NARUTO・28話「九尾…!!」
ナルトの全身から、ものすごいチャクラが放出されます。
チャクラは見る見るうちに妖狐を象ります。
白:「…… 有り得ない…!! チャクラが具現化するなんて! ……そっ それに 何て醜悪なチャクラ…!!」
千本で突いたナルトの体の傷が、あっという間に癒えていきます。
白は初めて経験する状況に、ただただ驚くばかり。
振り向いて白を見るナルトは、恐ろしい目つきになっています。
濃霧の中で戦っているカカシと再不斬も、禍々しいチャクラに気がつきます。
お互いに相手からではないと判断します。
カカシではないとすると、再不斬は他に見当がつきません。
カカシはナルトだと気がつきます。
封印が解けたのかと危惧しますが、チャクラの感じから完全に解けたのではなさそうです。
封印がゆるんで九尾のチャクラが漏れ出しました。
とりあえず封印が完全に解けていないのでほっとしますが、油断はできません。
封印がゆるんでいるのは確かなので、一刻も早く手を打ちたいところです。
カカシはベストのポケットから巻物を取り出します。
巻物を広げて、再不斬に斬られた傷口の血を巻物に塗りつけます。
獣のような形相のナルト。
白はすさまじい殺気を感じます。
ナルトが白に飛びかかっていきます。千本で攻撃する白。
しかしチャクラで、千本が吹き飛ばされてしまいます。
鏡から鏡へ移動しようとする白。
ナルトが白の腕を捕まえます。
今まで全く白のスピードについてこられなかったのに、別人のようです。
ナルト:「うおおおおおおおおおおおおおおおおおっ!!」
ナルトが放出するチャクラの力で、鏡が割れそうです。
白は片手で印を結んで鏡を維持しようとしますが、ナルトの気を押さえられません。
ナルトは白を睨みつけ、顔面に拳を振るいます。
殴られた白は、そのまま鏡を突き破って外へ飛ばされます。
ナルトとサスケを囲んでいた氷の鏡が、すべて崩れ落ちました。
白がまだ生きていることを察知したナルトは、さらに飛びかかっていきます。
白:「…ボクは……この子には敵いません…… 再不斬さん……」
水煙の中にたたずむ白。面が割れています。
白は「醜悪なチャクラ」。
カカシは「禍々しいチャクラ」。
再不斬は「イヤなチャクラ」。
三者の表現で、九尾のチャクラがどんなものかわかります。
28話は「九尾が封印されたナルト」とは、どういう存在なのかを示すエピソードです。
27話でサスケが自分をかばって倒されました。ナルトは「大切な人」を失ってしまいます。
初めて体験した仲間の死。
白への怒りと憎悪が、封印を緩めてしまいました。
これはナルトの感情次第で、封印が解放されることを意味します。
少し漏れただけでこの有様ですから、九尾の力は禍々しいだけではなく、凄まじいまでのパワーがあります。
28話を見る限り、ナルトがコントロールできるのかは非常に難しそうです。
これまでナルトは明るくて、少々抜けたところのある少年のイメージしかありませんでした。
ところがナルト自身が凶器と化すという、とんでもないリスクを抱えていたのです。
九尾の力はコントロールできれば武器になるが、できなければ暴走しそうな諸刃の剣です。
片や、心の中で再不斬の名を呼ぶ白。
お互いの大切な人のために、二人は戦っています。
(28話は、コミック巻ノ4に収録されています)
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