NARUTO・黒ゼツが作った予定調和の世界
681話で黒ゼツが饒舌になってくれたおかげで、パズルのピースが少しずつ埋まっている感があります。
しかし同時に新たな謎も生れていて、ピースが埋まったと思ったら、違うところに穴があったこと気づく感じです。
最終的にどんな絵柄が完成するのか、予想ができません。
黒ゼツの話の通りだとすると、何百年もしくは何千年も前から、忍世界で起こったことはカグヤ復活のためのシナリオだったことになります。
681話を読んで思ったことは、
一生懸命生きている人間をバカにすんじゃねェーーーーー!!!
黒ゼツがカグヤ復活のためにインドラを抱き込み、アシュラとインドラを対立させて、調和を願ったハゴロモの意思を無効にする、忍世界のシステムを作りました。
その中でたくさんの人々が、悲喜こもごもの人生を送っていたわけですが……、
「ふざけんじゃねぇーぞ、黒ゼツ!」と言いたくなります。
「NARUTO」にはたくさんの登場人物がいます。
ナルト、サスケ、サクラ、キバ、ヒナタ、シノ、シカマル、チョウジ、いの、ネジ、リー、テンテン。彼らの両親や一族。
木ノ葉丸、モエギ、ウドン。
我愛羅、テマリ、カンクロウ。
イタチ、カブト、綱手、自来也、大蛇丸。
長門、小南、弥彦。
カカシ、オビト、リン、ガイ、アスマ、紅。
エビス、アオバ、コテツ、ハヤテ。
柱間、扉間、マダラ、イズナ、ヒルゼン、ミナト。
暁のメンバー達。
再不斬や白。タズナやイナリ。
各隠れ里の影達や忍達。
全員の名前を上げたら切りがありません。
立場や考え方は違っても皆、その時代に生れた自分の人生を懸命に生きています。
それをすべて「カグヤ復活のためのシナリオだった」と言われてしまっては、私がナルトだったら、堪忍袋の緒がブチ切れてますね。
「オレらは カグヤ復活のために生きてんじゃねーぞ!」ってことです。
再不斬や白、長門や弥彦や小南、柱間やマダラも皆、自分が理想とする世界の実現や夢の為に一生懸命に生きてきました。
デイダラやサソリのように至高の芸術を理想とし追い求める人もいれば、平和の実現のために頑張った人もいる。
価値観が違っても、自分の為、自分の大切な人の為に生きてきたのです。
それなのに黒ゼツのシナリオの中で踊らされていただけというのは、カグヤと黒ゼツが支配者で、彼らは被支配者ということ同じです。
「誰かが支配者で、その他は被支配者なんて世界は、ゼッテー間違ってる!」と言いたいわけです。
ナルトが「お前らだけが、忍の歴史じゃない」と言っているのも、こういうことではないかと思います。
ここまでは黒ゼツの予定調和の世界なのでしょうが、六道仙人から力を授かったナルトとサスケが、黒ゼツが作ったシナリオを書き換えられるのか。
書き換えられるならば、どんなシナリオを作るのか。大きな山場に差しかかっている感じです。
ネジの台詞にもありましたよね。
「運命なんて誰かが決めるもんじゃない」(198話・コミック巻ノ22)
100%未来が決まっていたら、努力する値打ちはないです。
でも現実にそんなことはありません。今の努力で未来が変わります。
先が分からないから努力する、それが人間の人間たる値打ちです。
唐突ですが、ここまで書いていて、「ふたりはプリキュア」(初代プリキュア)のシーンを思い出しました。
ピーサード:「全ての世界は二つに一つ! 勝つか負けるか! さぁオレ様の力の前にひれ伏すんだ!! そしてプリズムストーンを大人しく差し出すんだ!」
キュアブラック:「そんなこと 出来るわけないじゃない!」
キュアホワイト:「力でねじ伏せて自分の思い通りにしようとするなんて…そんなの そんなの認めない!!!」
ピーサード:「まだよくわかっていないようだな どんなに抵抗しようと所詮お前らはドツクゾーンに飲み込まれるだけの存在なのだ 黙ってジャアクキング様の意思に従っていればいい!!」
キュアホワイト:「馬鹿にしないで!! みんな一生懸命に生きているのよ!! 理解し合って、尊敬し合って生きているんじゃないの!? 力ずくでみんなを支配しようなんて、そんなの そんなの絶対間違ってる!!!」
「NARUTO」より低年齢の女児向けアニメで、ここまで言い切るのが凄いです。
「プリキュア」と「NARUTO」は思考が広がるので、本当に好きです。
「プリキュア」の雑考も書きたいのですが、「NARUTO」で手が一杯(涙)
まだまだ「NARUTO」は謎が残っていて、黒ゼツの言うことも情報が足りていない部分があります。
カグヤの復活は、カグヤ自身の意思なのか、黒ゼツの意思なのか。
黒ゼツがカグヤの子供ならば、どうして人の姿をしていないのか。ハゴロモとハムラは人の形をしていますからね。
カグヤがチャクラを取り戻そうとしている理由は何か。彼女は何がしたいのか。
最後までしっかりと見届けたいと思います。
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