NARUTO・7話「カカシの結論」
「里一番のエリート うちは一族の力…楽しみだなぁ…」
サスケの鈴取り開始!
手裏剣で先制攻撃をするのはサスケ。カカシは、バカ正直に攻撃してもダメだと言いますが、手裏剣の1つが縄を切り、樹木の陰に仕込んでいた無数の短剣がカカシを襲います。
考えましたね、サスケ。
カカシが短剣を避けているいる隙に、背後に回り込むサスケ。体術で攻撃です。
カカシに接近しなければ、鈴は取れません。カカシを倒すことは無理でも、鈴さえ取れればいい。サスケの動きは敏捷で、指先が鈴に触れる!
しかし、もう少しのところで、カカシに阻まれてしまいました。
さすがのカカシも、本を読みながら相手をする余裕はないようです。ナルトやサクラとは明らかに違います。
そのころ、気絶から回復したサクラは、血まみれになったサスケを思い出して、死にかけているサスケを助けるために探します。彼女は幻術にかかったことに、まだ気がついていないようです。
片やナルトは、石の上に弁当が置いてあるのを見つけます。
忍者は裏の裏を読むべし、と言ったカカシの言葉を思い出して……、
「ニシシシシシ」
嫌な予感がする。
サスケが次に繰り出した攻撃は、
火遁! 豪火球の術!!
下忍ができるような術ではない、チャクラが足りないはずだとカカシは驚きます。
ものすごい炎がカカシを直撃する!!
が、炎が消えた後に、カカシの姿はありません。
辺りをキョロキョロと見回すサスケの足元で、土の中から手が!
「土遁 心中斬首の術…」
「忍…戦術の心得その3! 忍術だ」
サスケは土遁の術で地面に引きずり込まれてしまいました。地表に出ているのは首から上だけ。
サスケも鈴取りは失敗。カカシとの実力差を思い知らされるのでした。しかしカカシは、早くも頭角を現してきたサスケの力を認めます。
弁当を見つけたナルトは、盗み食いを決行します。鈴なんか取らなくても、食べてしまえばこっちのもの。しかし、カカシに見つかってしまいます。
サクラは、首から下が埋まったサスケを見つけ、生首が落ちていると思い込み、再び気絶。
サスケの声で目を覚ますサクラ。無事だったことを喜びます。
タイムリミットの12時までもう時間がありません。鈴に触れるところまでいったサスケは、再挑戦する意気込みです。
それに対してサクラは、あんなすごい先生から鈴を取れないし、サスケが鈴を取れたら離ればなれになってしまうと焦ります。時間もないし、無理をしないで次回がんばろうと、サスケを引き留めにかかります。サスケはサクラを睨みつけます。
サスケ:「オレにしか あの男は殺せない」
サクラ:「… え……なに? 先生のこと?」
サスケ:「あの時… 泣いてた…」
サクラには、何のことかさっぱりわかりません。
サスケ:「オレは復讐者だ あの男より強くならなきゃならねェ… こんなとこで……」
サクラは自己紹介の時の、サスケの言葉を思い出します。
その時、目覚まし時計が鳴り、時間切れとなりました。無駄話が過ぎたと悔やむサスケ。
結局、丸太行きはナルト。2つの弁当は、サスケとサクラのものになりました。
カカシ先生から合否の判定が出ます。
「ま! お前らは忍者学校に戻る必要もないな」
え?合格? 内心ほっとする三人です。
「じゃあさ! じゃあさ! ってことは3人とも…」
「……そう3人とも… 忍者をやめろ!」
大ショックの三人!!!
結局三人とも鈴は取れませんでした。まだまだ上忍との差は大きいですね。
成績ナンバー1で卒業しているので当然ですが、三人の中で、サスケが抜きん出ています。カカシが想定外だった火遁を使ったり、体術でも本を読む余裕を与えなかったりと、忍術、体術、トラップを仕込む知恵など、総合的にバランスがとれています。
このサバイバル演習では、さらに三人の個性が浮き彫りになります。
ナルトとサスケには、何が何でも下忍になりたい強い動機があります。
サクラは下忍なりたいのではなく、サスケの側に居たいという動機です。
極端に言えば、もしサスケが忍者をやめて違う道を選べば、今のサクラなら、右へ倣えで忍者をやめるでしょう。そもそも、忍者になることの意味を深く考えていないようですし。
こういうタイプは、他人の動向に人生を左右されがちです。要するに主体性がない。
人に合わせて生きていくと、深く自分の人生を考えたり、生き方を問い直したりすることを怠りがちになります。人間はどこかで一度立ち止まって、よくよく考えてみる時期が絶対に必要です。
サクラはまだ子供ですから、主体性を確立するのはこれからでしょう。
ナルトには「里の人達に認めてもらいたい」という強い動機がありますが、すべてにおいて空回りしています。
サスケは、「復讐」とか「殺す」とか、物騒な言葉が口から出てきますね。ナルトとは全く違う動機が、彼を強くしているようです。他の二人にはない、冷たく暗い影を感じさせます。この点で、サスケは他の二人とは異質です。
長い物語も最初から丁寧に読み返してみると、細かい描写や短い台詞の中に、大事な情報が提示されているんですね。
作者は絵が上手い以上に、言葉の使い方が上手いと思います。
(7話は、コミック巻ノ1に収録されています)
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