NARUTO・689話「大好きだ」
オビトのチャクラが憑依したカカシは、オビトの写輪眼を使って須佐能乎を発動し、サクラをガード。
十尾化したカグヤはナルト達を取り込もうと、さらに触手を伸ばしてきます。
カカシは手裏剣に神威の力をプラスして、触手に投げ飛ばします。
須佐能乎が繰り出す手裏剣は超大型。
神威手裏剣!!
手裏剣が触れた箇所が時空間へ飛ばされて、触手が切り落とされます。
カカシの思惑通りです。
カカシ:「思った通りだ 六道の力を得ていた分 瞳力が上がっている!」
一度オビトは、十尾の人柱力になって六道仙人化していたので、その影響ですね。
サクラはオビトの写輪眼を何故カカシが使えているか、不思議に思います。
ナルト:「ウオオ サスケのよりスゲー!!!」
サスケは別のチャクラを感知。
地面からたくさんのチャクラが吹き出してきます。カグヤにすべて吸収されていきます。
チャクラを吸収した体が膨らみ、中から黒い大玉とカグヤが出てきました。
地面から吹き出したチャクラは、無限月読にかかった忍達のもの。
始球空間だからこそできる技。
不安定だった尾獣達のチャクラが安定して、巨大な求道玉まで出現させたカグヤは、仕上げにかかるようです。
(黒ゼツ):…風火土雷木(ふうかどらいもく)陰陽すべての性質を合わせた 血継網羅(けっけいもうら)の膨張求道玉(ぼうちょうぐどうだま)
カグヤの求道玉がどんどん大きくなっていきます。
(黒ゼツ):新たな空間の始まりだ お前らは その犠牲となるのだ
カカシ:「さすがにあれほどの大きなものを神威でとばせない… オレ達が時空間へ飛んで一旦逃げたとしても… アレが大きくなり過ぎれば 当然もう戻ってこられなくなる」
サスケ:「アレを止めるには……」
ナルト:「本体のうさぎババアを 今すぐ封印するしかねーって事だ」
サクラ:「…だよね」
カカシ:「集まれ 作戦を伝える これがオレ達 元第七班としての最後の任務だ!」
描写はされていませんが、ここで一旦作戦タイム。
カカシが言っているのは、神威で時空間へ待避しても、求道玉のために戻る場所がなくなるということでしょうかね。
カカシ:「オレ達で世界を救うぞ!」
サスケ:「フン」
ナルト:「オウ!!」
サクラ:「了解……!」
カグヤはナルトかサスケかどちらかを倒せば、封印を免れます。
カグヤ:「さて……どちらにする?」
サスケと、影分身達の中にいるナルトが、前へ出ようとします。
ナルト:「オレが相手だ コノヤロー!」
サスケ:「イヤ一緒に攻める! 奴は封印を恐れ注意力が二分される」
ナルトとサスケが飛び出します。
カカシも須佐能乎で飛び出します。
カグヤはカカシを灰骨で攻撃。邪魔なカカシから消すつもりですね。
先ほどよりも、攻撃スピードがかなり上がっています。
(カカシ):速ーーー
カカシは避けきれません。灰骨が命中します。
(黒ゼツ):母さんは力を得たばかり… 威力もスピードも段違いになってんのさ
黒ゼツ:「!?」
カグヤ:「!!?」
灰骨がすり抜けます。そしてカカシの手から、チャクラが放出されます。
(カカシ):やはりいい能力だなオビト…すり抜けるのは… そしてこの技も復活だ
神威雷切!!
カグヤの右腕を切り裂きます。
黒ゼツ:「母さん!!」
(黒ゼツ):まずい右手が!
負傷したカグヤの両脇から、ナルトとサスケが近づきます。
(黒ゼツ):別空間へ逃げるにも 空間を広げる時間がない!! なら
左手から灰骨を飛ばして、ナルトを攻撃します。
ところが左側のナルトは影分身。灰骨でボロボロになっていきます。
右側のサスケは、ナルトの変化でした。
(カグヤ):やはりどちらもアシュラの転生者 あの時すでに変化していたか そして…右が本物!
負傷した右手は使えず、空間を開いてそこから灰骨で攻撃。
カカシが神威で灰骨を飛ばします。
本物のサスケは、影分身ナルト達の後ろに隠れていました。
灰骨でボロボロになった左側のナルトと、自分の位置を入れ替えます。
あとわずかでカグヤに届く、ナルトとサスケ。
(カグヤ):まずい… 氷の空間へ…いや… インドラの転生者には天照が… それはダメだ!!
カグヤは上へ逃げます。
(サクラ):私だっているんだ!! 同じ女ならーーーバカにしないで!!!
ゴッ
サクラが上から、カグヤの頭を殴りつけます。
(カカシ):うん いい画(え)だ 今のお前らはーー大好きだ
上からサクラが、右からナルトが、左からサスケが、三方からカグヤを挟みます。
サスケ:「今だ!!」
サクラ:「しゃーんなろー!!!」
ナルト:「よっしゃー!!!」
「元第七班としての最後の任務」……とても重く聞こえます。
「最後」ということは、もうこのフォーマンセルでの任務は無い、ということなのでしょうか。
確かにカカシが六代目火影になったら、小隊の隊長として現場に出ることはなくなりますね。
4話(コミック巻ノ1)で初めてナルト達と対面した時、カカシは、ナルトがイタズラで仕掛けた黒板消しに当たってしまいます。
ナルト:「きゃははは!! 引っかかった!! 引っかかった!!」
サクラ:「先生ごめんなさい 私は止めたんですがナルト君が…」
(内なるサクラ):OK!! OK!! よみ通りのベタなオチー!!
(サスケ):………これで本当に上忍か? 頼りなさそうな奴だな…
カカシ:「んーーー …なんて言うのかな お前らの第一印象は…… 嫌いだ!!」
あれから約5年。
カカシはずっと引きずっていた過去と向き合い、乗り越えつつあります。
ナルトはまっすぐに自分の忍道を貫き、人望を得られるようになりました。
サクラは口ばかりで行動が伴っていなかった自分を反省し、自分を変える努力をしてきました。今は「綱手二号」といえる存在です。
サスケの心情はまだ明らかにされていませんが、復讐の対象だった兄が、実は里を救った影の英雄であり、世界中で最も自分を愛してくれていた人だったと知って、考え方を変えています。
カカシの「今のお前らはーー大好きだ」は、3人の、いやカカシも含めた4人の、苦悩を乗り越えてきた歴史がすべて込められた、象徴的な台詞だと思いました。
この世が終わる瀬戸際に、集結した4人は最後の戦いを挑みます。
4人はそれぞれの人生を、精一杯生きています。
仲間であっても、ナルトはナルトの、サクラはサクラの、サスケはサスケの、カカシはカカシの、人生の課題は自分で越えるしかありません。自分の人生を、他人に変わって貰うことはできないのです。
4人は紆余曲折があっても、斜に構えて努力しないことの言い訳をしたり、引きこもって課題から逃避したりしませんでした。
その結果が今です。
砂隠れの里で忌み嫌われてた我愛羅にしても、風影になるまでにどれほど努力したでしょうか。いやなことも一杯あったでしょうし、逃げ出したくなることもあったでしょう。イルカ先生のような人が我愛羅にはいませんでしたから、ナルト以上に人望を築くのは大変だったのではないでしょうか。
イルカもエビスも、紅もアスマも、皆自分の人生を精一杯生きています。
NARUTOの登場人物からは、懸命に生きるとはどういうことかを、学ばせてもらっています。
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