抹茶みるく日記

感想や日々の雑考のブログです。感想は作品の評価より、自分の思考を深め、得るものがあるかどうかを重視しています。

NARUTO・61話「進むべき道…!!」

カブトが「天の書」と「地の書」の両方を持っていることを知ったサスケは、カブトに勝負を挑みます。
60話でサスケが言っていた、ラストチャンス。
残り時間内で天の書に巡り会える機会は、これが最後かも知れません。

 

カブト:「……… 本気かい」
サスケ:「……… 悪いが もうオレ達には時間がねえからな……!」

 

自分達の危機を救ってくれたカブトへ勝負を挑むサスケに、ナルトもサクラも反対します。

 

サスケ:「…………  仕方ねェんだよ…  さっきも言ったろ! もう この森で生き残るにはこれしかねえんだよ」
カブト:「ウソだね」

 

カブトはサスケが自分で言っているほど、心を徹し切れていないと言います。
サスケが本当にシビアになりきれるのなら、勝負を挑むと宣言などせずに、カブトが油断している隙を襲うはず。それが忍者だと言います。
サスケは図星をつかれたようです。

 

非情に徹しきれないサスケ。
カブトはそんなサスケが嫌いではないと言います。


カブトは「進むべき道」を教えようと声をかけます。
焚き火の煙で、焼き魚の臭いがかなり遠くまで飛んでいたので、猛獣や敵にマークされてしまいます。カブトは移動しながら説明すると言います。

 

森の中を移動する4人。
サスケはカブトに、本当にまだ敵がいるのかと尋ねます。

 

カブト:「ああ 間違いなくね……  ちょっと考えれば分かる」

 

受験者の共通ゴールは、森の中心の塔。
残り1日になった今、最も巻物を集めやすいのは、その塔の付近になる。
サクラが待ち伏せして巻物を奪うことに気がつきます。ナルトはさっぱり分かりません。

 

カブトは3分の1正解だと言います。
同じことは他の受験者も考えている。
塔の付近には同じように待ち伏せしているチームが、罠を張っているはず。

 

サクラは残りの3分の1が何か尋ねます。
それはこの手の試験で必ず出現するコレクターの存在。
思わぬ強敵に出くわした時に見逃してもらう代償にできるよう、余分な巻物を集めようとする者。
同じ里の仲間に足りない巻物を提供することで、以降の試験を有利に進める情報を手に入れようとする者。
第三の試験に備えて、有力な突破者を滅ぼしておこうと考える者。

 

カブトはこいつらはかなりの実力者で、決して慢心しない最悪の敵だと説明します。
伊達に過去6回も、中忍選抜試験を受けていません。情報通ですし、経験値が高いです。

 

サスケはカブトが自分達と一緒に行動しているのは、彼もこれらの敵を恐れているからだと指摘します。
同意するカブト。

 

日が暮れました。塔が見えてきます。
ここからが正念場。

 

ナルト:「よっしゃあああ!! いくぜェェエ!!」

 

気配を感じるナルト達。

 

ナルト:「そこだ!!

 

ナルトがクナイを投げると、当ったのは巨大なムカデでした。
カブトはナルトに注意します。

 

カブト:「ここからは不注意な行動や不用意な物音は避けたい  密林を象のような音をたてて突き進めば−−−− 自分たちがやってくることを大声で警告しているのと同じ… 必ず熱烈な歓迎を受けることになる」

 

これからは時間が許す限り、身を隠しながらゆっくり行くとカブトは言います。

 

4人は塔へ向かっていますが、歩けども歩けども近づけません。

 

カブトはあそこを見ろと指さします。
それはさっきナルトがクナイで仕留めた、大ムカデでした。
4人は幻術にはめられていることに気がつきます。
同じ所をぐるぐると歩き回っていただけでした。

 

カブトとサスケは相手の手の内を考えます。
どうやら4人を歩き回らせて、体力が消耗したところを襲うつもりです。
敵の気配を感じるナルト達。
かなりの数の敵に取り囲まれています。


カブトが巻物を見ようとしたナルトとサクラを止めてくれたことについて、サスケも内心では感謝しているはずです。
恩があるカブトを襲って巻物を奪うことは、ナルトとサクラと同じように、本当はサスケも良いことだとは思っていません。
しかし忍の世界は、非情に徹しなければならない時があります。
合格するためにはこれが最後のチャンス。仕方が無いと自分に言い聞かせて、サスケは行動しています。
カブトからすると、まだサスケが非情に成り切れていないことは見え見えでした。
やはりサスケという子は、本来思いやりのある優しい子なのです。
NARUTOの物語は台詞回しや描写で、さりげなくキャラクターの性格や考え方を上手く表現しています。
そこを読み取っていくのが楽しいです。

 

ナルトは緻密な思考力や状況判断が苦手なので、静かに行動すべき時でも大声を出したり、突飛な行動に走ったりします。
カブトからしっかり釘を刺されていますね。
こういうところが、忍としてのセンスがないと思われてしまうゆえんでしょう。

 

カブトが何かを隠しているのは感じますが、ナルト達が巻物を手に入れるために、機会を与えようとしてくれているのは間違いなさそうです。
どこへ行けば巻物を手に入れられる可能性が高いか、何に気をつけるべきか、きちんとアドバイスしています。

 

いつのまにか敵の罠にはまってしまった4人。
ナルト達は巻物を揃えて、試験を突破できるのでしょうか。

 

(61話は、コミック巻ノ7に収録されています)

 

NARUTO (巻ノ7) (ジャンプ・コミックス)

NARUTO (巻ノ7) (ジャンプ・コミックス)