抹茶みるく日記

感想や日々の雑考のブログです。感想は作品の評価より、自分の思考を深め、得るものがあるかどうかを重視しています。

NARUTO・681話「カグヤの涙」

サスケの須佐能乎もカグヤには通用せず。
それより少し前にカグヤに挑んだナルトは、衝撃で弾き飛ばされて、回転しながら飛ばされたまま体勢が立て直せません。

 

カグヤ強し!

 

須佐能乎を破られたサスケはそのまま落下か、と思いきや、次の瞬間ナルトの背中に激突。
おかげでナルトは止まることができました。
サスケは宙を浮いているナルトの足首を掴んで、ぶら下がります。

 

この隙にカカシとサクラを保護しているナルトの影分身は、クナイで岩に張り付いているオビトを確保します。

 

ナルトが宙を受ける能力をもらっているように、サスケは瞬身の術のような移動の能力を授かっていました。
ナルトは六道の求道玉を潰したような丸い円盤を作り、足場を作ります。そこへサスケを移します。
2人の力は六道仙人からもらったもの。

 

サスケ:「お互い六道仙人の力の恩恵だ  …だが 奴を封印しなければ それを受けた意味がない」
ナルト:「おう!」

 

2人の背後の空間が割れて、カグヤが出現。
2人が気がついて振り向くと、カグヤが両手で2人の顔に触れます。
動けなくなる2人。

 

カグヤは2人の顔を見ながら、涙を流しています。

 

ハゴロモとハムラを思い出すカグヤ。
ハムラはうちは一族に似たイケメンという感じで、ハゴロモは精悍で厳つい感じです。
この兄弟もまだ謎が多いんですよね。
親子関係にも問題がありそうですし。

 

カグヤから黒ゼツが出てきて、ナルトとサスケに移動していきます。
2人を乗っ取るつもりか?

 

ナルト:「チャクラ… 取られてんぞ サスケ!!」

 

黒ゼツは「カグヤは我が子に封印された」と言っています。

 

ナルト:「何で六道の大じいちゃんが母ちゃんを!? 封印されたのは十尾だろ!?」

 

サスケは黒ゼツに「何者だ」と問います。黒ゼツの答えは「カグヤの子供」。
えーーー!?

 

ここから黒ゼツの台詞が、カタカナから通常のひらがなに変わります。
サスケは黒ゼツの雰囲気が変わったと感知します。

 

ここからは情報量が多すぎるので、かいつまむと、
カグヤが封印されてから、黒ゼツが全て記録していた。
黒ゼツが忍の物語を作った。その物語とは、母カグヤが復活する物語。
ハゴロモとハムラの兄弟が使った封印術は、十尾を地爆天星の核に変える術。
それが月になった。黒ゼツは封印の寸前で生み落とされた。
十尾の正体は神樹だけではなくカグヤ自身でもあった。チャクラの実を取り戻そうそしていた神樹の化身ではなくて、2人の子供に分散したチャクラを取り戻そうとしたカグヤの意思。
そしてそれはハゴロモも知らない真実。黒ゼツがカグヤ復活のために動いていたことも知らない。
ハゴロモは忍宗を作り、インドラとアシュラを育てていた。黒ゼツは忍宗の跡目争いに負けたインドラを唆した。その後インドラの子孫のうちは一族を、黒ゼツは自分のシナリオに利用した。
ハゴロモが残した石碑を、無限月読こそがうちはの救われる道であると書き換えた。
インドラとアシュラの子孫が、争い合う流れを作ったのは黒ゼツ。
両一族に現れるインドラとアシュラの転生者達にアプローチして、輪廻眼の発現を試み続けるが失敗。
柱間とマダラの代になり、マダラならできると確信するも柱間に破れる。
ところが期待通り、マダラは万華鏡写輪眼が時間差で術を眼に仕込むことが出来るのを利用して、右目でイザナギを発動して復活。影分身を死体に見せかける。
柱間から食いちぎった肉を自分の傷口に移植して、輪廻眼を開眼。
黒ゼツはマダラから生まれたように見せかけて、尾獣の回収、暁、戦争へと導く。
カブトにマダラの死体を発見させたのも黒ゼツ。
マダラの死体を取引のカードに利用するように導き、オビトに協力させたのも黒ゼツ。
計画通り無限月読が発動し、散っていた大量の人間のチャクラを集めることで、カグヤが復活できた。

 

カグヤ:「お前達が…憎い  ハゴロモ…ハムラ… お前達はワラワのもの

 

ナルト:「…だけが… お前らだけが…  忍の歴史じゃねェーんだよ!!

 

黒ゼツをぶっちぎるナルト。サスケに取り憑いている黒ゼツも引き離します。

 

ナルト:「それにィーーー!  親離れを喜ぶのが母ちゃんってもんだろがァ!!
黒ゼツ:「反抗期が長いな…  母はチャクラの祖そのもの お前らガキが何をしても無駄だ」
サスケ:「…封印の術を発動するスキを作る必要はあるぞ…ナルト」
ナルト:「ああ! もうアレしかねェ…! あの術しか!

 


情報量が多すぎてびっくりでした。
ただしまだすべての謎が解けたわけではないです。逆に謎が増えました。

 

マダラは606話(コミック巻ノ63)で、オビトに「千手柱間の細胞を戦って手にした後 それを傷口に移植していた」と語っていました。
柱間の細胞って、柱間の返り血や髪の毛の細胞とか、いろいろ想像していましたが、やっと腑に落ちました。やっぱり肉そのものだったか。
でも刀でえぐったのではなく噛みついたとはね。これには少々驚かされました。
マダラが里を出た後、幾度となく木ノ葉を襲ったのは、柱間の細胞を手に入れるためだったのでしょうね。

 

今回は黒ゼツがいろいろ語ってくれたおかげで、腑に落ちた部分と、新たに生まれた謎があって、頭の中で情報の整理がつきません。

 

NARUTO」の物語の特徴として、1人のキャラクーの言い分だけを鵜呑みにするのは危険、というのがあります。
ハゴロモだって、まだナルトに隠している事実があるはずです。
ハムラのことも、ナルトが話を振ってもスルーしていましたし。

 

新たな謎はいろいろとあります。

 

何故この親子の間で諍いが起こったのか。
ハムラはどうなったのか。
黒ゼツはどうやって生まれたのか。
黒ゼツが「大地は自分そのもの」みたいなことを言っていましたから、その辺りも関係があるかもしれません。黒ゼツ、アンタ誰なんだってばよ!

 

グルグルはどうやって生まれたのか。
黒ゼツ、白ゼツ、グルグルはどういう関係か。

 

オビトがマダラを復活させたくなかったのは、黒ゼツの計画を知っていたからなのか。

 

考えるほど謎だらけです。

 

黒ゼツの言うことを鵜呑みにすれば、何百年前か何千年前か分かりませんが、大昔からカグヤ復活のシナリオのために、忍達が生まれ死んでいったことになります。
これはナルト達にとっては辛いし、受け入れがたいと思います。
どんな人も一生懸命に生きて死んでいったことは事実で、親から子、師匠から弟子、先輩から後輩へと繋がれてきたものがある。
カグヤ復活のための駒では断じてない。
黒ゼツが歴史を作ったんじゃなくて、現実に生きてきた大勢の人達の努力と積み重ね、繋がれてきたものが歴史を作ってきた。
ナルトはそう言いたかったんじゃないでしょうか。

 

歴史という物語は、主役と脇役を分けることはできず、名も無い人々も全員が主役であり脇役でもあると私は思います。

 

NARUTO」は物語全体を見ている視点が、より俯瞰的な方向へ移動して、今は「神の視点」に近いところにカメラが移動している感じです。
初めはナルトの側にあったカメラがだんだん引いていって、徐々に全体像を映しているというイメージです。

 

NARUTO」は過去の因果が現在に報いている点が重要なポイントになっているので、物語が進行すれば自ずと「今こうなっている原因はどこにあるのか」と、発端まで遡っていくのは当然だと思います。
NARUTO」に回想シーンが多用されているのはそのためです。
「どうしてこうなった」「どうしてこう思う」「どうしてそのような行動を取る」
これらすべては、今この瞬間より前に原因があるので、それを明確にするためにも回想シーンは必要です。

 

人がチャクラを持たなかった時代があったのなら、「NARUTO」の終着点として、チャクラを持たなくなる昔へ回帰する可能性もありますね。

 

新たなテーマも出てきました。
親離れ、子離れの問題です。
カグヤ、ハゴロモ、ハムラの親子関係について、情報がまだ足りないので断定できませんけれども、ナルトの台詞からそれが窺えます。
「親離れを喜ぶのが…」という台詞は唐突な印象を受けますが、ナルトは子供の頃から物事の本質を見抜く子だったので、カグヤの中の何かを見抜いたのではないかと思います。

 

穢土転生の歴代火影達も動き出していますし、新たな情報がハゴロモ辺りから出てくるかもしれませんし、マダラもこのままで退場とは思えません。
特に柱間が真実を知ればマダラを救いたいと思うでしょうから、何かやってくれるかもしれません。無限月読にかかっている大蛇丸も、秘策をもっているかもしれないし、物語の展開が目まぐるしくなりそうです。

 

NARUTO―ナルト― 63 (ジャンプコミックス)

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