NARUTO・65話「命懸けの戦い!!」
「第二の試験」を通過した受験者達が集合します。担当上忍の先生達もいます。
通過したのは7チームの21名。
ルーキー3チームは全員通過。皆ボロボロです。
1期上のネジ達も通過。ネジはあまり傷ついていませんね。
大蛇丸の部下の音忍ドス達も通過。
カブトは顔の傷を治しているのに、わざわざ絆創膏を貼っています。カムフラージュかな。
我愛羅はもちろん無傷。
ということは、通過したのは、
木ノ葉隠れ
ナルトチーム
キバチーム
シカマルチーム
ネジチーム
カブトチーム(実は音隠れのスパイ)
音隠れ
ドスチーム
砂隠れ
我愛羅チーム
の7チームです。
ガイはカカシに、お前のチームもなかなかやるが、オレのチームがいるかぎりこれ以上は無理だ、と言います。
カカシはガイの話を全然聞いていません。
パスした受験者達の心の声。
チョウジ:「腹減った−!」
シカマル:「まだ こんなに残ってんのかよ クソめんどくせ−−!」
いの:「サスケくんたちも合格してる−−♡」
テンテン:「へー あれがガイ先生の永遠のライバルね… ビジュアル的にはガイ先生 完璧に負けだけど…」
リー:「やはり先生方の中で ガイ先生が一番ナウいです! 光ってます! よぉ〜〜〜し…見ていて下さい ガイ先生! ボクも光ってみせます!!」」
ネジ:「やはり めぼしいところがそろったな… うちはサスケか…」
ザク:「腕のお返しはしてやるぜ… うちはサスケ…」
音隠れの担当上忍らしき人がじっと見ています。
カブトが何かに反応しています。
テマリ:「26チーム中 たった7チームしか残らないとはな…」
砂隠れの担当上忍:「やはり無傷か… 我愛羅」
紅:「赤丸の様子が変ね…」
キバの懐の中で赤丸が小さくなっています。
キバ:「砂のやつら…」
ヒナタ:「ナルトくんも合格したんだぁ… 良かったぁ…」
サクラ:「何よ 木ノ葉のルーキーみんないるじゃない」
ナルト:「なんかさ! なんかさ! 火影のじーちゃんにイルカ先生にカカシ先生に激眉までいるってばよ みんな勢ぞろいって感じだな!」
激眉ってガイ先生のことか。
サスケ:「フッ… あんまりいい予感はしねーな…」
サスケは首筋に痛みを感じています。
三代目は残ったのがほとんど新人達なので、感心しています。
上忍の先生達が推薦するだけのことはありました。
三代目が「第三の試験」について説明します。
試験を始める前に、この試験の真の目的についてはっきり告げておくと言います。
なぜ同盟国同士が合同で試験を行うのか。
それは、この試験はいわば、同盟国間の戦争の縮図だから。
今の同盟国は、元々勢力争いを続けた隣国同士。
互いの無駄な戦力の潰し合いを避けるために設けられた戦いの場が、中忍選抜試験の始まりだった。
この試験は中忍に値する忍を選抜するためのものではあるが、一方で国の威信を背負った各国の忍が、命懸けで戦う場でもある。
「第三の試験」には各隠れ里に仕事の依頼をする諸国の大名や、著名人が大勢招待される。
国力の差が歴然となれば、「強国」には依頼が殺到し、「弱小国」は依頼が激減する。
同時に隣接各国に対して「我が里はこれだけの戦力を育て有している」という、外交的、政治的圧力をかけることができる。
国の力は里の力、里の力は忍の力。忍の本当の力とは、命懸けの戦いの中でしか生れてこない。
本当に命懸けで戦う試験だからこそ意味があり、先人達も「目指すだけの価値がある夢」として中忍試験を戦ってきた。
忍の世界での「友好」とは、命を削り戦うことで、力のバランスを保ってきた慣習のこと。
「第三の試験」とは、己の夢と里の威信を賭けた、命懸けの戦い。
受験者達は「第三の試験」の重さと、忍世界の厳しさを知らされます。
ナルト達にとっては、世の中がどのように動いているのか、その一端を知ることにもなりました。
我愛羅:「何だっていい… それより早く その命懸けの試験ってヤツの内容を聞かせろ」
我愛羅は能書きはいいから、さっさと戦わせろと言わんばかりですね。
三代目は「説明をしたいが…」と口を濁します。
ここからは審判役の忍が説明します。名前は、月光ハヤテ。
咳き込んでいて、目に隈ができています。
受験者達も「体調悪そう 大丈夫かな」と不安そうです。
ハヤテは「第三の試験」の前に、本戦の出場を賭けた予選をやってもらうと説明します。
受験者達から「なぜ予選をするのか」と声が上がります。
今回は人数が残りすぎたので、中忍試験規定に基づいて予選を実施すると言います。
「第三の試験」にはたくさんのゲストが来るため、だらだらとした試合はできず、時間も限られているからだそうです。
ハヤテ:「えーーーというわけで… 体調のすぐれない方… これまでの説明でやめたくなった方 今すぐ申し出て下さい これからすぐに予選が始まりますので…」
「第二の試験」が終わったばかりで疲労困憊しているのに、これからすぐに予選とは過酷ですね。
ナルトはカブトとも約束したし、頑張るぞと意気込みます。
カブトと音隠れの上忍が目配せします。
カブト:「あのー… ボクはやめときます」
驚くナルト。
「同盟国同士の友好」、「忍のレベルを高めあう」というのは建前で、合同で中忍選抜試験を行う本当の目的は、非常に政治的なものでした。
まだ12、3歳くらいのナルト達には、難しい世の中の実情。
しかしこれが現実なのだと知らされます。
初回の受験者は、初めて「中忍選抜試験」の意味の重さを知ったでしょう。
おそらく彼らが想像もしなかった内容だと思います。
64話でイルカが心配していた理由は、下手をすれば命を落とす危険があったからですね。
社会に出ると、学校で教わらなかった世の中の実態や、矛盾にぶち当たります。
そこで挫折したり、絶望したりして闇落ちするか、自分なりに消化して越えていくかは、本人次第。
ナルト達も同じです。
中忍選抜試験は、その最初の関門です。
下忍になったとはいえ、今までは上忍の先生の元で勉強する、一種の見習いのようなもの。
中忍は部隊長クラスですから、荒波に漕ぎ出していく、船の船長です。
現実社会では、いい年をした大人が精神的に自立できないままでいるのを見かけます。
私の職場でもそういうタイプが増えてきました。
これは親や先生達が、「本当の大人になるとはどういうことか」を、実はわかっていないのが原因ではないかと思うことがあります。
親離れできない子供の親が、子離れできない親であることが多く見られるからです。
学校の教師も厳しいビジネスの現場で働いた経験が無いので、世間一般に対する認識の甘さを感じるときがあります。
教員になった友人と話していると、どうしてもズレを感じてしまいます。
彼らは教科書の内容は教えられても、社会に出てから何が必要なのか、子供達にどういう力をつけさせるべきなのかがわかっていないと思います。
仕事をしている私から言わせていただくと、精神的に自立できない大人は、社会に出てから本当に苦労しますよ。
何かあると人のせいや環境のせいにして、チームで仕事ができないです。
子供の幸せを思うなら、子供が世界のどこへ行っても、自分で生きていける力をつけさせてあげるのが、本当の愛情だと思いますね。
その点で見ても、NARUTOはすごく参考になります。
子供達に対して、周りの大人達は決して甘やかしたりしないし、子供の自立を促すように導いています。
相手が子供であることを踏まえた上で、「子供扱いしていない」と言うべきでしょうか。
12歳のナルト達や13歳のネジ達に対して、周りの大人がどのように接しているかをみると参考になると思います。
「これはフィクションだから」と思うかもしれませんが、日本でも武家の子供は15歳になれば大人扱いされて、大人としての教養や振る舞いを求められていました。
私は周りの大人の接し方が変われば、今の子供達もナルト達のように、自分で人生を考え、生き方を決めて、自立していけるようになると思います。
すなわち教育が一番大事。
精神的に自立できない大人が、ペーパーテストで合格して教員免許を取っても、人は育てられないと思っています。大人になれない大人が増えるだけで、悪循環です。
大学時代に教員免許を取らせるのではなく、一度社会に出て数年働いた人や、リタイアした人が教員になれるシステムを作る必要があるのではないかと考えます。
カブトが目配せしていた音忍は、大蛇丸のようですね。
カブトが予選を降りたのは、彼の目的が中忍になることではないからでしょう。
(65話は、コミック巻ノ8に収録されています)
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