NARUTO・57話「10時間前」
草忍に攻撃されるナルト。危ない!!
ぎゃぁああ!!
ナルトの意識が戻りました。
チョウジに頭を殴られて、目を覚ましたようです。
49話で大蛇丸から五行封印を食らって以来、意識を失ったナルトは、状況が把握できていません。
自分を攻撃した草忍のくノ一を探します。
みんなに隠れろと叫びます。
シカマルに「すごい天然だな」と言われてしまうナルト。
完全にズレまくっています。
ナルトはサスケとサクラを見つけます。
ナルト:「サクラちゃん……その髪!!」
サクラ:「あ! コ……コレね… ………………イメチェンよ! イメチェン!」
ごまかすサクラ。状況を説明するのは大変だったんでしょうね。
動き回るのに髪が長いと邪魔だからだと、説明します。
ナルトはシカマル達にがいるのに気がつきます。
ナルト:「ところで… 何でお前らこんなとこにいんだってばよ!?」
シカマル:「ふーーー …… お前に説明すんのがめんどくせー!」
サクラはみんなが助けてくれたと言います。
ナルトは全く会話が噛み合っていません。
リーを助けるいのの所へ、テンテンが来ます。後は自分が看ると言います。
テンテン:「りっかりしなさいよ! リ〜〜〜〜〜〜!!」
リーの肩を思い切り揺さぶります。
リーは目を覚まして、音忍を探します。
テンテン:「サスケって子が 追い返しちゃったわよ!」
テンテンはリーに、何故早まって単独行動をしたのか問い詰めます。
しかもボロボロになってるし。
リー:「サ…… サクラさんがピンチで… 男としては…」
テンテンはサクラを守るために、リーが禁術を使ったことに気がつきます。
それがボロボロになった原因。
サクラが戦える状況では無かったので、リーは禁術で短期決戦に持ち込もうとしました。
しかしそれが仇になりました。
時間をかければ術のネタがわかって、対策を立てられたでしょう。
「まったく…! あんな奴ら リー1人だったら絶対負けないのに!!」
テンテン:「ホント あんたってバカね!!」
リー:「ハハ… 言い返す言葉もないっス……」
ナルトはリーを見つけます。
ナルト:「あ−−−−−−! お前ってば ゲジマユ!!」
サクラ:「リーさんに失礼な事言うんじゃないわよ!!」
ぐボホッオ!!
サクラに思い切りボコられるナルト。
「いったい… オレが寝ている間に何が…」
シカマル:「ナルトの奴 まるっきりカヤの外だな」
サクラはリーに礼を言います。
サクラ:「わたし リーさんのおかげで目が覚めました ちょっとだけ強くなれた気がするんです…………」
リーはサクラに、自分はまだ努力が足りないと言います。
そしてサスケに自分はコテンパンにやられたのに、君は追い払うなんて、さすがはうちは一族だと言います。
37話でサスケはリーに完敗しているので、あの音忍3人がそんなに強かったのかと驚いています。
自分が呪印でパワーアップしたことに、気がついていないようですね。
リーはサクラに声をかけます。
リー:「木ノ葉の蓮華は二度 咲きます 次に会う時は もっと強い男になっていることを−−−−− 誓います」
サクラ:「……… うん!」
ナルトは状況が分からず、ムスっとしています。
いのがサクラに「髪を整えてあげる」と声をかけます。
いのは美容師のようにサクラの髪をカットしながら、
いの:「ほんと小汚いわね−−−! あんなとこで抱きついて このデコデコ−−−!!」
サクラ:「世間じゃ先手必勝って言うのよ! いのブタちゃん!」
サスケを巡る女の争いが……。
ネジはサスケを強敵だとマークします。
この時より約10時間前。初日の20時前後のこと。
大蛇丸が去った後、呪印を引きずり出されたアンコは、苦しみながらも何とか自力で、ゴール地点の塔へ向かっていました。
死の森は危険な生物達が生息している場所でもあります。
アンコの前に現われたのは、数匹の虎。
普段のアンコなら問題無いのでしょうが、今は呪印のダメージで弱っています。
襲ってくる虎たちを、金縛りの術で止めた者がいました。
ようやく到着した暗部の忍達です。面をしていて顔は分かりません。
暗部の忍1:「こんな所に居たか……アンコ」
アンコ:「…暗部のくせに……来るのが遅いんですね」
暗部の忍2:「まぁ そう言うな」
座り込んだアンコの首筋に呪印を見つけます。
暗部の忍1:「あの呪印が浮き上がって…… まさか お前…!!」
うなづくアンコ。
暗部の2人は大蛇丸の仕業だと悟ります。
2人はアンコを火影様の元へ連れて行くと言いますが、アンコは塔へ向かうと言って拒否します。
暗部の忍1:「何を言ってる!! 大蛇丸がこの里に来た時点で戒厳令が発令される! 試験どころじゃない!」
アンコは詳しい話は塔についてからするので、火影様も呼んで欲しいと頼みます。
塔についたアンコ達。
アンコは大変な事になっているが、試験は中止できないと言います。
理由を尋ねる暗部の忍達。
そこへ試験関係者が緊急報告に来ました。
アンコ:「何なの!? 人が大事な話をしてる時に!」
報告者は「コレを見て下さい」とビデオをセットします。
画面の時間に注目するように言います。
アンコ:「こ……これって…」
画面に表示されている時間は、「第二の試験」開始1時間37分後。
写っている場所は、ゴールである塔の中です。
ビデオに写っているのは、砂の国の忍3名。第二の試験突破です。
アンコ:「……こんなことって…」
わずか97分でゴールするとは、未だかつて無かったこと。これは異常だと報告者は言います。
恐るべし砂の3人。
57話では、ナルトは完全に道化役でした。
気絶していたから仕方が無いのですが、冷静な状況分析が苦手なのと、思ったことをすぐ口にする性格が相俟って、ますますナルトをめんどくせー奴にしています。
あの状況をナルトに説明する余力は、誰にも無いでしょう。
いのとサクラはサスケを巡ってライバル関係ではありますが、いのがサクラのボサボサな髪を綺麗にカットしてあげるのは、いのの優しさです。
忍者といえど、くノ一はおしゃれも大切ということでしょうかね。
女の子らしい気遣いです。
サクラが「リーのおかげで強くなれた」と言っているのがポイントです。
53話〜54話でサクラが未熟な自分と決別する決意ができたのは、リーが「大切な人を守る」ことを身をもって示してくれたからです。
サクラは大切なサスケとナルトのピンチに、最初は怖じ気づいています。
寸暇を惜しんで修業に励むサスケとナルトと違って、ある意味サクラは脳天気な日々を送っていました。
土壇場に追い込まれたときに、その差が歴然と現われます。
”波の国任務”ではタズナの護衛という役割があったので、戦闘に参加しなくてもそれなりの働きをしたといえるでしょう。
しかし今回はそうはいきませんでした。
戦闘不能になったナルトとサスケの代わりに、サクラ自身が最前線に立たなければなりません。
元々土壇場で勇気を出す子ではありましたが、相手のレベルが違いすぎます。
基本忍術しか使えないサクラは、作戦が通用せずにどん詰まりの状態になります。
試験ではライバルチームでありながら、リーが助太刀に入ってくれたおかげで、命拾いをしました。
リーと自分を比較して、サクラはやっと自分に足りなかったものに気がつくのです。
リーもナルトと同様に行動で示すタイプ。しかも努力家です。
真っ直ぐな人の思いや行動は、知らず知らずのうちに他者に影響を与えます。
リーの「大切な人を守りたい」という思いと行動が、サクラに大切なことを気付かせました。
この時のリーはサクラにどう思われるだろうなどと、微塵も思っていません。
人からどう見られるかは問題ではなく、一生懸命な姿こそが美しいし、素晴らしいと思います。
それが自然と他者に影響を与え、また自分も他者から影響を受ける。
人間の素晴らしさは、一生懸命に真っ直ぐ生きていくことで、自ずから双方向に影響し合い、高め合っていけるところだと思います。
ナルト達はそれを実践しています。
(57話は、コミック巻ノ7に収録されています)
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