抹茶みるく日記

感想や日々の雑考のブログです。感想は作品の評価より、自分の思考を深め、得るものがあるかどうかを重視しています。

NARUTO・72話「拮抗…!!」

チャクラコントロールで移動速度を高めた、サクラの攻撃が当たります。

 

ナルト:「さっすがサクラちゃんだってばよ! スゲー! スゲー!」
カカシ:「チャクラを使った基本動作は新人じゃピカイチだな… サクラの奴 充実してるよ」
ナルト:「オレより上手いの やっぱ!?」
カカシ:「ま! そーだ 全身の隅々までチャクラを巡らし それをタイミング良く使う技術… アレだけならサスケよりも上だよ」

 

リーもサクラの動きに感心しています。
「素晴らしい動きです… サクラさん!」

 

サクラといのは体術でぶつかり、離れてから互いに手裏剣攻撃。
手裏剣同士がぶつかり、相手に当りません。互角の闘いです。

 

「こ… この子…いつの間に こんなに強くなったのよ!!」
いのは昔のサクラとは違うことを実感させられます。

「いける! 私だって…」


サクラといのは拳を構えて、互いの顔面にぶつけます。
相手のパンチで2人とも吹っ飛びます。
このままではケリがつきそうにありません。

 

「長いですね……… 10分間は やり合ってる」
審判のハヤテも、ただ成り行きを見守るしかありません。

 

いの:「くっ… アンタが私と互角なんてーーーー あるはずないわよー!
サクラ:「フン… 見た目ばかり気にしてチャラチャラ髪伸ばしてるあんたと…私が互角なわけないでしょ!」
いの:「アンタ! 私をなめるのもーーーーたいがいにしろ!

 

サクラの挑発に乗るいのを、シカマルは心配しています。

 

シカマル:「アイツ何するか分かんねーぞ」
チョウジ:「オレ あんないのイヤ…」

 

いのは、いきなりクナイで自分の髪を切り落とします。
「ヤバイ…カンペキ キレてる!」
シカマルはいのの行動に動揺しています。

 

いの:「オラァアアアアア!! こんなものー!」

 

いのは髪の毛をばらまきます。

 

ナルト:「こ……こわいってばよ…」

 

いのは印を結びます。

 

いの:「さっさとケリつけてやるわ! すぐにアンタの口から 参ったって言わせてやるー!」
シカマル:「…! つーか おいまさか…」
チョウジ「もしかして…」
アスマ:「……!」

 

アスマも身を乗り出します。

 

サクラは印の形から術を予測します。
シカマル達も気がついています。
いのは心転身を使うつもり。
「ったく… あのバカが!」とシカマル。

 

サクラ:「焦る気持ちも分かるけど それはムダよ」
いの:「フン! どうかしらねーー!」

 

忍法・心転身の術は、術者が自分の精神エネルギーを丸ごと放出し敵にぶつけることで、相手の精神を数分間のっとり体を奪い取る術。
しかし重大な欠点もあります。
第1に、術者が放出した精神エネルギーは直線的かつゆっくりしたスピードでしか飛ばないこと。
第2に、放出した精神エネルギーは相手に当らずそれてしまった場合でも、数分間は術者の体に戻れないこと。その間は、術者の本体はピクリとも動かない人形のような状態になる。

 

そもそも心転身の術は密偵用の術で、戦闘向きの術ではありません。
いのがここで使うのは、自殺行為に等しい。
アスマも心配しています。

 

サクラが動き回っていれば怖くはない。術をかわせば、いのが動けない間に、数分間タコ殴りできる。そうなれば、ハヤテが試合を止めざるを得なくなる。
カカシは先を予想しています。

 

いのは「やってみないと分からない」と術を使うつもりです。

 

この術は、戦闘中はシカマルの影真似の術で、相手の動きを止めてから使う連携術。
シカマルはいのの無謀さにハラハラしています。
アスマも「まず当らない」と心配しています。

 

サクラが動きます。

 

シカマル:「バカ! よせ!!」

 

忍法・心転身の術!!

 

ハヤテの目が厳しくなります。
いのもサクラも動きが止まった。
固唾をのんで見守るナルト達。

 

シカマル:「どっちだ…」

 

サクラ:「フフ… 残念だったわね…いの」

 

いのは失敗。万事休すとシカマルとチョウジは悔しそうです。

 

ところがサクラは異変に気づきます。

 

いの:「かかったわねサクラ…」
サクラ:「!」

 

いのはまだ術を発動していませんでした。
いのが心転身の印を結んだのはフェイク。

 

いの:「フーーー やっとつかまえたわ♡」

 

サクラは動けません。
「………まさか……」

 

いの:「フフ… そのまさか… さっきの印を結ぶ行為はただの芝居 ちょろちょろ動くアンタをこの仕掛けに追い込むためのね」

 

いのは切り落とした髪の毛にチャクラを流し込んで特製の縄を作り、罠を張っていたのでした。
いのがキレたのも、全部芝居でした。この子凄い〜!

 

いの:「これでアンタの体に入って『ギブアップ』って言えばおしまい! これで100%ハズれることないでしょー!」

 

心転身の術!!!

 

再び動かなくなるサクラといの。

 

サクラ:「フフ… 残念だったわね…サクラ!」

 

心転身の術成功。サクラの精神は、いのに乗っ取られてしまいました。
サクラ、大ピンチ!

 


いのとサクラの本気対決。

 

頭の良さではピカイチのサクラですが、常に総合力ではいのがリードしており、サクラはその後を追いかけている立場でした。
いのからすると、サクラは本気を出して対等に戦う相手ではなく、自分がかばってあげなくてはならない存在でした。
アカデミー時代はそうであっても、今は卒業して下忍となった2人です。


サクラは「第二の試験」の最中に、ナルトとサスケに頼ってばかりの自分と決別する決意をしました。(53話54話
いのとの対決は、その延長線上にあります。

 

サクラはナルト、サスケ、リー達と出会ったことで、今まで甘えていた自分、忍であることを軽く考えていた自分に気付かされます。
今度はいのに頼って甘えていた自分を越えるために、サクラは彼女との真剣勝負に挑みます。

 

サクラは頭がいいこと以外は、特別な忍術が使えるわけでもなく、目立った活躍はありません。
こういう子って、現実にも意外といます。学校の成績はいいけれど、それ以外に目立つ特徴が見られない子。
でも人間で大切なのは、能力や技術もさることながら、それらを使いこなす精神力や内面性です。
サクラにとって中忍選抜試験は、忍術のスキルを高めるよりも、精神力の向上や、思考の次元を上げるための良き教材になっています。

 

(72話は、コミック巻ノ8に収録されています)

 

NARUTO (巻ノ8) (ジャンプ・コミックス)

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