NARUTO・9話「最悪の依頼人」
正式に下忍となった、ナルト、サスケ、サクラの三人。
担当上忍カカシ先生と共に、任務が始まります。彼らの任務は、逃げ出したペットの猫の捕獲。
隠れ里には、毎日多くの依頼が舞い込んでおり、上層部が難易度に合わせて、能力にあった忍者に任務として振り分けます。任務を成功させれば、依頼主から報酬金が入るというシステムです。これが里の資金になっているというわけ。
依頼は、子守りから暗殺までと、恐ろしく多様な内容です。
要するに「何でも屋」なんですね。雑用から殺しまで請け負うとは、忍者って大変。
しかし、依頼のおかげで里の財政を賄えるのですから、仕事はきっちり仕上げないといけません。
任務の難易度は、A〜Dまでのランク分けがあって、Aランクの更に上位はSランク。
下忍になったばかりのナルト達には、Dランクが割り当てられます。
Dランク任務ばかりで、かなり不満が溜まっているナルト。サスケも同意です。
サスケには復讐という目的があるので、Dランク任務ばかりではレベルアップできないと思うのでしょう。
途中から三代目の説明を聞かず、今日のお昼に食べるラーメンのメニューを考えているナルト。
話を聞け、と三代目から注意が飛びます。ホントにこの子は、人の話を聞きませんね。
この悪い癖は、今も(674話現在)直っていません。674話では、サスケから最後まで話を聞くように注意されています。
ナルトは、三代目のじいちゃんはいつも説教ばかりだと、不満たらたらです。
「けど オレってばもう…! いつまでもじいちゃんが思ってるような イタズラこぞうじゃねェんだぞ!」
カカシは、あとでどやされるのは自分だと、内心ハラハラ。
同席しているイルカは、ナルトの言葉にナルトの変化を感じます。
ここは、二人の違いが如実に表れるところで興味深い。
両名ともナルトの先生ですが、イルカとカカシでは、ナルトへの目線と距離感が全然違っています。イルカの方が、ナルトとの付き合いは長いし深いですからね。イルカは教師ですが、生徒というよりも身内に近い感覚をナルトに持っています。
三代目はイルカと同じことを思ったようです。
三代目:「…フフ……イタズラでしか自分を表現できなかったコイツが……」
三代目は、一つ上のCランク任務を与えることにしました。
任務の内容は、ある人物の護衛任務。
お殿様かお姫様か、わくわくするナルトですが、部屋へ入って来たのは柄の悪そうなじいさま。しかも酒瓶を持って。昼間から飲んでる?
このじいさまは口が悪い。超ガキばっかりで、しかも一番ちっこい超アホ面は本当に忍者か?と疑り深そうな眼で、三人を見ています。
一番背が低いのはナルト。サクラとサスケはほぼ同じくらいの背丈です。
小学生〜中学生くらいまでは、女の子の方が大きかったりしますよね。
じいさまは、波の国のタズナ。自称、橋作りの超名人で、この人が橋を完成させるまで、護衛をするのが今回の任務です。
タズナは依頼人であり、護衛をする本人でもあるというわけです。
さあ、出発です。ナルトは里の外に出るのは初めてなので、無茶苦茶はしゃいでいます。
タズナは、本当にこんなガキで大丈夫かと不安そうです。カカシは、上忍の自分がついているので心配要らないと安心させます。
じじいに舐められたくないナルトは、
「いずれ 火影の名を語る超エリート忍者! …名を うずまきナルトという 覚えとけ!!」
火影といえば里一番の忍者。お前のようなのがなれるとは思えないと、タズナに軽くあしらわれます。
一行の様子を伺っている者がいます。
サクラは、カカシに波の国には忍者がいるか質問します。他国の人が、なぜ火の国の隠れ里(木ノ葉隠れの里)に依頼をしたのか、気になっていたようです。
こうした細かいところに疑問を持つのは賢い証拠です。
ここからはカカシ先生の解説。この物語の世界観を説明している場面でもあります。
要約すると、
1.大陸にはたくさんの国々がある。
2.忍の里は国の軍事力にあたる。
3.里は国の支配下にあるわけではなく対等な立場。
4.波の国のように干渉を受けにくい小さな島国には忍の里が必要ではない。
5.”忍び五大国”と呼ばれているのは、木ノ葉・霧・雲・砂・岩の隠れ里が存在する国。
6. この五つの隠れ里の長が”影”の名を語れる。
カカシは、Cランク任務で忍者対決はないと、三人に説明します。外国の忍者と接触する心配はないと喜ぶサクラ。この子こそ、本当に忍者なの?って感じですね。
タズナの顔色が変わります。
それに気がつくサスケ。
水たまりから一人の忍者の姿が浮かびます。続いてもう一人。速攻!
鎖でカカシを締め上げます。そして鎖を引き合い、カカシの体がズタズタに!!!
一瞬声も出ない三人とタズナ。
「2匹目」
次のターゲットはナルトだ!
下忍としての日々が始まっていますが、ナルトはDランク任務ばかりで嫌気がさしています。口にこそ出しませんが、内心サスケも同じです。
ナルトは思ったことをすぐ口に出すタイプ。サスケは口数が少なく内に秘めるタイプ。
正反対の二人ですね。
私が面白かったのは、三代目、イルカ、カカシの、大人達の目線です。
三代目は三人が生れた頃から知っているだろうし、イルカはアカデミーに入学した頃から見守ってきています。
以前ナルトは、イタズラで自分の存在を認めさせようとしていました。
しかし、それは非常に幼稚なやり方です。
今のナルトは、もうイタズラをする必要がありません。
イルカ先生に存在を認めてもらえて、アカデミーを卒業できて、カカシ先生の試験にパスして、正式な下忍になりました。これからは、火影になって認めてもらうように努力するのみです。
このナルトの変化に、三代目もイルカも嬉しそうです。
そして、これからの成長を楽しみにしている様子が伺えます。
一方のカカシは、卒業後のナルトしか知りません。もちろんサスケやサクラについても同様です。
この時点では、まだ三人に対してそれほど思い入れがなく、三代目やイルカに比べると距離感があります。
師弟関係というよりも、もっとドライなコーチと選手のような関係でしょうか。
忍者の任務には「死」がつきまとうわけですが、サクラにはその自覚があまりないというか、避けて通りたいという気持ちが見え見えです。ナルトもカカシ先生がやられたのを見て、かなり動揺しています。一番冷静に見えるのはサスケです。
さて、Cランク任務は忍者対決がないので、三代目は許可したのでしょうが、今回はそうではなさそうです。さあ、どうするナルト達!
(9話は、コミック巻ノ2に収録されています)
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