NARUTO・673話「オレらで…!!」
ガイの点穴のチャクラが消えないことを訝るマダラ。求道玉を引き寄せて棒状に形態変化させます。そこへ、ナルトが超速でマダラに突撃。黒棒を掴んで押さえ込みます。
9体の尾獣が体内に宿っているナルトは、四尾の孫のチャクラを借りて、
仙法・熔遁螺旋手裏剣!!!
避けるマダラ。輪墓で飛ばそうとしますが、ナルトにかわされます。
完全に見切っているナルト。感知力が驚異的に上がっている?
ナルトはそのまま螺旋手裏剣を投げる!
マダラは弾き飛ばされて、背後の神樹に命中。神樹が切り倒された〜〜〜!
目の前で起こっていることが信じられないマダラ。長い時をかけて成就しようとした計画が、頓挫した……。
一瞬見せる、絶望的な表情。
そのとき、
「ワレヲトリコメ」
マダラに声が聞こえます。マダラにも誰の声かわかりません。
「シンジュヲ…ジュウビヲスベテトリコメ…」
ええ!?
ナルトはガイを、リーと我愛羅の居る所へ連れて行きます。ガイはもう大丈夫のようです。
一方復活したサスケは、二代目火影・扉間に刺さっている黒棒を抜き取ります。
棒に触れても平気なサスケに驚く扉間。サスケの顔を見て状況を察します。
やはり賢い人わ、この人は。
サスケは扉間に、自分を瞬身の術で飛ばすように頼みます。
「そうか……神樹そのものが……」
マダラは神樹を取り込んで、何かが分かったようです。
ナルトが復活した後、時空間に残っていたサクラとオビト。サクラはオビトに、ナルトを助けてくれた礼を言います。
オビトはサクラに、最後に頼みたい事があると言います。敵として……ってどういうことだろう。オビト……死ぬなよ〜。
「大じいちゃん仙人に会って力をもらったからかな? こっからでもハッキリ感じる 大じいちゃんの片方の力を…」
ナルトの台詞って漢字が少ないのよね〜。こういうところも、作者がキャラクターに合わせて言葉を選んでます。
神樹を取り込んだマダラは、永久を手にした自分をナルトには倒せないと言います。
「バーカ!! オレが お前倒すんじゃねェ…」
そこへサスケが到着!
ナルト:「オレらで 倒すんだってばよ!!」
サスケ:「お前をな… マダラ」
ナルトは六道仙術を開花、サスケは輪廻眼を開眼!
マダラ:「…だがな… オレはその2つの力を両方併せ持つ存在だ!」
どちらが上か、決着をつけるというマダラ。ついに最終戦か!?
大蝦蟇仙人のナルトへの予言…
大蝦蟇仙人:「それからお前は…眼に力を宿している少年と戦う事になる そして…」
ナルト:「ああ…分かってる」
(489話・コミック巻ノ52)
最後まで話を聞かないナルトの悪い癖! 結局この時に、予言の全貌はわからないままでした。
「against」と「with」のどちらかになると思っていましたが、「…と」は「with」でした。
「AはBと戦う」=「A fights against B」
「AはBと(一緒に)戦う」=「A fights with B」
こういう微妙な助詞の使い方で、物語の予想を揺さぶる手法が、作者は上手いですねえ。
しかし、本当に最終回が近いような気がして、寂しいですわ。
NARUTOの物語は、様々なテーマを包含していて、読み込んでいくほど深みを感じさせてくれます。
その中でも、終始一環してこの物語を貫いてきたテーマは、「人の繋がりが生み出す力」。
一人の実力者が何でもこなせるはずはなく、足りないところを補い合う仲間がいるから、本来の自分のなすべきことができる。これはイタチの台詞にありました。
元々落ちこぼれだったナルトは、仲間に認めてもらえるように努力する→頑張るナルトを応援する人が出てくる→ナルトの足りないところを補佐してくれる→補佐してもらえるのでナルトの努力が成就する、という循環に入っています。
逆に能力が高い人ほど孤独になるのは、手助けをしなくてもできてしまうからです。また、本人も周りに助けを求めようとしません。
しかしそれでは、自分の能力以上のことはできません。
中高年になって、中学や高校の同窓会に出るとわかりますが、かつて落ちこぼれだった人が起業して社長として成功していたり、優等生だった人が大企業に勤めてリストラされていたりします。つまり、年月が経つと、学校時代の成績とは逆転現象が起こっているわけです。
自分が優秀ではないと思っている人は、人の力を借りようとするので、起業しても成功する確率が上がります。はっきり言いますが、社会人になったら学校時代の成績の順位はほとんど役に立ちません。人から力を貸してもらえる、自分になれるかどうかです。
人から力を貸してもらえると、自分の力ではできないことも、実現できる可能性が大きくなるのです。
六道仙人の二人の息子も同じです。優秀な故に一人の力に頼った兄と、落ちこぼれだったから連帯の力が必要だった弟。この二人の生き方の違いが、この物語の重要なテーマになっています。この兄弟の生き方の違いが対立軸になっていて、ナルト達の時代まで続いています。
神樹を取り込んだマダラは、ほぼ完全無欠な存在です。それに対して、ナルト&サスケがどう向かい合っていくのか、物語のテーマを考えると非常に重要になると思います。
人の繋がりが生み出す力は、1+1=2ではなく、1+1>2。
それをナルトとサスケで照明して欲しいです。そして、マダラにもオビトにも幸せになって欲しい!!
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