NARUTO・33話「英雄の橋!!」
ガトーを仕留めた再不斬。彼も起き上がれません。
初めて見る悲惨な光景に、ナルトは呆然とするばかりです。
カカシ:「目を背けるな 必死に生きた男の最後だ」
そのころ……。
冷たくなったサスケにすがって泣き続けるサクラ。
サスケ:「……サクラ… 重いぞ……」
唖然とするタズナとサクラ。
死んだはずのサスケが目を覚まします。サスケは2人を見ますが、状況が把握できません。
サクラ:「サスケくーーーーーん!! サスケくん サスケくん!!
わぁああああああああ!!」
サクラはサスケに抱きついて大泣きです。
サスケ:「サクラ…痛てーよ……」
サクラ:「あ! ご…ごめん…」
サスケはナルトと白のことを尋ねます。
ナルトは無事、お面の子は死んだとサクラが答えます。
一瞬ナルトが白を倒したのかと驚くサスケですが、再不斬をかばったことを知ります。
サクラはサスケが致命傷を避けて戦っていたことに感心します。
サスケは否定します。
サスケは白が最初から、仮死状態にするつもりでいたことに気がつきます。
やはり白はナルト達を殺せなかったのです。
サクラはサスケが無事なことをナルトに伝えます。
振り返ったナルトは、立ち上がってナルトに手を上げているサスケを見つけます。
涙がこみ上げるナルト。
ナルトも白が自分たちを殺すつもりはなかったことに気がつきます。
白の優しさを改めて実感するナルトでした。
金づるのガトーを殺されて、ガトーが引き連れてきた大勢の部下達が荒れています。
ナルト達もろとも町を襲って、金目の物を奪うつもりです。
カカシは写輪眼や口寄せや雷切の大技を使いすぎて、チャクラを消費し過ぎました。
バテバテで戦闘力が低下しています。
そこへ援軍が駆けつけます。武器を持ったイナリと町の人々です。
ナルト:「イナリィ!!」
イナリ;「へへッ ヒーローってのは遅れて登場するもんだからね!!」
ナルトの口まねをするイナリです。
ナルトも影分身で加勢します。
カカシも残り少ないチャクラで、可能な限りの影分身を出します。
戦えるほどのチャクラはないので、これはハッタリ。
数で圧倒された部下達は、戦わずして逃げていきました。
敵が去った後、虫の息の再不斬は、カカシに最後の頼みをします。
再不斬:「……あいつの…… 顔が…見てェんだ……」
季節はずれの雪が降ってきました。
カカシは再不斬を白の隣へ運びます。
白の顔を見つめる再不斬。ずっと自分は白の側にいた。最後も白の側で。
再不斬:「…できるなら… …お前と…同じ所に…行きてェなぁ… …オレも…」
雪がしんしんと降っています。
雪が白の顔も落ちてきます。溶けた雪が白の涙のよう。
ナルト:「…コイツ…雪のたくさん降る村で生まれたんだ……」
カカシ:「そうか… …雪の様に真っ白な少年だったな……」
ナルトは涙が止まりません。
カカシは2人で一緒にいけると、心の中で再不斬に語りかけるのでした。
それから2週間後。
サスケも回復したようです。
再不斬と白の墓に参るナルト達4人。
木で作った2つの十字架に花輪が架けられています。
一緒に再不斬の大刀・首切り包丁が、墓標のように土に刺して立てられています。
サクラは忍者の在り方とは、再不斬達が言っていた通りなのかとカカシに尋ねます。
カカシは忍は自分の存在理由を求めてはいけない、国の道具として存在することが大切なのは木ノ葉でも同じだと答えます。
ナルト:「本物の忍者になるって 本当にそういうことなのかなぁ… なんかさ! なんかさ! オレってばそれ やだ!!」
ナルトは疑問は本質をついています。
サスケ:「アンタもそう思うのか?」
カカシ:「んーーーーいやな… だから忍者って奴は皆 知らず知らずそのことに悩んで生きてんのさ… ……再不斬や…… あの子のようにな……」
じっと黙っているナルト。
ナルト:「よし 今決めたってばよ!! オレは オレの忍道を行ってやる!!」
橋が完成しました。ナルト達の任務は終了です。
別れを惜しむタズナ達。ナルトもイナリも泣きたいのを我慢しています。
別れた途端に涙を流す二人。
タズナはナルトがイナリの心を変え、イナリが町の人々の心を変えたと言います。
タズナは完成した橋に名前をつけます。
ナルト大橋
タズナ:「この名はな… この橋が 決して崩れることのない…そしていつか世界中にその名が響き渡る超有名な橋になるよう… そう願いを込めてな…」
木ノ葉へ向かうナルト達。
ナルトは早く帰って、イルカ先生にラーメンをおごってもらうと張り切っています。
サクラは里へ帰ったらデートをしようとサスケを誘いますが、サスケは断ります。
ナルトは自分なら構わないといいますが、サクラは却下。
里に帰るまで面倒を見るカカシは大変そう。
ナルトの生き方や考え方は、波の国の人々だけではなく再不斬をも変えていきます。
本人に全く自覚はありませんが、他者に影響を与えていく子です。
もしかするとこれが、ナルトの最大の武器なのかもしれません。
物語が進行するにつれて、ナルトと関わることで、生き方や考え方を変えた人達が登場します。
1人で何でもやろうとしたイタチも、ナルトに出会って「ナルトに託す」という選択肢を得ています。
間接的に影響を受けた人も含めると、ナルトがきっかけになって方向転換した人物は多くいます。
それはナルトが「世の中こんなもんだ」と開き直らず、真っ直ぐさを失わないこと、色眼鏡を掛けずに人の本質を見て、受け入れる懐の深さを持っていること、これに尽きると思います。
サスケは自分から心を開かない子です。
カカシに対しても、ナルトとサクラは「カカシ先生」と呼んでいますが、サスケは「アンタ」と呼んでいて、決して「先生」とは言いません。
復讐をするためには、誰よりも強くならなければならないサスケです。
サスケは「先生」も越えるべきライバルと見ている気がします。
年長者で経験値も上の人から、自分が知らない技や知識は吸収するけれども、「先生」として敬う存在はいないと思っているのでしょう。
大蛇丸に対してもそうでしたね。
そんなサスケが復讐に囚われて闇落ちしても、方向転換することができたのは、イタチの真実を知ったこともありますが、ナルトと知り合ったことが大きかったと思います。
闇落ちした自分を、ずっと友達だと思い続けてくれていたナルトの存在は大きいはずです。
再不斬と白に出会ったことで、ナルトは大事なことを学びます。
自分は忍者としてどう生きていくのか。
ナルトが「忍道」と言っているものがそれです。
ナルトは困難に遭遇すると、あるときは「忍道」を思い出し、あるときは「忍道」を自分に言い聞かせて乗り越えていきます。
”波の国任務”はナルトに生き方の方向を決めさせた、重要なエピソードです。
そして”波の国任務”から約四年後、首切り包丁を探している水月を連れて、サスケは再びこの地を訪れることになるのです。
(33話は、コミック巻ノ4に収録されています)
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