NARUTO・35話「イルカVSカカシ!?」
カンクロウに掴まった木ノ葉丸。
ナルト:「こら! この黒ブタ!! そいつを放さないとこの俺が許さないぞ!! デブ! バカ!!」
相手を煽ってどうすると、サクラはナルトを止めます。
カンクロウ:「オレ… 大体チビって大嫌いなんだ… おまけに年下のクセに生意気で… 殺したくなっちゃうじゃん……」
何だかマズイ雰囲気です。
まずは木ノ葉丸、次にナルトをやるつもりです。
木 ノ葉丸を殴ろうとするカンクロウ。飛び出すナルト。
そのとき石つぶてが飛んできて、カンクロウの腕に当たります。
サスケ:「よそんちの里で 何やってんだてめーは」
木の枝の上にサスケがいます。
歓喜のサクラと、ガックリのナルトです。
いい男じゃないかと、テマリのチェックが入ります。
テマリって面食い?
三代目火影が、今年の新人下忍を担当している上忍を呼びます。
三代目:「どうだ… お前達の手の者に 今回の中忍選抜試験に推したい下忍はいるかな?」
最低8任務以上をこなしている下忍ならば、試験参加の基準は満たしているようです。
しかし三代目の話では、通常はその倍の任務をこなしていないと相応ではないそうです。
後は上忍の先生の判断です。
同席しているイルカは、まだナルト達には早すぎると思っています。
まずカカシに尋ねます。
カカシ:「カカシ率いる第7班 うちはサスケ うずまきナルト 春野サクラ… 以上3名 はたけカカシの名をもって 中忍選抜試験受験に推薦します」
驚くイルカ。
紅:「紅率いる第8班 日向ヒナタ 犬塚キバ 油女シノ 以上3名 夕日紅の名をもって 左に同じ」
アスマ:「アスマ第10班 山中いの 奈良シカマル 秋道チョウジ 以上3名 猿飛アスマの名をもって 左に同じ」
三代目は新人が全員推薦されたので、珍しがっています。
イルカは堪らずに口を挟みます。
推薦された9名の内のほとんどは、イルカが受け持っていた子供達でした。
才能がある生徒ではあるが、受験は早すぎると三代目に訴えます。
上忍の方々の推薦理由が、分かりかねると言います。
カカシは自分が中忍になったのは、ナルトより6つも年下だったと言います。
カカシとナルトは違うとイルカは反発。
イルカはナルトをよく知っているので、一番心配しています。
カカシはイルカの気持ちも言いたいこともわかるが、口出しは無用だと言います。
カカシ:「アイツらは もうアナタの生徒じゃない ……今は…… 私の部下です」
こう言われては、イルカは何も言い返せません。
カンクロウに石つぶてを当てて、木ノ葉丸を助けたサスケ。
サクラはカッコイイとはしゃぎ、木ノ葉丸はナルトにカッコ悪いと言います。
ナルトはまたいいところを、サスケに取られてしまいました。
カンクロウはサスケに、降りてこいと言います。
カンクロウ:「オレは お前みたいな利口ぶったガキが 一番嫌いなんだよ…」
テマリ:「おい カラスまで使う気かよ」
テマリはエスカレートするカンクロウを制止します。
言葉は乱暴ですが、この人は女です。ナルト達より少し年上です。
サスケの背後から「カンクロウやめろ」と声がします。
我愛羅:「里の面汚しめ…」
いつの間に自分の側に来ていたのか、サスケは察知できませんでした。
抜き足のレベルはカカシ並みだと驚きます。
喧嘩で己を見失うとは呆れると、我愛羅はカンクロウに言います。
冷静に状況判断する賢い子です。
カンクロウは、ナルト達が先につっかかってきたと説明します。
我愛羅:「黙れ… 殺すぞ」
我愛羅の一声で、カンクロウは引き下がります。明らかに我愛羅を恐れています。
サスケの心の声
「こいつが頭か… 嫌な目をしてやがる」
我愛羅:「君達 悪かったな」
意外と礼儀正しい子です。
我愛羅はカンクロウに石つぶてを当てた、サスケの実力に注目しています。
2人はお互いを意識しています。
立ち去ろうとする3人に、サクラが声をかけます。
額当てから見て、彼らは砂隠れの忍者。
砂隠れは木ノ葉の同盟国ではあるけれど、勝手な出入りは禁じられているはず。
サクラ:「目的を言いなさい! 場合によっては あなた達をこのまま行かせるわけにはいかないわ…」
お、しっかりしてる。
サクラはサスケがらみだと目がハートになってしまいますが、試験100点満点の頭脳明晰な子だけはあります。
テマリは通行証を見せます。
ナルト達が何も知らないことに呆れています。
彼らは中忍選抜試験を受験しに来たのでした。
ナルトは中忍選抜試験がわかりません。
ここからはテマリの解説。
中忍選抜試験とは、砂・木ノ葉及びそれに隣接する小国内の、中忍を志願している優秀な下忍が集められて行われる試験のこと。
合同で行う主な目的は、同盟国同士の友好を深め、忍のレベルを高め合うこと。
しかしその実、隣国とのパワーバランスを保つ事が各国の緊張を……
テマリが話し終わらないうちに、ナルトがはしゃぎます。
ナルト:「木ノ葉丸ってばよ! オレも中忍選抜試験ってのに出てみよーかなぁ!!?」
自分で質問しておいて、最後まで聞けと怒るテマリ。
つくづくナルトは人の話を最後まで聞きませんね。
サスケ:「おい! そこのお前… 名は何て言う?」
テマリは自分のことかと一瞬喜びますが、サスケに「違う! そこのひょうたんの奴だ」と言われてしまいます。
我愛羅もサスケに名前を尋ねます。
サスケ:「うちはサスケだ…」
2人の間に緊張が走ります。
ナルト:「あのさ! あのさ! オレは? オレは?」
我愛羅:「興味ない… 行くぞ!!」
サスケは面白くなってきたとウズウズしています。
ナルトはしょんぼり。
ナルト:「サスケ!! てめーにゃあ負けねーーーーーーーーぞ!!!」
サスケ:「急に何だ てめーは!」
ナルトなど眼中にないサスケは、いきなりかみつかれて訳が分かりません。
今までの様子を、別の忍達が木の上から見ていました。
他国の忍のようです。
木ノ葉の黒髪(=サスケ)と砂のひょうたん(=我愛羅)は要注意だと話しています。
中忍選抜試験を受験する忍達が、ぞくぞくと木ノ葉に集まっています。
客観的に見て、ナルトとサスケの差は歴然としています。
他里の忍からも一目置かれるのはサスケで、ナルトは完全に無視されています。
サスケも自分とナルトの差を自覚していて、これがのちに2人の間に溝を生む要因にもなります。
この先の物語で、サスケはイタチとの初戦で敗北し、自分の非力さを痛感させられます。
その時期と、ナルトを認めざるを得なくなった時期が重なってしまい、サスケはナルトに対して複雑な感情を抱いてしまうのです。
それからカカシとイルカの違いが、ここでも鮮明に出ています。
もはやイルカは教師という立場を越えて、身内のようにナルトのことを心配しています。
ナルトがダメダメな子だった頃を一番よく知っているのはイルカですから、父のような兄のような気持ちになるのは理解できます。
それに対してカカシは、一歩も二歩も引いてナルトを見ています。
指導者には初心者を育てるのが上手いタイプと、プロフェッショナルを育てるのが上手いタイプがいて、イルカは前者、カカシは後者といえるかもしれません。
アカデミーを卒業した時点で、ナルト達はプロフェッショナルな道へ踏み込んだわけですから、初心者に基礎を教える指導方法とは当然変わってきます。
カカシが言う通りに、もうイルカが口を出せる領域ではなくなっています。
しかし今のナルトがあるのは、イルカのおかげです。
ナルトの人生に最も影響を与えたのは、カカシではなくイルカの方です。
カカシも、三代目火影も、イルカも、皆ナルトに何らかの影響を与えていますが、影響の中身はそれぞれ違います。
NARUTOを読んでいると、周りの大人が子供に及ぼす影響について考えされられることがあって、我が身を振り返ってしまうんですよね。
主人公はナルトですが、周囲の大人も、私にとっては教材になっています。
余談ですが、指導においては、初心者を教える方が難しいとされているそうです。
もちろんプロフェッショナルを育てるのも、相応の高い技量が求められます。
ただしプロフェッショナルになる指導を受ける人は、一定の基礎ができた人達ですし、モチベーションが高いです。
初心者に基礎を教える方が難しくて重要なのだそうです。
(35話は、コミック巻ノ4に収録されています)
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