抹茶みるく日記

感想や日々の雑考のブログです。感想は作品の評価より、自分の思考を深め、得るものがあるかどうかを重視しています。

NARUTO・670話「始まりのもの…!!」

だんだん物語の核心に近づいてきました。
 
ついに六道仙人が登場。本名は大筒木ハゴロモ(おおつつきはごろも)。
ナルトの精神世界の中でですが、顔も姿もはっきりと描かれています。
今までは後ろ姿だけとか、眼や口元だけとかでしたもんね。
 
六道仙人の話をざっくりまとめると、
 
母が民を治めるために神樹の実(=チャクラ)を取った。
    ↓
十尾が暴走。
    ↓
息子(ハゴロモともう一人)が二人がかりで十尾を抑え、ハゴロモに十尾を封印。人柱力となる。
    ↓
ハゴロモが忍宗を説く。
    ↓
ハゴロモが次男に忍宗を継承させる。
    ↓
現在に続く。
 
これは、かつてオビトがマダラを装っていた頃に語っていた内容+穢土転のマダラが穢土転の柱間に語っていた内容とほぼ一致します。
ハゴロモに兄弟がいたことは新事実でした。ただし兄か弟か分かりませんが、六道仙人が一緒に戦った兄弟について、スルーしているのは何故かなあ……。
 
今回の話で、私の頭に浮かんだのは「原罪」という言葉。
 
神樹の実を取って食べたことから始まった「原罪」が、永い時を経て、ナルト達の時代までずっと続いているというわけです。
 
遠い昔エデンの園を追放された、キリスト教の贖罪思想と重なります。作者はここからヒントを得て、この作品の構想を考えたのかもしれません。
 
マダラの復活は、イエス・キリストの復活がモチーフになっていると思います。こう考えると、マダラの誕生日が12月24日となっているのも頷けます。
 
私は宗教に造詣があるわけではありませんが、キリスト教では「イエス・キリストが復活するときに裁きが下る」という預言があるそうです。
つまり、「イエス・キリスト復活時に、世界が終わる」という終末思想ですね。
それを利用して、「イエスを信じる者は救われる。だからキリスト教に入信しなさい」という、かなり脅迫めいた布教をする一派も存在するらしいです。
 
もっと一般向けに解釈すると、「イエス・キリスト復活時に、世界が終わる」というのは、新しいシステムが生れるために、今までのシステムが崩壊するともいえそうです。
この辺りまで解釈を広げると、現在進行中の第四次忍界大戦は、この意味が含まれている気がします。
マダラの復活によって、今までの忍世界のシステムが崩壊し、新しいシステムが誕生するということ。
 
作者がキリスト教の知識を持っているとすれば、こういう展開はありそうですね。
 
NARUTOが扱っているテーマは、非常に大きく重く深いものがあります。それを伝えるために、たくさんの登場人物のエピソードが絡み合い、重層的な構造になっています。読む側の状態によって幾通りにも解釈ができる、これがNARUTOの最大の魅力です。
 
次回671話は、さらに六道仙人から事実が語られるようです。
ますます佳境に入っていく物語に目が離せません!