NARUTO・81話「我愛羅VS…」
倒れているヒナタの側にナルトがいます。
ネジ:「しょせん落ちこぼれは落ちこぼれだ…変われなどしない!」
立ち上がって、ネジを睨みつけるナルト。
そして、リーも。
ナルト:「試してみるか…」
ネジは鼻で笑います。
ナルトの怒りが爆発。
ネジに猛ダッシュします。
ザッ
ナルト:「…なっ…!」
リー:「ナルトくんの気持ちは痛いほどわかります…! ……しかし勝負はちゃんとした試合で行うべきです!」
リーはナルトを制します。
リー:「落ちこぼれが天才を努力の力で打ち負かす………本戦が楽しみじゃあないですか… もっとも彼の相手は ボクかも知れませんがね……!」
リーはナルト以上に、ネジ打倒のため努力を重ねてきています。
リーの思いが伝わってきます。
リー:「………もしそれがナルトくんの方だったとしても……恨みっこ無しです!」
ナルトは不承不承ながら引き下がります。
リーは親指を立てて、ガイ先生にナイスガイポーズ。
(ガイ):リー お前って奴は…ナイスだぞ!!
教え子がその場を上手く収めたことに、ガイは満足そうです。
リーは、なかなか大人です。
倒れているヒナタが吐血します。これはかなりの重症。
このままではあと10分も持たないと、医療班が大急ぎで緊急治療室へヒナタを運びます。
ナルトは担架で運ばれていくヒナタの顔を見て、試合で何度も立ち上がったヒナタのことを思います。
(ヒナタ):私も…それが忍道だから…!
ヒナタが吐血した血を、ナルトは自分の手につけて……。
(ナルト):約束するってばよ……!!
ヒナタの血がついた右手を拳にして、ネジに向けるナルト。
ナルト:「ぜってー 勝つ!!」
ネジ:「フン…」
階上で観戦している砂の忍達。
カンクロウはナルトのことを、「身の程知らずで、レベルの違いに全然気付いてない」と酷評しています。
(カンクロウ):…これでここにゃ 化物(ばけもの)が2人ってわけか……うちの方がタチが悪りーけどな…
ネジを凝視している我愛羅を見て、カンクロウは我愛羅の中にいる「魔物」が、うずき出していると気がついています。
同時に、ネジがまるでダメージを受けておらず、まだ力を隠していると警戒します。
カンクロウは本戦に備えて、ネジの情報収集をすることにしました。
ターゲットはアホのナルト。
カンクロウ:「オイ…!」
ナルト:「!」
カンクロウ:「お前 面白い奴じゃん…気に入ったぜ…」
ナルト:「お前 面白くねーじゃん 気にいらねェーってばよ!」
カンクロウ:「ブッコロスゾ 何を根拠に!」
ナルト:「何だってばよ!?」
ナルトは、さきほどからのイライラが、まだ収まりません。
カンクロウ:「オウ…! あのな…あの日向ネジとかいう奴のことなんだけどな…」
ナルト:「!」
ナルトの脳裏にネジの顔が浮かびます。
ナルト:「オレがぶっ倒す!!」
カンクロウ:「…イヤ 誰もそんなこと聞いてんじゃ…」
会話が全く噛み合いません。
ハヤテが次の試合を発表します。
残るは、我愛羅、ドス、チョウジ、リーの4人。
ガイは「そろそろお前の番だ」と、リーに声をかけます。リーは「ここまで来たら、最後のトリがいい」と言い出します。
シカマル:「おいチョウジ お前やべーぜ あと強えーのしか残ってねーもんよ! どーする…? 特にあの砂のヤローは目がヤベー! ああいうのが一番ヤバイんだぜ!」
シカマルはやはり鋭いですね。
チョウジは「すぐに棄権するからいい」と言います。
アスマ:「…ってことは 試験終わったら焼き肉食い放題ってのはナシだな」
シカマル:「食いものなんかでつるなよ オイ……」
チョウジ:「そ…そんなぁ…」
アスマ:「なーに…ヤバくなったらヒナタの時みたいに オレが止めに入ってやるよ…なっ!」
いの:「そーよ! チョウジもガンバリなー! 先生もこう言ってんだしーー!」
(シカマル):…どうだかなぁ…… つーかヒナタの時 木ノ葉のセンコーで止めに入んなかったのあんただけだろ…! 大丈夫だろうなチョウジの奴…
焼き肉の威力は凄い。チョウジは焼き肉ゲットのために、棄権しないことにしました。
電光掲示板を見つめる4人。
ガアラ VS ロック・リー
我愛羅はすぐさま、試合会場へ降りていきます。
リーは「トリがいい」といったのはウソで、望んだことは外れるという法則を逆手に取ったと言います。
ガイのアドバイスは「あのひょうたんが怪しい」。
二人の会話を聞いて、サクラは大丈夫かと心配しています。
階下へ飛び降りるリー。
リー:「早々とアナタと闘(や)れるなんて 嬉しい限りです…」
我愛羅:「……フン」
何度も棄権を迫るネジに対して、ヒナタは一歩も引きませんでした。
試合には負けましたが、ヒナタは「まっすぐ自分の言葉は曲げない」を実践しています。
現実的には、ネジはヒナタよりスキルが勝っていますが、精神的にはヒナタの方が勝っています。
今の自分の状況について、ネジは「諦めている」が、ヒナタは「諦めていない」。
おとなしくて目立たないヒナタは、アカデミー時代から誰が見ても、強くて優秀な忍にはとても見えなかったでしょう。
ネジがヒナタを見下しているように、里の大人達もナルトを見下してきました。
ヒナタが自分を変えたくて、中忍選抜試験の出場を決めた心の内を、ナルトは自分のことのように感じています。
ナルトの他人の苦しみに共感できる力は、物語の随所で見られます。
現代のイジメが横行する背景には、ナルトのように他人の痛みや苦しみに共感する力が、子供達から失われているのが、原因の一つではないかと思います。
大人として未成熟なまま親になっている人が増えて、子供達は甘やかされていたり、反対に虐待されたりして、他人の痛みや傷を思いやる機会が奪われている気がします。
NARUTOは、ナルト達を取り巻く大人が、子供達に関わる様子から学ぶことがあり、私も反省させられる時があります。
そういう視線でNARUTOを読むのも面白いです。
リーもネジの言葉には憤りを感じていますが、ナルトとは少し違います。
リーにとってのネジは、ナルトにとってのサスケと同じ立ち位置です。
リーはネジをライバルとして目標にしていますが、チームメイトとしても同じ班で活動しています。
ネジついてはナルトより情報を持っているだろうし、彼の良いところも知っていると考えてもおかしくありません。
ネジの言葉には腹が立っていても、どこか冷静さが見られるのはそのせいかもしれません。
80話でカカシが「今のサスケでも、まるで相手にならない」と思うほど、ネジの実力は突出しています。
今の木ノ葉で最強の下忍というのは、ウソではなさそうです。
カンクロウが本戦対策のため、ナルトからネジの情報を取ろうとしますが、狙った相手を間違えましたね。
ナルトは人の話を聞かない子だし、ちょうど苛ついている時だったのでタイミングも悪かった。そもそもナルトは、ネジの情報をほとんど持っていません。
ただ気さくに話しかけるカンクロウに、ちょっと驚きました。この子は案外、人づきあいがいいタイプかも。
次は我愛羅 VS リー。
2人とも満を持しての登場。やる気十分です。
(81話は、コミック巻ノ9に収録されています)
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