抹茶みるく日記

感想や日々の雑考のブログです。感想は作品の評価より、自分の思考を深め、得るものがあるかどうかを重視しています。

NARUTO・17話「闘いの準備!!」

「違う…… 何かが変だ…」

 

カカシは、何か重大なことを見落としているのではないかと考え始めます。

 

カカシの様子を見て、ナルトはどうしたのかと声をかけます。

通常、死体処理班は死体をその場ですぐに処理するもの。でもあの少年はどうしたか。

カカシは皆に語ります。

殺した証拠なら首だけ持って帰ればいい。もう一つの問題は、少年が再不斬を殺した武器。

サスケは、ただの千本だったことを思い出します。

 

サスケ:「まさか…」

 

そのまさかだなと、カカシもサスケと同じ結論です。

 

カカシ:「おそらく 再不斬は生きてる!

 

信じられないナルトとサクラは、先生が死んだのを確認したはずだと、カカシに詰め寄ります。

確かに確認はしたが、あれは仮死状態にしただけだと答えます。

千本という武器は、そもそもツボ治療などの医療にも用いられるもので、殺傷能力はかなり低い武器。

まあ、急所に当ればイチコロのようですがね。

死体処理班である追い忍は、人体の構造を知り尽くしているので、仮死状態にするのも簡単なはず。

自分よりかなり重い死体をわざわざ持ち帰ったこと。殺傷能力の低い武器を使ったこと。

この2点から、カカシは少年が再不斬を殺しに来たのではなく、助けに来た可能性が高いと結論づけます。

論理的な頭脳の持ち主です。

 

考えすぎではないのかとタズナは言いますが、1%でも生存の可能性があるなら対策が必要です。

 

カカシ:「いや… クサイとあたりをつけたのなら 出遅れる前に準備しておく…それも 忍の鉄則!」

 

ナルトは目を輝かせて武者震いしています。再不斬が生きていたことを、むしろ喜んでいる感じです。怖じ気づくどころか、闘志を燃やしているナルトを見て、内心カカシは感心しています。

先生はとうぶん動けないのに、準備とは何をするのかと、サクラが尋ねます。

 

カカシ:「お前達に修業を課す!!」

 

サクラは、写輪眼の先生でも苦戦するほどの相手なのに、今さら自分たちが修業しても、たかがしれていると反論します。

しかし、苦戦してるカカシを救ったのはナルト達。お前達は急速に成長していると、カカシは指摘します。

特にナルトが一番伸びていると褒めます。嬉しそうなナルト。

サクラも、確かに前よりはたくましくなった気はすると、不承不承認めます。

カカシが回復するまでの間だけの修業らしいです。

まあ、何もしないよりはマシです。

運良く、仮死状態になった人間が元通りの体になるまで、かなりの時間がかかるそうです。

 

ナルト:「その間に修業ってわけだな! 面白くなって来たってばよ!」

 

ナルトはやる気満々です。

 

面白くなんかないよと言って、子供が入ってきます。ナルト達よりも幼い子です。

この子は、タズナの孫のイナリ。

母のツナミは、助けてくれたナルト達に挨拶するように言います。

しかしイナリは、ガトー達に刃向かって勝てるわけがない、ナルト達は死ぬと、母に伝えます。

その言葉に切れたナルトは、

 

オレは将来 火影というスゴイ忍者になるスーパーヒーローだ!! ガトーだかショコラだか知らねーが! そんなの全然目じゃないっつーの!!」

 

イナリ:「ヒーローなんてバッカみたい!! そんなのいるわけないじゃん!!

 

無言でイナリを見つめるサスケ。

 

死にたくないなら早く帰った方がいいと言い残して、イナリは部屋を出て行きました。

腹を立てたナルトは、イナリの後を追います。

イナリの部屋を見つけますが、中から鳴き声が聞こえます。

 

イナリ:「う… …父ちゃん… うっ」

 

ナルトは、そのまま戻っていきました。

 

ここは森の中。

カカシは松葉杖を突いています。修業開始です。

押忍!と威勢の良い返事のナルト。

その前に、カカシ先生による、チャクラについてのレクチャーが始まります。

 

ナルト:「 あのさ!あのさ! チャクラってなんだったっけ?」

サクラ:「アンタ それでよく忍者やってるわね! 学校で何習ってたのォ!?」

 

ガックリうなだれるカカシ。

難しい授業では寝てばっかりだったからと、ナルトは言い訳します。

ダメだこりゃと、カカシは完全に脱力です。サクラに説明を振ります。(オイオイ)

 

チャクラは、簡単に言うと、術を使うときに必要とするエネルギーのこと。

エネルギーには2つあって、一つは、人体細胞の一つ一つからかき集めて生み出す身体エネルギー。もう一つは、多くの修業や経験によって積み上げられる精神エネルギー。

つまり術は、この2つのエネルギーを体内から絞り出し、練り上げて(これを”チャクラを練る”という)、意志である”印を結ぶ”というプロセスを経て発動される。

さすが、賢いサクラの解説は簡潔にまとまっています。

その通りと、カカシ先生のお墨付き。

 

ナルトは、難しい説明は分からないけれど、そんなことは体で覚えるものだろうと反論します。これにはサスケも同意です。現に、自分たちは術を使えている。

ナルトは影分身の術や変化の術、サスケはサバイバル演習で、火遁の術まで使いこなしています。

 

カカシは否定します。

発動したい術によって、身体エネルギーと精神エネルギーの調合が変わる。

三人はまだ、チャクラを効果的に使えていないと指摘します。

チャクラ量が多ければ良いわけではなく、バランスが大事。

バランスが悪いと、エネルギーの無駄遣いになってしまうというわけです。

それでは長時間闘えない。

 

納得したナルトは、どうすればいいのかと尋ねます。

カカシは、体でコンとロールを覚えるしかないと答えます。

命を張って体得しなければならない、辛い修業を課すそうです。

 

サクラ:「なっ… 何をやるの?」

 

緊張する三人。

 

カカシ:「ん?! 木登り…!!

 

(はあ?)

 

面の少年の行動に釈然としないカカシは、冷静に当時のことを振り返ります。

本来の追い忍が取るべき行動と、少年が取った行動の違いを抽出して分析し、再不斬が生きているという結論に達します。

カカシの思考回路がわかるエピソードです。

この人は論理的思考能力が高い。サスケもこの系統です。

反対に、ナルトはこの能力が低いです。理論を積み重ねるのは苦手で、全体を大掴みで把握して、パッと本質を掴み取るタイプ。

理論派と直感派といったらいいでしょうか。

 

また、三人の中ではサスケが一番口数が少なく、無駄口を叩きません。

内に秘めるタイプのようで、感情もはっきりと出しません。

常に一歩引いて全体を見ている感じ。何を考えているのか、分かりづらいところがあります。

ナルトとサクラは、リアクションが大きくてわかりやすいです。

ただし、サクラの方が勉強ができる分、カカシへの切り返しは鋭いです。

こういった三人の特性もよく表れています。

 

次回は、カカシの言う、”命懸け”の木登り修業です。

 

 

(17話は、コミック巻ノ2に収録されています)

 

 

NARUTO (巻ノ2) (ジャンプ・コミックス)

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