NARUTO・18話「修業開始」
「木登りー!!?」
疑り深そうなサスケ。
つまんなさそうと思うナルト。
そんなことが修業になるのかと思うサクラ。
三人三様の反応です。
ただの木登りではない、手を使わないで登ると、カカシは説明します。
サスケ「!」
ナルト「おもしろそ〜〜〜!」
サクラ「?どうやって……」
三人三様で面白い。
カカシ先生が手本を見せます。
松葉杖を突いたまま、まるで道を歩くように木を登っていきます。
三人とも目がパチクリ状態です。
サスケのこういう表情は珍しいです。可愛いよ、サスケ♡
子供の頃って、みんな可愛い。
チャクラを足の裏に集めて木の幹に密着させると、こんなこともできるぞという見本です。
木登りを覚えて何で強くなれるのかと、サクラが鋭い突っ込みを入れます。
この修業の目的は2つ。
1.チャクラのコントロールを身につけること。
2.足の裏に集めたチャクラを維持するスタミナを身につけること。
コントロールとは、練り上げたチャクラを必要な分だけ必要な箇所に集めること。
これが術の発動に最も肝心なポイントですが、熟練の忍者でも難しいそうです。
特に足の裏は、チャクラを集めるのに最もむずかしい部位とされているので、さらにハードルが高くなります。
理論上は、コントロールを極めれば、どんな術でも体得可能になるそうです。
コントロールされたチャクラを、そのまま維持するのはもっと大変らしい。
元々忍者がチャクラを練るのは、絶えず動き回る戦闘中です。
その状況下で、チャクラのコントロールと持続を両立させるのは、かなり難易度が高い技術。
しかし、それを身につけなければレベルアップは不可能です。
その技術を、木登りで習得させようというわけです。
カカシはクナイを三人に渡します。自分の力で登り切れる高さの所に、クナイで目印を付けて、次はさらに上に印を付けられるように心掛けろと指示します。
初めから歩いて上れないので、最初は走って勢いにのったり、飛んだりしてもOK。
17話で先生から褒められたナルトは、こんな修業は朝飯前だと張り切ります。
今一番伸びている男だと自画自賛です。
ジト目のサクラと無言のサスケ。
たぶんサスケは、「何言ってんだ、このウスラトンカチ」と思ってます。
カカシ:「ごたくはいいから お前ら 早くどの木でもいいから登ってみろ」
まずは、足の裏にチャクラを集める。
三人とも集中します。
木に向かって、一斉に走り出す三人。
木に片足をかけただけで、すっころぶナルト。
途中まで登ったが、はじき飛ばされて落ちるサスケ。
サスケは、一定のチャクラを維持することの難しさを痛感します。
チャクラが強すぎると、さっきの自分のようにはじかれる。
弱すぎるとナルトのようになる。
サスケはすぐに状況を理解します。この子の頭の回転の早さと、思考回路はカカシタイプ。理論派ですね。
カカシは、一歩も登れなかったナルトと、ある程度登れたサスケを比べて、今の二人の実力差を再認識します。
サクラ:「案外カンタンね!」
おお、伏兵がいました!
サクラは二人より遥かに上まで登り、枝に腰掛けて笑っています。
カカシ:「今一番チャクラのコントロールがうまいのは、どうやら女の子のサクラみたいだな…」
チィと悔しがるサスケ。
さすがはオレの見込んだ女と喜ぶナルト。
サスケ君に認めてもらいたいのに、ナゼいつもこうなるのかと、サクラはがっかりです。
カカシは、さっきのチャクラの知識といい、コントロール、スタミナともになかなかのものだと、サクラを褒めます。
誰かさんと違って、火影に一番近いのはサクラかな、うちは一族もたいしたことないねと、ナルトとサスケを挑発します。
サクラはカカシに「うるさい」と釘を刺します。「サスケ君に嫌われちゃう」と気にしています。乙女だなー。
しかし、二人の潜在的なチャクラ量は、サクラとはくらべものにならないほどある。
この修業が成功すれば大きな財産になると、カカシは期待します。
物陰からイナリが様子を伺っていました。
「あんなことしてもムダなのに…」
イナリの胸中は複雑です。
仮死状態から回復するまで、再不斬はアジトで休んでいます。
そこへ、ガトーが部下を連れて現れました。
アンタまでやられるとは何事だと、文句を言いに来たようです。
ベッドに横たわっている再不斬は、意識はありますが動けないようです。
ガトーが再不斬に近づき、手を伸ばそうとしたとき、仲間の少年、白(ハク)がその手を押さえます。
白:「汚い手で 再不斬さんに触るな……」
二人の部下が動きます。瞬時に白が二人の刀を奪って、刃を二人に向けます。
白の移動の速さに、部下達は「化け物か」と驚きます。
カカシが思ったとおり、この子はただ者ではありません。
ガトー達は冷や汗をかきながら、次に失敗すれば居場所はないと言い残して、去って行きました。
白はにっこり笑って、ガトーを殺して騒ぎを起こせば、また奴らに追われる、今は我慢の時だと再不斬に言います。再不斬も納得します。
木登り修業が続いています。
三人ともバテバテです。
一番バテているのはサクラ。やはり潜在的なチャクラ量の差が出たようです。
がんばっている割に、ナルトはあまり進歩が見られません。
サクラは、そろそろナルトがあきらめて、ダダをこね始める頃だと予測します。
ナルト:「くそ!」
サクラが案の定だと思っていると、ナルトが近寄ってきました。
ナルトは神妙に、サクラにコツを教えて欲しいと頼みます。
カカシの分析では、圧倒的にチャクラ量が多いのはナルト。
サスケ以上、さらにカカシをも越えるチャクラ量を秘めている。
ナルトがどこまで強くなるか、カカシも期待しているようです。
カカシが回復するまでの間、チャクラコントロールの修業をすることになったナルト達。
予想外だったのは、初めてなのに、サクラが簡単に木に登ったことです。
チャクラ量では他の二人より劣るサクラですが、チャクラコントロールでは抜群の能力を見せます。
サスケは、ある程度コントロールが出来るようですが、サクラほどではありません。
しかし、チャクラ量ではサクラを上回っているので、スタミナがあります。
それに分析できる頭脳を持っているので、自分で考えて工夫していくでしょう。
この子は頭脳、忍術、体力のバランスが取れています。
ナルトは、はっきり言って不器用です。
圧倒的なチャクラ量によるスタミナがあるので、がむしゃらに動くのは得意です。
しかし考えないタイプなので、コントロールする技術をマスターするのは難しそうです。
ただしコントロールできれば、大化けする可能性を秘めています。
18話で注目したいのは、ナルトが切れずに、サクラに教えを請うているところです。
努力しても上手くいかないときは、できる人に頭を下げて、素直に学ぶことはとても重要です。しかしプライドが高いと、なかなかそれができません。
ナルトの強みは膨大なチャクラ量と、格好をつけないこと、そしてあきらめない根性です。
三人の能力の特性は、これから先の物語のベースにもなります。
サクラはのちに医療忍者への道を切り開き、チャクラコントロールによる怪力を手に入れます。
サスケはオールマイティ型。高度な体術や忍術と共に、高い分析力と判断能力を兼ね備えた忍者に成長します。三人の中では、一番カカシに似ているタイプでしょう。
ナルトは圧倒的なスタミナを武器に、彼でなければ体得できない術をものにしていきます。
人にはそれぞれの個性があります。実際に長所を伸ばしていくことが、将来その子の強みになることが多いです。
三人の成長もその視点で眺めていると、なるほどと思わせられます。
現実の世界でも、周りの大人達が、人と比較して優劣を競うのではなく、その子の特性を見極めて強みを活かした生き方を選べるように、子供達を支えてあげて欲しいと思います。
もう一つの注目点は、再不斬と白の関係です。この二人の間には、親分と手下の関係とは違う繋がりを感じます。
白の笑顔は本当に愛らしい。再不斬は白に癒やされている面がありそうな気がしますね。
この子が再不斬と行動を共にしている理由は、18話では明らかになっていません。
再不斬は一見残忍そうですが、自分の感情を上手く表現できない不器用な人なのかも。
NARUTOは、ちょっとした表情や台詞でキャラクターを立体的に見せてくれます。
じっくり読み込むと、いろいろな情報が読み取れて、思考が広がるのが楽しいです。
(18話は、コミック巻ノ3に収録されています)
NARUTO―ナルト― モノクロ版 3 (ジャンプコミックスDIGITAL)
- 作者: 岸本斉史
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 2012/09/21
- メディア: Kindle版
- この商品を含むブログを見る
NARUTO―ナルト― カラー版 3 (ジャンプコミックスDIGITAL)
- 作者: 岸本斉史
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 2012/12/29
- メディア: Kindle版
- この商品を含むブログを見る