NARUTO・5話「油断大敵!!」
カカシを相手に、サバイバル演習が始まりました。
まずは、基本のキをチェック。
忍びたる者__基本は 気配を消し 隠れるべし
三人ともうまく隠れたな……と、カカシが思った矢先、
「いざ 尋常に 勝〜〜〜〜〜〜〜負!!」
って、ナルト何やってんの?
物陰から見ているサスケも、ウスラトンカチと呆れてしまいます。
真っ向から突っ込むナルトですが、カカシがウェストポーチに手を突っ込むのを見て警戒します。忍具で攻撃されてはたまりません。
「忍び戦術の心得その1 体術!! ……を教えてやる」
ナルトにとって体術は、アカデミーで習った組み手のこと。それなのに武器を使うのかと訝ります。
カカシがポーチから取り出したのは、忍具ではなくて本!!
本の続きが気になるらしい。
タイトルは『イチャイチャパラダイス 中巻』って、あなた……。
お前達相手じゃ本を読んでいても関係が無いので、いつでもかかって来い、と言うカカシ。
頭にきたナルトは、パンチ、蹴りと、ガンガン攻撃を繰り出しますが、すべてかわされてしまいます。
「忍者が何度も後ろ取られんな バカ」
サクラ:「あの手の構えって 寅の印?!」
サスケ:「まさか……あの印は火遁の…」
死ぬから逃げるようにと、サクラはナルトに叫びます。
カカシ:「遅い」
「木ノ葉隠れ秘伝体術奥義!!! 千年殺し〜〜っ!!」
寅の印を組むが忍術発動ではなく、そのまま指をナルトのお尻へ。
ナルトは吹っ飛ばされて川へ落ちます。
サクラ:「なんだァ…忍術じゃないのかァ……なにが奥義よ……ただのモノスゴイカンチョウじゃない」
意表をつく体術に、ウスラトンカチが二人になったとサスケ。
川の中で悔しがるナルトは、イルカ先生が自分を認めてくれた、あの時のことを思い出します。
こんなところで後戻りはできない。
川から這い上がるナルトですが、カカシ先生の指示通り朝食を抜いてきたので、お腹の虫が鳴いています。少々バテ気味。それは、サスケとサクラも同じです。
何が何でも鈴を取って、下忍として認められたい。ナルトに気合いが入ります。
「なにがなんでも 忍者にならなきゃ」
川の中で仕込んでいた影分身達が、一斉に川から飛び出します。
サスケもサクラも、多重影分身の術を見るのは初めてです。それもそのはず、この術は封印の書の中の禁術です。
カカシはさすがにそれを知っていますが、今のナルトの実力では1分が限界だと見抜きます。
「まだ その術じゃオレはやれないね」
ところが! 背後から、分身の一人がカカシを押さえ込む!!!
ナルトは影分身の一人を川下からこっそり上げて、裏手に回り込ませていました。やるじゃん。
サスケもサクラも感心しています。
「なぐらせてもらうってばよ!!」
抱え込んだカカシを殴るナルトですが……殴られたのは、ナルト??? あれ!!?
というわけで、5話は、考えるよりも体が動いてしまう、ナルトの特徴がよく出ています。しかし、理論的に考えられないけれど、とっさに機転が利くタイプだとわかります。
そして全力で向かうナルトを、本を読みながら軽くあしらううカカシ先生。圧倒的にカカシが格上です。これが上忍と下忍になりたての新人との差。
5話で重要なのは、手も足も出ないナルトが、奮起するきっかけです。それが1話のエピソードです。
里の大人達から、あたかもバイ菌のような扱いを受けて、孤独な日々を送っていたナルト。そのナルトを、イルカ先生は「うずまきナルト」という、一人の人間として認めてくれました。真っ暗な地獄から救われた体験が、くじけそうになるナルトをギリギリのところで支えているのです。
もう二度と再び、ひとりぼっちの孤独な世界に戻りたくないという気持ちです。
私が、ナルトという人物の行動原理を計る上で、1話が原点だと思うのはこういうことです。今後、ナルトには様々な試練が待ち構えているのですが、なぜ彼が折れないでいられるかは、ここに秘密があると思います。5話はそれをわかりやすく明示しています。
(5話は、コミック巻ノ1に収録されています)
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