抹茶みるく日記

感想や日々の雑考のブログです。感想は作品の評価より、自分の思考を深め、得るものがあるかどうかを重視しています。

NARUTO・87話「予選終了…!!」

立ち上がったまま気を失っているリー。
ガイがリーを抱きしめます。
リーの元へ行こうとするサクラを、カカシが止めます。

 

カカシ:「お前が行って何をしてやれる… お前の励ましなんかもらっても つらいだけだぞ…」

 

ナルトはたまらずに階下へ飛び降りて、リーの元に走ります。
ハヤテは救急班にリーの手当を急がせます。

 

救急班員1:「あなたが担当上忍ですね… ちょっとこちらへ…」
ガイ:「!」
救急班員1:「…かろうじて呼吸はありますが…全身の粉砕骨折と筋肉断裂… それだけならまだどうにかできるのですが… 攻撃された左手足のダメージが特に酷い こんな事を言いたくはないんですが…」
ガイ:「………」
救急班員1:「彼はもう二度と… 忍として生きていく事はできない体です」

 

ショックを受けるガイ。体が震えます。

 

それはナルトにも聞こえていました。

 

ナルト:「そ… そんな… そんなのウソだろ…」

 

(ガイ):…リー… お前が負けるなんて…思いたくなかった… お前の忍道を叶えさせてやりたかった… ………許してくれ… リー…

 

ナルト:「…それじゃあ… ゲジマユはどーすりゃいいんだってばよ! …こいつ…サスケやネジって奴と戦いたいって あんなに言ってたのに… どーにかなんないのかよォ! オ…ぐっ」

 

カカシが後ろからナルトを抱きかかえて、口を塞ぎます。

 

カカシ:「……あるいは…それが災いした…」
ナルト:「……!」
カカシ:「捨て身の禁術まで使って勝ち残ろうとした決意の…その結果だ… あの子はサスケやネジ君…そしてナルト… お前達との言葉の要らない約束に殉じた…!! 彼は命懸けで…お前達と戦うための舞台を目指したんだよ…」
ナルト:「………」
カカシ:「それを忘れるな…」

 

(ネジ):…… リー…お前は最後まで気付かなかったんだ… ”刺し違えてでも”などという形でしか勝利を目指せぬ者に… 駒を先に進めることを 天は許しはしない…

 

ずっと我愛羅の視線は、担架で運ばれるリーと、会場に佇むガイに向けられています。

 

内心カカシは、ガイに偉そうに言ったけれども、もし自分も同じ立場だったら止められなかっただろうと思います。
ガイに次の試合が始まるので、上に行こうと声をかけます。

 

ハヤテ:「では 最終第十回戦 両者前へお願いします!」

 

最終戦は、ドス対チョウジ。

 

ドスは大蛇丸の目的に気がついています。
大蛇丸は先回りをしてサスケに呪印をつけ、ドス達三人をサスケの実力を見るための「噛ませ犬」にしていました。
大蛇丸が欲しいのはサスケの「命」ではなく、サスケ「そのもの」。
将来自分が転生するための器にするためです。
サスケを殺すように命じられていたドス達は、本当の事を知らされずに、捨て石にされていたということです。

 

でもドスの矜恃は、それを許しません。
本戦に残り、サスケと戦って、己の存在価値を認めさせるつもりです。

 

ハヤテ:「えー では 第十回戦開始です!」

 

シカマルといのが、チョウジに声援を送ります。

 

シカマル:「ガンバレーーー!!」
いの:「デブー!!」

 

デブと聞いて、チョウジの怒りが爆発。
いの達の作戦ですね。

 

(チョウジ):こっちはお前の弱点なんか 前に戦って十分承知なんだよ! あの腕の穴から衝撃音を放つワケだから…

 

忍法 倍化の術!!

 

ボン

 

(チョウジ):耳を狙わせなければいい…

 

術で巨体になったチョウジは、亀のように首を縮めます。

 

肉弾戦車!!

 

いの:「よーし 押しつぶしちゃえー チョウジィー!!」


(シカマル):アイツの攻撃は相手に直接触れなくても音で攻撃できるが… それは耳が出ていればの話だ… 頭を肉にうずめて耳栓にしている状態な挙げ句…回転までしている肉ダンゴ相手に 音でどう攻撃する…

 

高速回転で押しつぶそうとするチョウジに対して、ドスは回避し続けるしかありません。
壁にぶち当たるチョウジ。すごい破壊力です。

 

(ドス):ここだよ… そこから出るには回転を反転させなかならない となると一旦回転を止めるよねェ… そこを狙う!

 

めりこんだ壁から抜け出ようとしているチョウジに、ドスは攻撃をします。
「耳栓をしているからムダだ」と言うチョウジ。

 

ドス:「イヤ… 終わりだよ」

 

キーィイイイイイ

 

チョウジ:「うわああ!!

 

チョウジがぐったりして倒れています。

 

人体の70%以上は”音”を電動する水分で構成されています。ドスにとって肉の壁に衝撃音を伝える事は容易なこと。回転中は近寄れませんが、停止していれば鼓膜の大体の位置も狙えるので、一石二鳥というわけです。

 

ハヤテ:「勝者!! ドス・キヌタ!!」

 

アスマ:「まあ…負けたけど 焼き肉ぐらい連れてってやるか」

 

ハヤテ:「えーーー ではこれにて”第三の試験”予選… 全て終わります!」

 


先に予選を突破したサスケ、ナルト、ネジと戦いたいと思っているリーは、捨て身の禁術で我愛羅を追い詰めました。
しかし残念ながら、試合に勝つことはできませんでした。
ひょうたんが砂でできていなければ、リーが勝っていたかもしれません。
しかしよく考えてみると、我愛羅は一尾の人柱力ですから、裏蓮華で我愛羅を倒しても、中の一尾が目覚めて、より悲惨な事態になっていたかもしれませんね。

 

禁術まで使用し、自分の忍道を貫いたリー。しかしその結果、忍者生命を絶たれる重傷を負ってしまいます。
ネジが「天は許しはしない…」と言っているのは、「己の運命を変えようと無理をしても、それは不可能なことだ」と言っているわけですが、果たしてそうなのか。
誰にも先のことは分かりません。
「未来はこうなる」というのは、はっきり言って、その人の思い込みです。

 

試合が終わってからずっと、我愛羅の目線はリーとガイを追っています。立ち去るときも横目で見ていたり、ずいぶん気になる様子ですね。
二人を見て何を思うのでしょうか。

 

チョウジは耳を塞げばドスの音攻撃を回避できると考えました。
リーがドスと戦った場面(52話、53話)を目撃していたので、収拾した情報をきちんと分析しています。
チョウジは頭が悪くありませんね。
ただ残念ながら、人体の水分を利用して音を伝導できることまでは、想定できませんでした。
回転を止められたことが、明暗を分けてしまいました。

 

頑張ったチョウジに、焼き肉をご馳走することにしたアスマ先生。
ちゃんと生徒を見ていますね。
結果は大事ですが、子供の成長期には、努力したプロセスをきちんと評価してあげたいものです。

 

(87話は、コミック巻ノ10に収録されています)

 

NARUTO (巻ノ10) (ジャンプ・コミックス)

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