抹茶みるく日記

感想や日々の雑考のブログです。感想は作品の評価より、自分の思考を深め、得るものがあるかどうかを重視しています。

NARUTO・13話「忍者だ!!」

水分身の術をコピーしたカカシ。ナルト達に話しかけていたのは分身の方で、本体は”霧隠れ”を逆手にとって、霧の中に隠れていました。

しかし、

 

再不斬:「オレも そう甘かぁねーんだよ」

 

カカシが捉えたと思ったのは、水分身でした。本体に後ろを取られてしまいます。

再不斬の振り回す大刀を体術でかわすカカシ。咄嗟に大刀を軸にして、回し蹴りを食らわせる再不斬。カカシは池の中に落ちます。

すぐにカカシを追う再不斬ですが、カカシが蒔いたまきびしで足止めされます。

カカシは次の一手が早いです。

 

ナルト達三人は、カカシと同等かそれ以上の、再不斬の体術に圧倒されています。

 

水の中に逃げ込んだカカシですが、水の様子がおかしいことに気がつきます。

 

「水牢の術!」

 

しまった、と思ったときはもう遅い。

カカシは水の玉の中に閉じ込められてしまいます。

カカシの動きを封じればこっちのもの。再不斬は水分身でターゲットを襲うつもりです。

 

額当てをして忍者気取りをしているガキどもと、再不斬はナルト達を見下しています。

本当の忍者は、いくつもの死線を越えた者をいう、お前らみたいなのは忍者とは呼ばないと、こき下ろします。

ある意味、当たってます。

 

分身の姿が消えたと思ったら、ナルトがふっとびます。蹴りが入った!

あまりの威力に、額当てが外れて飛んでしまいます。手も足も出ないナルト達。

 

カカシは、タズナをつれて早く逃げろと叫びます。再不斬とやっても勝ち目はない。

本体は水牢から離れられない。水分身は本体からある程度離れれば使えないはず。

逃げれば何とかなる状況のようです。

 

ナルトは、これが本当の忍者の実力だと、恐怖を覚えます。

逃げないと、本当に殺されてしまう!

立ち上がろうとするナルトは、手に痛みを感じます。

自分がクナイで刺した、手の甲の傷でした。

ナルトは、左手の痛みに誓ったことを思い出します。

もう二度と、おじけづいたり、逃げ腰にもならない。

サスケには負けない。

 

さっき外れた額当ては、再不斬の足の下にありました。

その額当ては、アカデミー生の頃に、イルカ先生に触らせてと頼んで、断られたもの。

そして、イルカ先生を守ってミズキを倒したときに、卒業を認められて、イルカ先生からもらったもの。

ナルトの中で、これまでのことが蘇ってきます。

初めはカカシ先生からガキ呼ばわりされたけど、サバイバル演習で合格できたこと。

三代目に、自分はもうイタズラ小僧じゃないと啖呵を切ったこと。

火影になり、火影を越して、里の人達に認めてもらう夢があること。

 

「そうだ… オレってば 忍者になった それに もう逃げねェって決めただろ! 

逃げねェって……!

 

ナルトの目に力が戻ります。

雄叫びを上げながら、再不斬に突進するナルト。

カカシもサスケもサクラも、ナルトの無茶ぶりにどうしようもありません。

傷だらけになりながら、何とか生還するナルト。

ナルトの目的は、額当てを取り戻すことでした。

額当てをギュッと締め直しながら…

 

「おい… そこのマユ無し…お前の手配書に新しくのせとけ! 

いずれ木ノ葉隠れの火影になる男 木ノ葉流忍者! うずまきナルトってな!!

 

ナルトの顔には気合いが漲っています。

頼りなさそうだったナルトだったのに、カカシもタズナもサクラも、ナルトの変化を感じています。

再不斬も同様。

 

ナルトはサスケに、耳を貸せ、作戦があると言います。

サスケは内心、この状況で作戦か?と半信半疑ですが、

 

「フン あのお前がチームワークかよ…」

 

確かにサバイバル演習では、独走したナルトでした。でもサスケ君、キミも個人プレイだったでしょ。

サスケの「フン」が出るのは、感心した場面や納得する場面などです。

否定的な意味ではなく、肯定的な意味で使われることが多いです。

 

さーて 暴れるぜぇ…

 

ナルトはこの状況をどう切り抜けるつもりでしょうか。

 

13話は、ナルトの心境の変化に注目したいです。

中忍の鬼兄弟との交戦で、ナルトは恐怖のあまり動けませんでした。反対にサスケは全く動じず、敵の攻撃を防ぎました。

ナルトはアカデミーでは落ちこぼれ、同期では成績最下位。

成績NO.1のサスケと同じ班になり、実力の差を思い知らされることになります。

火影になるという目標があるのに、サスケ一人にさえ劣っている自分が情けなく、悔しくてなりません。

毒血を抜くために自分でクナイを突き刺し、手の痛みに誓って、もう逃げないと決めたナルトでした。

しかし、圧倒的な実力者と遭遇し、現実の厳しさを思い知らされます。

 

私は、後ろ向きになりそうなナルトが踏ん張れたのは、自分を認めてくれた人を得た経験だと思います。

2話で木ノ葉丸が、里の人々が自分を、”火影の孫”としてしか見ず、”木ノ葉丸”として認めてくれない、寂しさや悔しさを打ち明けていました。

人から認めてもらえない孤独を十分に知っているナルトは、認めてくれる人が一人できるだけでも、すごく大変だったと説明しています。

ナルトには、大きな壁を越した経験があります。

人間は、一度壁を越した経験があると、二つ目以降は、何とかして越していけるものです。

私の経験からいうと、挫折する人は、壁があっても、のらりくらりと上手く抜け道を見つけて、壁にぶち当たることを避けてきた人です。

しかし、人生はそんなに甘くはありません。避けて通れない壁が、立ちはだかる時が来ます。

壁を越えた経験がある人は、二つ目、三つ目と壁が高くなっても、越せた経験が自信にもなり、経験値にもなっているので、もがきならがでも工夫して超えていけるのです。

何事も初めの一歩が難しいものです。

 

ナルトは、一時逃げようとしましたが、いままで頑張ってきた日々を思い出して、奮起します。

不可能と思われることでも、がんばったらやれるかもしれない。

これがナルトの気持ちを支えたのだと思います。

 

現在進行中の物語では(674話時点)、ナルト達三人は16歳〜17歳くらいになっていますが、設定によると、この時はまだ12歳で、カカシは27歳、再不斬は26歳です。

カカシは、ナルト達より15歳年上ですね。

13話は扉絵の三人がかわいい♡

額当てを斜めにして左目を隠しています。強いカカシ先生の真似をしているわけですね。ちょっと恥ずかしそうにして、サスケも真似ています。こういうサスケは、なかなか今では見られません。

やっぱり12歳の子供達ですね。

 

(13話は、コミック巻ノ2に収録されています)

 

NARUTO (巻ノ2) (ジャンプ・コミックス)

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