NARUTO・690話「忍者の…!!」
カカシの作戦に従って、サクラ、ナルト、サスケが三方からカグヤを包囲。
ナルトとサスケは、ついにカグヤを捉えます。まさかという思いと、絶望が入り交じったようなカグヤの表情。
二人は目を見合わせて頷きます。
六道 地爆天星!!!!
カグヤの額の輪廻眼が閉じていきます。
(カグヤ):またしても…… このチャクラの祖であるワラワが…… この様な分散しtチャクラ共に破れるとは… 何故だ……!!!??
ナルトとサスケの姿が、ハゴロモとハムラの姿と重なります。
封印術を発動したナルトとサスケの掌から、日と月の文様が消えて、ハゴロモの掌に浮かび上がります。
(ハゴロモ):……やりよったか!
両の掌を合わせるハゴロモ。
ハゴロモ:「後はお前達を連れ戻すだけだ!!」
カグヤが十尾化したときのように、体が兎型になって膨れあがっています。
中から十尾が出てきて、その十尾から尾獣達が表に出ようとしています。
轟音と共に、大地から割れた岩石が、次々と宙に舞い上がって行きます。
カカシ:「大地が吸い寄せられているのか!?」
十尾から尾獣達が飛び出してきました。
孫(四尾):「やっと出られた!! 九喇嘛…!! やるな…お前の人柱力は」
九喇嘛(九尾):「フン…」
兎型のカグヤが、取り込んでいたマダラを吐き出しました。
地面にたたきつけられたマダラは、意識がない様子です。
十尾の人柱力になる前の黒髪の姿で、胸にあった柱間の顔が見当たりません。
砕ける大地を避けて、サスケも尾獣達も、サクラとカカシがいる場所へ避難します。
サクラ:「サスケくん!!」
カカシ:「! ナルトはどうした!?」
サスケ:「やり残している事を片付けてくると一人離れた それよりここからもっと遠くへ離れろ!」
687話で、ナルトが切り落としたカグヤの左腕。その中に潜んでいた黒ゼツに、688話でナルトが六道の黒棒を差して、動きを封じていました。
カグヤが封印されるのを見つめる黒ゼツ。
(黒ゼツ):こうなっては仕方ない… また次の母復活へ向け…
ナルト:「そういや… お前 親離れしたくねーんだったな」
黒ゼツの前にナルトが登場。
黒ゼツ:「き…貴様…!!」
ナルト:「今までずっと影に隠れてコソコソしてたお前の事だって 見のがしゃしねーよ!!」
ナルトは黒ゼツを掴んで、引っ張ります。
黒ゼツ:「お前など…!! ただオレの創った忍の歴史の一部! お前の様なガキにオレはーーーー」
ナルトの脳裏に浮かぶ人達。
ミナト、クシナ、自来也、三代目ヒルゼン、白、再不斬、長門、イタチ、ネジ、アスマ、オビト。
精一杯、自分の人生を生き貫いた人々の顔です。
ナルト:「忍の… 歴史つーのは… いろんな忍者の生き様と…死に様だ!!」
拳を握るナルトの手が震えます。
ナルト:「親離れもできねェーガキ一人が カン違いしてんじゃねェーってばよ!!!」
ド ッ
黒ゼツ:「あああああああぐ」
黒ゼツを思い切り殴り飛ばすナルト。
今まさに発動中の、地爆天星の岩石の中に吸い込まれていきます。
ナルトは過去に地爆天星を2度体験していますので、吸引力の凄まじさはよく知っています。それを利用したわけですね。
カカシ達の元に戻るナルト。
サスケ:「終わったな」
ナルト:「封印終了!! これでめでたしめでたしだてばよ!!」
サクラ:「そうなのね… ……… てェーー!! 私たちはどうーすんのォ!!? この空間からどうやって戻るのよォー!!?」
ナルト:「アアーーーーーー!!」
4人の様子を見ている尾獣達。
孫:「だが… 少々アホだな やはり」
九喇嘛:「…くッ…」
悔しそうな九喇嘛ですが、当たっているだけに言い返せません。
そのころ六道仙人達は……。
口寄せの術!!!
歴代の五影達が一斉に術を発動。
始球空間にいた、ナルト達と尾獣達の姿が消えました。
ボフン
ミナト;「お帰り…ナルト」
ナルト:「……… 父ちゃん…」
マダラも一緒に口寄せされています。
まだ倒れて意識がないままです。
柱間がマダラを見つめています。
サクラ:「…ナルト… この人誰?」
ナルト:「六道の大じいちゃん!! これってば…」
六道仙人が浄土からかつての五影達を呼び、協力して口寄せしたのでした。
六道仙人:「ナルト サスケ そして皆… よくぞ世界を救ってくれた」
ナルトが盛んに「親離れ」という言葉を使っているのは、とても重要なことだと思います。
それについては、また改めて考えたいと思います。
ついにカグヤの封印に成功した、元第七班の4人。とはいっても、大団円を迎えたとはいえません。
この作品は、まず出来事を描写して、その後に登場人物の行動の裏にある、理由と背景を明らかにし、それによって、作者の言いたいことを表現する手法がよく用いられます。
私は「NARUTO」の本領発揮は、これからだと見ています。
カグヤの台詞からも、過去に封印されたことが明確になっていますが、前回はどういう経緯でそうなったのでしょうか。
カグヤの物語も謎のままです。
この辺りの真相から説いてもらわないと、パズルのピースが揃いませんね。
「NARUTO」という一幅の絵が完成するのは、もう少し先になりそうです。
まだ無限月読から人々が解放されていませんし、いわゆる「伏線の回収」も終わっていません。尾獣達もどうなるか分かりません。
「NARUTO」を「NARUTO」たらしめるには、敵を倒して終わりではなく、忍達がこの戦争から何を学び、これからどうしていくのかの方が、より重要だと私は思います。
カグヤに取り込まれたマダラも吐き出されて、今は生きているのか死んでいるか分からない状態です。おそらく死んではいないでしょうが。
マダラの胸にあった柱間の顔が消えていますので、柱間細胞を失ったか、仙術チャクラを失ったかの可能性があります。輪廻眼を失っているかもしれません。
いずれにしても、以前のマダラとは変わっているはずです。
マダラはこの物語のキーパーソンの一人です。
彼が行動原理としていた「うちはの石碑」は、黒ゼツによって書き換えられた「ニセモノ」でした。
今後の展開として、私は六道仙人から「ホンモノ」の石碑の内容が明かされることを望みます。
マダラが読んだニセの石碑の内容と、六道仙人が残した本当の内容の違いを知りたいですね。
マダラの扱いも重要なポイントになりそうです。
今のマダラは、オビトに輪廻天生の術を使わせて、本当に生き返っています。
でも本来この人は、老衰でとっくに死んでいるはずの人です。このまま生きているのは不自然でしょう。
もしも輪廻眼を失っていなければ、命と引き替えに、この戦争中に死んだ忍達を生き返らせる展開も、最終的にあり得えます。
かつて長門がそうしたように。
仮に輪廻天生を使って、戦争中に死んだ忍達が生き返っても、オビトは難しいと思います。体が崩壊していて、魂が戻る器がないからです。
長門の時も肉体(つまり死体)がある者が甦っていましたし、穢土転生のマダラが生き返ったのは、生け贄になった者の体があったからだと解釈できます。
マダラがこのまま生きて、「オレが次の火影になって、平和な里を作る」とう展開もゼロではないですが、それはさすがにないでしょう。
本来は死んでいる人ですから、マダラはあまりこの世に未練は無いと思います。
ただし今は、神ポジションの六道仙人が登場していますから、私はどんな展開になってもおかしくないと思っています。
ナルト達は世界の危機を乗り越えました。しかし本当に大変なのは、これからではないでしょうか
柱間が、マダラが、自来也が、オビトが、先人達が望み、ナルト達が望んでいる「平和な世界」をどうやって作るのか。
オビトが687話で言った、「お前にはこれから まだまだ多くの苦しみがあるだろう… だが…それでもお前は変わることなくその忍道を貫き通せ …いつかオレに言ったな まっすぐ自分の言葉は曲げない…それがオレの忍道だ …だったか?」。それが試される時が、来るはずです。
私が気になっているのは、ナルトへの大蝦蟇仙人の予言です。(489話 コミック巻ノ52)
「眼に力を宿す少年と戦うことになる。そして…」の後、どうなるか描写されていません。これはナルトが、最後まで話を聞かなかったからなんですけどね。
「そして…」の部分が、物語の本当のラストになる可能性もあると思います。
NARUTOは先が読めそうで読めないところも魅力です。
あまり小手先のテクニックに走ることなく、骨太な作品であって欲しいと思います。
外野が何と言おうと、最後までブレずに、作者の「忍道」を貫いて欲しいですね。
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