一緒に、既に回避していました。
2人の人間を抱えての高速移動です。

 

サスケは火遁・鳳仙花の術で攻撃します。
斬空波で炎を消すザク。炎の中には手裏剣が隠してありました。
手裏剣を防御するザクの足下に、サスケが回り込みます。
ザクの背後から両腕を押さえ込みます。

 

サスケのチャクラの質がアカデミーにいた頃と全く変わっていることに、いのは驚きます。

サクラもサスケの目つきが以前と違うことに気がつきます。
大蛇丸の影と重なります。

 

サスケ:「クク… お前… この両腕が自慢なのか……」

 

足でザクの背中を押して、両腕をへし折るサスケ。
「残るはお前だけだな」とドスを見るサスケの目つきは残忍そのものです。

 

サスケ:「お前はもっと楽しませてくれよ…」

 

以前とは別人のようなサスケに、サクラはサスケの異変を感じています。
サクラとナルトを助けようとはしていますが、戦うこと自体を楽しんでいるように見えます。
「こんなの……サスケ君じゃない!!」

 

サクラ:「やめて!!

 

サクラは泣きながら、サスケに後ろから抱きついて止めます。
振り向くサスケは、サクラと目が合います。サクラの目には涙が溢れています。

 

サクラ:「おねがい… やめて…」

 

黙って見つめるいの。
呪印がだんだん引いていきます。
呪印が消えて、サスケは力尽きたように座り込んでしまいます。

 

ドス:「サスケ君… 今の君はボクたちでは到底 倒せない」

 

ドスは手打ち料として、自分達の持っている「地の書」を渡します。
自分達も確かめなければならないことができたので、ここは引かせて欲しいと頼みます。
去ろうとするドス達に、サクラは問います。

 

サクラ:「大蛇丸って 一体何者なの! サスケ君に何をしたのよ! なんでサスケくんに!!
ドス:「分からない… ボクらは ただ…サスケ君を殺(や)るように命令されただけだ」

 

ザクとキンを抱えて、ドスは去っていきました。

 

シカマル達はサクラ達に駆け寄ります。
ネジはサスケのチャクラの異常さを実感しています。

 

サスケ:「…… オレはいったい…」

 

サスケは正気に戻ったようです。
ナルトはまだ意識が戻っていません。
呆れたようにナルトを見下ろすシカマルとチョウジ。


大蛇丸の見込み通り、サスケもアンコと同じく、呪印を刻まれても生き残る方でした。
呪印の力でパワーアップしているので、サスケは難なく敵を退けます。
ネジやいのやサクラが感じているように、サスケのチャクラは異常なほど増大してるだけではなく、質が変化しています。
特にサクラは、今までのサスケの目つきと表情との違いがわかるので、他の2人より動揺しています。

 

このサスケの変化は、邪悪さが増した印象を受けます。
大蛇丸の性質が入り込んだのか、サスケが本来持っている負の部分なのか、力が増大したことに喜びを感じているのか、判断はつきません。
呪印が引いた後のサスケは何が起こったのか、はっきりと自覚できていないようでした。
サスケ自身が呪印の発動をコントロールしていない証拠です。

 

ドス達は自分達が大蛇丸に利用されていることに、気がつき始めています。
彼らは元々試験に合格することが目的では無いので、見逃してもらう代わりに、あっさりと「地の書」を置いていきました。
ナルト達は持っていた「天の書」を大蛇丸に焼かれてしまったので、思いがけない形で「地の書」を手に入れました。
後は「天の書」を手に入れて、締切時間までに3人揃ってゴールへ到着すれば合格です。

 

ここでもポイントは、サクラでしょう。
サクラはサスケの変化を大蛇丸のしわざだと理解しています。
呪印を解く方法など思いつく知識もないし、余裕もありません。
サクラにできる精一杯のことをするしかありません。
それはサスケに元に戻って欲しいという気持ちを伝えること。
サスケの行動を止めるために、抱きついて押さえます。
サスケはサクラの必死な目を見た時、サクラの気持ちを受け取ったのだと思います。
サスケが本来の自分を取り戻したので、自然と呪印が引いていったのでしょう。

 

675話でカカシはサクラについて、「何があってもサスケを切り捨てず、サスケを闇から救うのは自分の役目だと思っている」と見ていました。
実はサクラはこの時に、一度サスケを闇から救っているんですね。
呪印に飲み込まれていくサスケを正気にさせています。

 

サスケが里抜けをするときも、彼女だけが待ち伏せをして止めに入っています。

 

こうしてみると、サクラという子は要所要所で、サスケが闇に飲まれていくところを救おうとして行動しています。

 

イタチの思いを受け取って忍連合軍側についたサスケですが、現時点(679話)で彼の本心はまだ明かされていません。
サクラは今度こそ、サスケを闇から救うことができるのか。
彼女のサスケに対する想いは本物なのかどうか。
今後の物語で見ていきたいと思います。

 

(56話は、コミック巻ノ7に収録されています)

 

NARUTO (巻ノ7) (ジャンプ・コミックス)

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