NARUTO・59話「砂の惨劇!!」
我愛羅を取り巻く砂の壁で、雨隠れの忍の攻撃は全く通用しません。
キバ:「何て でけーチャクラだ それに… あの砂…すごい臭いがしやがる…」
シノ:「臭い−−−?」
キバ:「強い 血の臭いだ」
キバは犬並みに鼻が利いています。この子の能力です。
我愛羅はひょうたんの中の砂を操り、膨大なチャクラで固めて我愛羅の体の周囲を防御する。
しかもなぜかそれは、我愛羅の意思とは関係なく自動で行われる。
カンクロウにもオートマチックな防御の秘密は分からないようです。
如雨露千本の術は厚さ5ミリの鉄板でさえ貫く力がありますが、それを防御する砂の壁は相当に強力です。
砂による絶対防御。
雨隠れの忍が我愛羅に突進します。
それを見るめるカンクロウ。
「死んだな…こいつ…」
我愛羅が印を結びます。
砂漠柩(さばくきゅう)
雨隠れの忍は全身を砂で覆われていきます。
「くっ… ……動けねェ………」
テマリ:「大気中や地面にまかれた砂は 我愛羅の意思のままにコントロールできんだよ」
我愛羅は敵が落とした傘を拾って差します。
片手で砂を操る我愛羅。
我愛羅が開いていた手のひらをグッと握りしめると……、
砂漠葬送(さばくそうそう)!!
砂が圧縮されて血が噴き出します。
閉じ込められた忍は圧死してしまいました。
辺りに血の雨が降り注ぎます。
我愛羅:「苦しみは無い 与える必要も無いほど圧倒したから…」
苦しむ間もなく潰されたわけですか……恐ろしい。
残りの忍達は巻物を差し出して、命乞いをします。
ところが我愛羅は、同じ術で2人を瞬殺。
影から見ていたキバ達は、危険を感じます。
キバ:「ヤ… ヤバイ… 早く逃げるぞ! 見付かったら殺される!!」
雨隠れの忍が持っていた巻物は、都合良く我愛羅達が持っていない「天の書」でした。
これで巻物は揃いました。後はゴールを目指すだけです。
カンクロウが塔へ行こうと促します。
我愛羅:「黙れ」
嫌な予感がするカンクロウ……。
我愛羅:「まだ… 物足りないんだよ……」
キバ達の存在は、我愛羅に気付かれていました。
カンクロウは我愛羅を止めます。
巻物は一組あればいい。我愛羅は大丈夫でも、戦えば自分達は危険な目に遭う。
余計な戦いは避けて、ゴールを目指すのは当然の判断です。
我愛羅:「愚図が オレに指図するな」
さすがにカンクロウも頭にきたようです。我愛羅の胸倉を掴みます。
カンクロウ:「いい加減にしろ! たまには……兄貴の言うことも聞いたらどーなんだ 我愛羅!」
我愛羅:「お前らを兄弟と思ったことはない… 邪魔をすれば…殺す」
我愛羅は術を発動しようとします。
テマリ:「我… 我愛羅 やめなよ… ね! そんな冷たいこと言わないでさ…… 姉さんからもお願いするから… ね!」
兄弟でしたか、この3人。
砂がキバ達3人のところへ飛んできました。
大ピンチの3人。
我愛羅は砂をひょうたんの中へ収めます。
テマリは困った顔で我愛羅を見つめます。
「チィ… だから ガキは嫌いなんだよ……」
カンクロウもテマリも、我愛羅を持てあましています。
難を逃れたキバ達。
キバの懐の中で、赤丸が泣いています。
キバが通訳します。
「赤丸は砂のチビに あのデカイ奴が殺されるからヤバイって言ったんだ」
キバ:「とにかく… 砂隠れのチビ… 何者かは分からねーが…… あいつはヤバすぎる…」
我愛羅が手を伸ばして拳を握ると、砂に閉じ込められた敵が押しつぶされる描写は、目を背けたくなるような絵です。
試験の目的を考えれば、相手が巻物を差し出した時点で、戦闘終了のはずです。
命乞いをする残りの2人まで、始末してしまう我愛羅。
それでも「物足りない」と言うのは、戦うこと自体を目的としているとしか思えません。
性格的に危ないものを感じさせますね。
兄と姉でありながら、弟の我愛羅に気を遣う……というか、怖がっているように見えるテマリとカンクロウ。
この兄弟の関係も微妙です。
カンクロウには抵抗を示した我愛羅ですが、テマリの言うことは渋々聞いていたところを見ると、姉さんには弱いのかな。
他国の忍達の人物像と能力も、開示され始めました。
余計な寄り道をしたばかりに、命の危険に晒されたキバ達。
せっかく試験開始早々に巻物をゲットしたのですから、素直にゴールを目指すべきでした。
物事には積極的に出るべき時と、慎重になるべき時があります。
この辺りの状況判断が、キバが強引に仕切っているこのチームでは、まだ上手くいっていません。
ポイントは、キバがもう少し大人になることかな。
積極派のキバと慎重派のシノ、2人の間を取り持つヒナタ。
3人の連携がもっと良くなると、引く時と進む時のバランスが、上手く取れるようになると思います。
(59話は、コミック巻ノ7に収録されています)
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