NARUTO・86話「立派な忍者…!!」
(我愛羅):守りきれない… これが人間の動きか……
(リー):ネジ! キミを倒すとっておきの技だったけど 特別 見せてあげます!
ドッ
我愛羅を殴り飛ばすリー。
さらに砂の鎧にヒビが入ります。
砂の盾で防戦する我愛羅。
(テマリ):盾の砂が追いつかない 鎧の砂もかなりはがされた… ヤバイ…
(ガイ):裏蓮華… すなわちそれは 触れることすらできぬ高速連続体術!! 打倒ネジの答えは そのハイスピードコンボ… 砂が追いつくはずがない…!
リーは手の包帯を使って、逃がさないように我愛羅を捉えます。
(リー):この技で最後です!
リー:「はああああ!!」
裏蓮華!!!
ゴドッ
(シカマル):速すぎて何が何だか…
リーの体の節々から異音がします。肉体に相当なダメージが加わっている証拠です。
我愛羅のひょうたんにヒビが入ります。ひょうたんが砂に変わっていきます。
(ガイ):砂でできたひょうたんで…ガードしただと
かろうじてガードした我愛羅ですがダメージが大きく、横たわって起き上がれません。
そのままの体勢で砂を操ります。
58話〜59話で我愛羅の術を見ているシノは、我愛羅のやろうとしていることに気がつきます。
砂がリーの左腕と左足を捉えました。
砂漠柩!!
リー:「ぐわああああ!!」
リーの左腕と左足の、骨が折れる音がします。
倒れるリー。
止めを刺しに、砂がリーに迫ります。
ド バシュッ
我愛羅:「!!」
ガイが砂を払いのけて、我愛羅の前に立ちふさがりました。
ガイの目を見た我愛羅の脳裏に、複数の人々の顔が甦ります。
その中には幼い自分もいます。
ズキン
我愛羅に頭痛が走ります。
我愛羅:「なぜ… 助ける……」
ガイ:「愛すべきオレの大切な部下だ」
(砂の上忍):……我愛羅には到底理解できぬ言葉だな…
我愛羅:「やめだ…」
我愛羅は砂をひょうたんの形状に戻して、立ち去ります。
ハヤテ:「勝者 我愛羅!」
いの:「え!」
我愛羅:「!」
リーが起き上がります。体中からきしむ音が聞こえます。
(カカシ):五門を開けて…手足までつぶされたのに 立てるハズが…
ガイ:「リー もういい終わったんだ お前はもう立てる体じゃない… !」
リーの体を支えたガイは、りーが既に気を失っているのを知ります。
涙を流すガイ。
(ガイ):…お前って奴は… 気を失ってさえもまだ… 自分の忍道を証明しようというのか… リー…お前はもう 立派な忍者だよ…!
ガイはリーを抱きしめます。
じっと見つめる我愛羅。
リーにとっての夢は、「努力が天才を上回ることを証明すること」。それはリーの忍道であり、忍道を貫くことはリーの幸せでもあります。
幸せとは「自分が感じるもの」であって、実は他人がどう思うかは、全く関係がありません。
この点を勘違いしている人は、意外と多いです。
他者からの評価を幸せの基準にしている人は、他人の思惑に自分の人生が振り回されます。
厄介なのは、本人がそれに気がついていないことです。
NARUTOでは、自分の生き方、夢、希望の象徴として、「忍道」という言葉が使われています。
ヒナタがそうであったように、リーも試合に負けています。
でも二人は自分の忍道を貫きました。
客観的に見れば「本選に進めなかった負け組」ですが、自分の夢、希望、志(こころざし)は捨てていません。
二人の心には「忍道を曲げなかった」という矜恃が残りました。
のちのエピソードでネジに負けたヒナタが、「人からは変わらないように見えるかもしれないけど、自分は変わったように思える」という発言をしています。
これが本当の幸せではないかと、私は思うのです。
人には分からなくても、自分が感じる充実感、達成感、喜び。
目に見えるもので下される評価に振り回されることなく、自分にとっての幸せとは何か、それを掴むにはどうするのかを考えて、実行することが大切だと思います。
この後リーには、さらに試練が待っています。ここで彼が負傷を恐れて手を抜いて負けていたら、同じ負けでも、自分で自分に「ダメ人間」のレッテルを貼っていたでしょう。
それでは心が萎えて、この後の試練に立ち向かうことは不可能だったと思います。
リーはこの技を、ネジとの試合で使いたかったと言っています。
裏蓮華でネジと戦うリーを、見てみたかったですね。
(86話は、コミック巻ノ10に収録されています)
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