NARUTO・38話「START…!!」
写輪眼を持ってしても、リーに歯が立たないサスケ。
リーが技を出そうとしますが……、
「そこまでだ リー!」
ほどいた包帯を引っ張られて、リーはサスケから引き離されます。
サスケはそのまま落下。
サクラがダッシュして受け止めます。
ナルトはサスケがやられるのを目の当たりにして、自分が気絶している間に何が起こったのかと驚いています。
サクラ:「大丈夫!? サスケ君!!」
受け身も取れずにサスケが動揺しているのを、サクラは初めて見ました。
突然現れた大亀が、リーに説教をしています。
大亀:「リー! 今の技は禁じ手であろうが!」
リー:「す…すみません つい…」
あの大亀がリーの先生だと、ナルトは思い込みます。(え?)
亀に説教されているリーを見て、サスケもサクラも「?」です。
そんな言い逃れは通用するか、忍が己の技を明かすとはどういことかわかっているだろうと、亀の説教は続きます。
うなだれるリー。
大亀:「ではガイ先生 お願いします!」
ガイ:「まったく! 青春してるなー! お前らーっ!!!」
亀の背中にガイ先生登場。
リー以上の濃ゆさに、ナルト達は思いっきり引いています。
3人の変顔が可笑しい。
ガイ先生をバカにするなとリーは激怒。
ガイはリーに声をかけます。
ガイ:「バカヤローーーーーーーー!!」
リーにパンチを食らわします。
ガイ:「お前って奴ぁ… お前って奴ぁ…」
リー:「先生… 僕は… 僕は…」
ガイ:「もういい リーーーー! 何も言うな!!」
リー:「先生!!」
ガシっと抱き合う2人。
ナルト達は固まってしまいます。
「あんな奴にオレは…」と思いながら、変顔のサスケ。
ああいうノリっていいなとナルトは言いますが、サスケとサクラは拒否反応。
サスケのギャグ顔が続きますね。
ガイは離れた場所にいるナルト達を見て、カカシの生徒だと気がつきます。
「カカシ先生は元気か」とナルト達に声をかけます。
サスケ:「カカシを知ってんのか……?」
ガイ:「知ってるも何も…… クク……」
ガイとリーを見ているサスケの視界から、突然ガイの姿が消えました。
ガイ:「人は僕らのことを『永遠のライバル』と呼ぶよ…」
ガイはいつの間にか3人の背後にいます。
「スピードならカカシ以上、人間か?」とサスケも驚きです。
ガイは50勝49敗で、カカシより強いと言います。
そしてリーが迷惑をかけたことを3人に詫びます。皆にそろそろ教室へ行くように促します。
ガイの言葉はハッタリではない、サスケは上には上がいることを実感します。
ナルトは包帯を外したリーの手に、傷があるのを見つけます。
ガイが去った後、リーはサスケに言います。
自分は自分の能力を確かめるために出てきた。しかし嘘をついたと。
リー:「おそらく木ノ葉の下忍で最も強い男は ボクのチーム内にいる そいつを倒すために出場するんです …そして 君も…ターゲットの一人」
リーも立ち去ります。
リーに敗北して、さらにガイの動きを捉えられなかった悔しさに、サスケは拳を握りしめています。
サクラは元気づけようとしますが、ナルトは……、
ナルト:「けっ…なーんだ! ウチハ一族もたいしたことねーんじゃねーの!」
サスケ:「くっ… うるせー… 次は あいつをのしてやる…」
ナルト:「フン ボロ負けしたくせによ」
傷口に塩を塗るようなナルトの言い方に、サクラは我慢できません。
ナルトはサスケに「あいつの手を見ただろう」と言います。
ナルト:「あのゲジマユは すっげー特訓したんだろ 毎日 毎日… お前よりもな… そんだけのことだってばよ」
サスケはナルトに何も言えませんでした。
ナルトの言うことは的を射ています。サスケは己の奢りと油断に気がついたようです。
サスケ:「フン 面白くなって来たじゃねーか… 中忍試験 この先がよ!」
サスケが奮起したを見て、ナルトもサクラも嬉しそうです。
サスケ:「行くか ナルト! サクラ!」
ナルト:「オーーーー!!」
志願書を提出しに301教室へ来た三人。入り口の前にカカシがいました。
カカシはサクラも一緒なのを見て、これで正式に申込みができると言います。
どういう意味かサクラが尋ねます。
実はこの試験は初めから、スリーマンセル(3人1組)でしか受験できないルールでした。
受験するのは個人の自由だとカカシが言ったのは、本当のことを言ったら、サスケとナルトは無理にでもサクラを誘ったでしょう。もし受験する意思がなくてもサスケに誘われれば、サクラはいい加減な気持ちのまま試験を受けようとしたはずです。
サクラが断ってサスケとナルトの2人でくれば、受験は中止にしていたと説明します。
カカシ:「だが お前らは自分の意思でここに来た オレの自慢のチームだ さあ 行ってこい!」
301の扉を開ける3人。カカシ先生に見送られて、志願書を提出しに行きます。
リーとガイの関係は、ナルト達とカカシの関係と少し違うようです。
濃密な関係を見て、サスケとサクラはドン引きしていましたが、理性や知性より感情で動くタイプのナルトは、結構気に入ったようです。ここでもサスケとサクラは、ナルトとタイプが違うことが窺えます。
ルーキーNo.1 でエリート忍者うちは一族のサスケは、プライドを傷つけられます。
敗北の原因をナルトが指摘するところが重要です。
ナルトは余計な色眼鏡をかけずに、物事の本質を見る子です。
ナルトの本領発揮といえるでしょう。
ナルトは「うちはブランド」や「ルーキーNo.1 」のレッテルを貼って、サスケを見ていません。ナルトは他人にレッテルを貼ることがないのです。
ありのままをありのままに見ることができるのが、ナルトです。
サスケがえらかったのは、ナルトに指摘されて反発しなかったことです。
サスケはプライドは持っていると思いますが、プライドにしがみついて現実を認めないような、愚かな子ではありませんでした。
ナルトの言うとおりに、努力を怠っていたことを認めます。
カカシ先生の深慮遠謀はさすがです。3人のキャラクターと行動パターンを読んで、上手に導いています。
サクラが自分の意思で受験するきっかけを作ったのは、36話のサスケの励ましです。
36話を読んでいると、この2人は本当にいい組み合わせだと思います。
38話では、ナルトがサスケに奮起するきっかけを与えています。
3人は知らず知らず、お互いに影響を及ぼし合っています。
人間は他者に影響を与え、また与えられながら生きています。
NARUTOはその辺りの描写が丁寧なので、読んでいて気付かされることが多いです。
38話は今では見られない、表情豊かなサスケの変顔が多くて楽しいです。
(38話は、コミック巻ノ5に収録されています)
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