NARUTO・675話「今の夢」
マダラの黒い棒がサクラを急襲。
オビトが神威で、サクラを時空間から外へ飛ばして逃がします。
目の前に現れたサクラを見て、サスケは驚きます。状況を知らないので無理もありません。
カカシが時空間へ行っていたと説明します。
カカシの左目を見て、サクラはすぐに治療を始めます。さすが医療忍者。
写輪眼をマダラに奪われたのは、一瞬の出来事だったようです。
カカシ自身、何が起こったのかわからない。
それだけマダラのスピードが速いということです。
マダラが時空間へ飛んだので、カカシはオビトのことを心配しています。
サクラに尋ねますが、サクラは急にこちらの世界へ飛ばされたので、マダラの姿は見ていないようです。
サクラはオビトとかわした会話の内容を伝えます。
オビトはサクラに、左目の輪廻眼(マダラの輪廻眼)を潰すように頼みます。
体に取りついている黒ゼツを抑えるだけで精一杯で、動くことができません。
黒ゼツに体を乗っ取られたら、そのまま右目の写輪眼(オビトの写輪眼)の神威で外へ出て、マダラに輪廻眼を渡してしまう。そうなる前に潰せというわけです。
輪廻眼が両目に揃ったら、恐ろしい事になると説明します。
オビトは一度、両目で輪廻眼を試したことがあったようです。
しかしあまりに強すぎるチャクラと瞳力で、己を失いかけました。
本来の持ち主に戻れば、誰も太刀打ちできないと言います。
長門は子供の頃にマダラの輪廻眼を両目に移植されていました。彼が普通にしていられたのは、マダラに選ばれた子だったからだと思います。
瞳力とは 2つ揃って初めてその力を発揮する。
これはオビトが子供の頃に、マダラから教わったことです。
オビトの写輪眼は片方がカカシに渡っていて、二人とも片目ずつしか持っていませんでした。666話で二人が共闘したときに初めて、両目が揃った神威の本来の力が発揮されています。
そうなると、まだサスケは輪廻眼を片目しか開眼していませんので、本来の力が出せないということでしょうか。これは伏線になりそうな感じですね。
時空間でサクラとやり取りをしている間に、マダラがやって来ます。
オビトにとっては想定外の状況になってしまいました。
オビトは限界でもう動けないので、マダラに輪廻眼を取られるのは必至。
サクラは状況のまずさに慄然とします。
オビトの体に手を突っ込むマダラ。
665話でオビトがマダラに同じことをしていましたね。
マダラは上半身だけがふわふわ浮いているので、幽霊みたいです。
オビトの心臓に仕込んでいた呪印が消えていると不思議がります。
呪印はカカシの手で排除させた、マダラの思い通りにはならないとオビトは言います。
十尾の人柱力になるには呪印が邪魔だったそうです。
それはオビトにとっても命懸けの賭けでした。
しかしさらに驚愕の事実が判明します。
呪印を仕込まれたのはオビトだけではありませんでした。
リンにも仕込まれていました。
リンが霧隠れの忍に三尾の人柱力にされたのも、マダラが仕組んだことだったとは。
リンは自害できなかったのでカカシの雷切に飛び込み、マダラはオビトを闇に落とすためにわざとその場面をオビトに見せた。
全部マダラの計画だったことが明らかになります。
ミナトが別の任務に出ていた隙を狙ってやるとはね。
なぜ自分を選んだのかオビトは問います。
オビトは心の底から人に優しくて愛情深かった。そういう奴ほど一度堕ちれば深い憎しみへと変わるからだとマダラは答えます。
619話で扉間が言っていた、うちは一族の特徴を利用したわけですね。
オビトの体に手を入れたまま、マダラは自分の思い通りになるにはもう少し必要なものがあると言います。
なんだろう? もう一度、呪印札を仕込んでいるとか?
こちらの世界では、ナルトが影分身と一緒に影のマダラを封印しています。
封印した影のマダラを分身に任せて、本体はカカシ先生の元へ向かいます。
サクラから話を聞き終わったカカシとサスケ。
サスケはマダラがいつ時空間から出てくるかも分からないから、気を張っておくように注意します。
そこへナルトが到着します。
マダラの影はどうしたか尋ねるサスケに、ナルトは影分身と六道の棒でガチガチに止めてきたと答えます。
ナルトはカカシの傷の手当てをしているサクラに、自分と代わるように言います。
ナルトがカカシの左目に手を当てると、カカシの目が復活しました。
写輪眼ではなくカカシ本来の目です。
サクラ:「うそ!! どうやってこんな…!?」
ナルト:「あのね… 口で説明すっと難しんだけども…… なんかカカシ先生の体の一部をちょっともらって んで… それにこう… んーーーーー」
サスケ:「気を抜くなと言ってるんだ…ナルト」
ナルト:「あ!? オレってばそれ初聞きなんだけど!」
サスケ:「もう! こんな時にまでくってかかんなナルト! それより後でこの目の……」
三人のやり取りを見つめるカカシ。下忍になったばかりの頃の三人を思い出していました。
第七班の初顔合わせで自己紹介をしたこと……。
ナルトの好きなものはラーメン。夢は、火影を越して、里の奴ら全員に自分の存在を認めされること。
サスケの好きなものはなし。嫌いなものはたくさんある。夢ではなく野望。一族の復興とある男を殺すこと。
サクラの好きなもの、じゃない好きな人は……(チラっとサスケを見る)。将来の夢は……(一人で盛り上がる)。
ナルトはもう火影を越している。皆からも認められている。
サクラはあの時とは違う想いで、サスケを想っている。何があってもサスケを切り捨てず、サスケを闇から救うのは自分の役目だと思っている。
サスケは……。
カカシ:「サスケ… お前の今の夢は何だ?」
サスケは答えませんでした。
カカシは自分達に話したくないならそれでいい、しかし第七班だったことは事実だろ、と言います。
気配を感じるカカシ。マダラが時空間からお出ましのようです。
カカシ:「お前達 スズ取りの最初の任務を覚えてるな あの時の教訓を忘れてないな?」
サクラ:「ウン!」
サスケ:「フンーーーー」
ナルト:「ったり前じゃん!! チームワークだ!!!」
ついにカカシ隊第七班VSマダラ戦。そしてオビトはどうなったのか!?
情報量が多いですね。
実は私は、白ゼツと黒ゼツが付いているとはいえ、まだ少年だったオビトに後を任せるのは、かなり乱暴な計画だと思っておりました。
マダラは計画に穴が開かないように、細部に手を打っていたというわけですね。
リンまで駒に使っていたとは驚きです。
マダラは高齢でかなり弱っていましたから、実働は黒ゼツ白ゼツにやらせていたのでしょうか。
ここまで用意周到だったからこそ、一度死んで、長門が成長するのを待って復活するという手段が取れたのだろうと思います。
あの老体では魔像からチャクラを供給されても、長門が成長するまで持たなかったのかもしれませんね。
操り人形にする呪印札を仕込まれると、勝手に自害もできなくなるし、自分で外そうとすると行動が抑制されるとは、よく考えられた仕組みです。
オビトがマダラを復活させずに、オリジナルの計画を進めていた節があるのは、呪印を仕込まれていることに気がついたからではないかと思いました。
マダラは自分を仲間だと見ていない、傀儡として使っているだけだと思ったのが始まりではないかと。
仲間を大切にするオビトにとって、自分が信頼されていないのはショックだっただろうし、屈辱でもあったと思います。
それと同時に、こっそり呪印を仕込むような奴を信用できないと思ったでしょう。
そこからだんだん、マダラ抜きで月の眼計画を実行しようとしたのではないかと思ってしまうのです。
オビトが呪印を解除したは、636話でカカシとオビトが時空間で戦ったときですね。
あの時オビトは心臓を貫かれましたが、この戦いはカカシの勝ちでも、戦争の勝ちは譲らないと言っていました。
自分は弱っても、十尾の人柱力になれば無限月読が発動できますからね。
呪印の解除は、オビトにはイチかバチかの大博打だったのでしょう。
もし死んでも、カカシの手なら本望だと思ったのかもしれない。
マダラがオビトの体に手を突っ込んだままなのが気になります。
オビトがマダラの体に手を入れた時は、仙術チャクラと一尾と八尾のチャクラを奪っていました。
マダラは輪廻眼以外に、オビトから奪うものがあるのでしょうか。それとも呪印札を、再び仕込んでいるのか。
675話を読むと、マダラはかなり極悪非道な人のように描かれていますが、それでも権力欲や支配欲で行動しているとは、私は思えないんですけどね。
まだまだ本心を隠していそう。
それと、サスケが左目を閉じているのも気になります。
「後でこの目を……」とナルトに言っていましたので、左目と関係があるのかもしれません。
最近、備忘録のつもりで1話からの雑考を書き始めていまして、ここで自己紹介の話や、5話からのサバイバル演習の話が出てきたのに驚いています。
アカデミーを卒業したばかりの12歳の子供だった三人が、年月が経ち、それぞれに紆余曲折があって、こうしてカカシ先生の元に集まっているのは感慨深いです。
カカシが三人を見て思ったことは、そのまま三人の成長を代弁しており、すごくわかりやすいです。
ナルトは自分の忍道を貫き、皆から認められる存在になりました。
サクラは昔のような子供っぽい恋愛感情ではなく、もっと成熟した愛情でサスケを想っています。サクラちゃん、大人になったね。
36話では意思が通じ合っていたサスケとサクラでした。あの頃みたいになれたらいいなあ。
サスケはイタチを倒して野望を遂げているので、今何を考えているのかわかりません。
しかしカカシが鈴取り合戦の話をしたときに「フン」が出ましたので、この状況を肯定的に受け止めているのがわかります。
サスケの「フン」は「ウン」と置き換えてもおかしくないほど、肯定的な意味でよく使われる言葉ですから。
口数が少なくて素直じゃないから、何でも「フン」の一言で済ませてしまうんですよ。
子供の頃から変わらないなあ、サスケ君。
一番気の毒なのがオビトです。
マダラから真実を聞かされたオビトの胸中を思うと、胸が苦しくなります。
このままオビトに終わって欲しくないし、人生をやり直せるチャンスがきて欲しいと思います。
カカシもいるし、きっとナルトもサクラもサスケも、受け入れてくれると思うんですよね。