NARUTO・58話「目撃者…!!」
我愛羅、テマリ、カンクロウの砂の3人が、試験開始からわずか97分でゴールしたことに、試験関係者達は驚いています。
最高新記録を4時間も塗り替える、大記録です。
彼らはもう下忍のレベルでは無い。
アンコ:「それだけじゃないわ…」
アンコは別のことに気がつきます。
試験場の入り口からゴールまでは約10km。
猛獣、毒虫、険しい森を何事も無かったかのように突破した3人。
アンコ:「とくに 手前の茶髪の子…」
我愛羅のことです。
画面に見入る関係者達。
我愛羅の体には傷一つありません。服に汚れさえ付いていません。
中忍でも、無傷で塔までたどり着くことは不可能です。
暗部の忍1:「…おそらく そいつの能力に関係があるんだろう…… 久々に頼もしい奴が出てきたな 嫌な目はしてるが…」
我愛羅の能力とは……。
ビデオが示す時間より遡った、初日「第二の試験」開始約50分後のこと。
46話でトビヒルの性質を上手く使い、ライバルチームを罠にはめたキバ、シノ、ヒナタのチーム。
幸運にも、求めていた「地の書」を手に入れます。強運なチームです。
後は3人揃って、ゴールの塔を目指すだけです。
キバ:「この分じゃ オレたち 塔一番乗りだぜ!!」
シノ:「調子に乗りすぎる… それは 危険だ 敵に遭遇しないよう注意を払う…これが安全だ」
試験開始後1時間も経たずに、天地の巻物が揃ったので、キバはノリノリです。
それに対してシノは慎重。
キバ:「ボス面すんなっての! チームリーダー オレだぞ!!」
ヒナタ:「あ… で…でも シノ君の言うことも一理あると…」
キバ:「分かったよ! ったく!!」
ヒナタは2人の緩衝役みたいですね。この頃のヒナタは、本当に自信なさげな感じです。
ヒナタのチームメイトはキバとシノですが、彼女が心配しているのは別の人。
「…………ナルト君… 無事だといいけど…」
赤丸とキバの鼻が何かを嗅ぎつけます。シノとヒナタに止まるように言います。
キバ:「敵に遭遇しないよう注意すんだろ… だったらヒナタ! あっちの方角1km先見えるか」
ヒナタ:「…うん…見てみる」
白眼
ヒナタの目は透視能力があります。
ひょうたんを背負った姿が見えます。
シノは木に耳を当てて、6人いると察知します。この子も感覚が鋭そうです。
キバは避けるどころか、見に行くと言い出します。
キバ:「試験官は”天””地”一組の巻物を持って来いって言っただけで…それ以上奪うなとは言ってないぜ ここでオレ達が余分にいただけば その分他のチームが脱落するわけだろ」
合格だけを考えれば、余計なことはしない方がよいのですが、キバは好戦的な性格みたいですね。
できれば避けたい2人に、「ヤバければ無理に戦わない」と言います。
キバは強引に2人を従わせます。
戦闘現場へ向かう途中で、キバの相棒の犬、赤丸が怯え出しました。
赤丸は敵のチャクラを嗅ぎ分けて、本能的に力の度合いが分かる犬。
キバ:「この先でやり合ってる奴ら …タダ者じゃねェーぜ」
雨隠れの忍3人と、砂隠れの忍3人が対立しています。
雨隠れの忍1:「砂の餓鬼が… オレたちに真っ向から挑んでくるなんてのはぁ… 愚かだねぇ……死ぬぜ」
我愛羅:「御託(ごたく)はもういい… 早くやろう… 雨隠れのオジサン」
砂隠れの3人は体つきからして、一目で子供だとわかります。雨隠れの3人の方が、明らかに年長です。つまり経験も豊富ということ。
キバ:「あのチビ あんな奴らに絡むなんて 何考えてやがんだ…!!」
赤丸が反応します。
キバが「あのデカイ奴…ヤバイって言ってる…」と通訳します。
カンクロウは3人の誰が天地どちらの巻物を持っているのか、もしくはすでに奪われている可能性があるのか考えます。
カンクロウ:「おい 我愛羅! 後を尾(つ)けて 情報を集めて 狩るのってのがスジじゃん 巻物の種類が同じなら 争う必要は無いし…… 余計な戦いは……」
至極全うな意見です。
我愛羅は「関係ないだろ」と言い返します。
我愛羅:「目が合った奴は… 皆殺しだ」
「だから嫌なんだよ こいつと一緒にいるのは…!!」
カンクロウは困ったという感じです。
雨隠れの忍が先に動きました。
雨隠れの忍1:「死ね ガキ!!」
忍法!! 如雨露千本(じょうろせんぼん)!!!
背中に担いでいた傘を空中に放ち、傘から無数の仕込み千本が、我愛羅に向かって飛んでいきます。
チャクラでコントロールされた千本が、上下左右からターゲットを襲う術。死角がありません。
360°方向から我愛羅に突き刺さる千本。
我愛羅:「それだけか…」
千本が刺さったのは、我愛羅を卵の殻のように覆っている砂の壁でした。
我愛羅は無傷です。
さらに千本で攻撃をする雨隠れの忍。砂が千本から我愛羅を防御します。
カンクロウは黙って成り行きを見守るだけです。
「我愛羅にそんな技が効くわけねーじゃん… コイツに出会った事自体が お前らの不運だよ…」
我愛羅:「千本の雨か……… …じゃあオレは… 血の雨を降らせてやる」
過去最短の97分で「第二の試験」を突破した我愛羅達。
中でも我愛羅は服に汚れさえ付けず、無傷でゴールしています。
特別上忍のアンコや、暗部の忍達も驚く実力です。
その我愛羅の能力が明かされ始めました。
35話でテマリとカンクロウが、我愛羅を恐れているそぶりが見られました。
ここでも我愛羅に対して、カンクロウは遠慮気味です。
見た目からも我愛羅が一番年下なのは分かりますが、チームは我愛羅が仕切っています。
カンクロウが無駄な戦闘は避けて、合理的に巻物を狙おうと考えるのは、合格を目指すなら当然です。
ところが我愛羅の言動は、合格よりも戦闘そのものが目的と思えるものです。
暗部の忍が「嫌な目」と言っていたことも加味すると、我愛羅は危険な人物の匂いがしますね。
キバ達は今年のルーキーでありながら、試験開始早々に、天地両方の巻物を手に入れることに成功します。
実力よりも運の良さと言えますが、「運も実力の内」といえばそうかもしれません。
少々強引で好戦的なキバ、反対に慎重派のシノ、2人の緩衝役のヒナタ。
これはこれで、バランスが取れたチームです。
ナルト、サスケ、サクラ。
シカマル、チョウジ、いの。
キバ、シノ、ヒナタ。
ネジ、リー、テンテン。
それぞれのチームの組み合わせの妙も、この作品を面白くしている大事な要素です。
(58話は、コミック巻ノ7に収録されています)
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